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第120話 邁進と予感

この第120話をもって、第二章を終了とさせて頂きます。

ご覧になって頂き、誠にありがとうございます。


第三章は2024年8月17日に公開予定です。

新展開を見せていきますので、今後ともよろしくお願いします!

ティリルを含めた領地を治めるハイレンド伯爵家の当主であり、エレーナの父であるロミック様の誘いで、護衛を兼ねた休暇を得る機会を得た俺達はその日々を楽しんだ。


その数日後……。


「トーマさん!」

「あぁ!任せろ!ハッ!」

「ギャァアアア!」


俺達はティリルから少し離れた河が流れる林にて、モンスター討伐系のクエストに赴いていた。

水棲系のモンスターが混在する巣窟のような場所であったが、そこには“フィッシャーナイト”や“アクアパイソン”等、かつて倒した事のあるモンスターが多くいたので、エレーナの【付与魔法】や【支援魔法】によるフォローもあって、対処にはそれほど困らなかった。

それにしても“フィッシャーナイト”までいたとは、クルスと初めてクエストに行った事を思い出させてくれるな。


「セリカ!ミレイユ!」

「あ!トーマさん!」

「こっちも終わりましたよ!」

「私の【爆撃魔法】で殲滅してやりました!」

「僕も前線でモンスターを倒しましたよ!」

「皆やるな!」


セリカはミレイユとクルスと連携してモンスター達を倒しており、こちらも完了だ。

日々の経験や鍛錬をドンドン積み重ねていった事で、俺達はモンスターに囲まれても、余程ヤバそうな状況でなければ力強く動けるまでに至ってきた。

ベカトルブに赴く前にBランクパーティー【ブリリアントロード】のウィーネスさん達からも特訓を付けてくれた事も大きかった。

そのベカトルブ近辺で発見されたダンジョン攻略をAランクパーティー【ノーブルウィング】のウルミナさん達と共に攻略したのは間違いなく今後の成長に繋がる糧を得られたと断言もできる。

冒険者としてクエストに出向く以上、命が危険と隣り合わせになるのは間違いないのは十分承知しており、セリカ達も理解している。

だが……。


「よし!皆、帰るぞ!」

「「「「ハイ!」」」」


それでも、俺は皆と……。もっともっと一緒に……。




同時刻——————


王都ファランテス。

それは、『豊穣の国』ビュレガンセの首都であり、そこに住む人口はティリル等の街とは比べ物にならない程に多く、土地も広大であり、常に活気付いている。

王城の近くの城下町には豊富な食物や資源に恵まれ、武具やアイテムを扱うお店の規模も品揃えも地方の店よりも種類も数倍ある。

当然、王国の兵士や衛兵も多く駐在しており、日々の治安維持に努めている。

そんな大きな城下町の近くに、王城の間の道の真ん中辺りの道で一つ付近に、大きくも荘厳さを感じさせる建物があった。

石造りがベースでいながらも、頑強さや華々しさを両立させたような立派な様相だった。

建物の中には白をベースに洗練されたロビーを始め、冒険者に関連する書類が大量に保管されている書庫、アイテムや素材を鑑定・精査する部屋等があり、多くの職員が慌しく仕事をしており、多くの冒険者達も出入りしている。


そう、この建物こそが、王都ファランテスに拠点を置くビュレガンセ冒険者連盟本部なのである。

各地に点在する冒険者ギルドのギルドマスターは所属している冒険者が活動しやすいように運営するのに対し、ビュレガンセ冒険者連盟本部は国内にある複数の冒険者ギルドを束ねる役割を担っている。

他にも、ギルドマスターを誰に任命するかの決定も、この連盟本部がその権利を一任されている。

ビュレガンセで活動している冒険者の総本山と言っても過言ではない場所であり、各地方を治める貴族とも大きな関係性を持っている。

故に、連盟本部の決定による冒険者達への影響力は絶大なモノである。


「以上が半期に一度行われるギルドマスター定例会議のスケジュールとなります。確認しましたところ、欠席者はゼロです」

「うむ。ご苦労……。」

「失礼します……」


連盟本部のとある執務室らしき部屋で二人の人物がやり取りを交わしている。

一人は黒いパンツスーツのような服装とポニーテールに眼鏡をかけたいかにも仕事ができる女と思わせるような女性だった。

もう一人はオールバックをベースにした白髪ながらも、その顔つきには柔らかさの中に大貴族の当主とも遜色ないような威厳を纏い、貴族服をベースにしたように仕立てられた絢爛さを感じさせる服装に身を包んでいる初老の男性だ。

秘書らしき女性は、要件を伝え終えた後に部屋を出ていった。


「ふうむ……」

(次のギルドマスター定例会議は議論すべき事が多そうだな……。何よりも……)


男性は椅子に腰掛けながら思案にふけている。

その後、一枚の資料に目を通し始めた。


「【アテナズスピリッツ】に籍を置くこの冒険者……。非常に興味深いな……」


そこに映っていたのは、Aランクパーティー【ノーブルウィング】の面々と俺達【トラストフォース】の5人の顔写真が載せられている。


「この『何でも屋』と言うギフトを持った冒険者の青年について非常に興味深い……。加えて、ベカトルブのダンジョンで見付けた例のアイテムについての解明を早めに済まさなければならんな……」

(年甲斐もなく胸が躍りそうだ……)


男性が座る机の上には、三角形の文鎮のような置物があり、それにはこう刻まれている。



ビュレガンセ冒険者連盟本部総帥 ゼラカール・フォートレイン


と……。


「さて……。何かが起きそうな気がしてくるな……」


そして、何かを心待ちにするような表情をしながら、窓に映る景色をジッと見ていた。




最後までお読みいただきありがとうございます。


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