第118話 海だ!水着だ!海水浴!②
今回も水着回です!
ベカトルブと言う街に赴いてダンジョン攻略を達成した俺達。
ティリルを含めた領地を治めるハイレンド伯爵家の当主であり、エレーナの父であるロミック様の誘いで、護衛を兼ねた休暇を得る機会を得た俺達。
赴いたルゾイエンで海水浴をしている中、ウィーネスさん達【ブリリアントロード】と偶然出くわした。
「ウィーネスさん!それに皆さんもどうしてルゾイエンに?」
「ルゾイエンの近くで採取系のクエストがあって、それを終えたところよ。ビュレガンセでも指折りに海が綺麗な場所に来たから、ちょっとね……」
「本当は遊びたいだけなんだよね……」
「ちょっとリエナ!」
(子供のような一面もあるな……)
ウィーネスさん達はルゾイエンの近くでクエストを引き受けて達成したものの、せっかくの機会にと思って立ち寄ったとの事だ。
一泊すると言っており、街の中では比較的安い方の宿屋を借りているらしく、明日にはギルドに戻るとの話だが、それについては別行動になる。
今の俺達とウィーネスさん達では来ている目的が違う訳だから。
続いて俺達がこの街に来ている理由を伝えた。
「え?ロミック様の護衛がてらで来ている上に良いところのホテルに泊まってる!?」
「は、はい……。ご厚意で昨日から宿泊しておりまして……」
「いいな~」
「羨ましい」
「これはこれは。かの【ブリリアントロード】の皆様ではないか」
「ロ、ロミック様!」
ウィーネスさん達は羨ましそうな様子をしているところに、ロミック様が前に出た。
するとウィーネスさん達は礼儀正しく挨拶をしている。
「今回は仕事もそうだが、トーマ殿やケイン殿達はイントミスを脅かそうとした闇ギルドの一件で尽力してくれた。そのお礼も含めて私が誘ったのだよ」
「そ、そうだったんですね……」
「だが、そなたらの活躍も目覚ましく、こうして会えて私も嬉しく思っている。もしも良ければ、我々と行動を共にしないかね?流石に宿泊施設をどうこうするのは叶わないが……」
「ご、ご一緒させて頂けるなら是非よろしくお願いします!」
「決まりだね」
こうしてウィーネスさん達も海水浴に参加できる事になった。
賑やかになるだけでなく、有事の際には一層心強くなるような気もしてきた。
それからはウィーネスさん達も俺達が使っていたコテージにある更衣室で水着を買って着替える事になった。
約数分後——————
「よぉ!着替えてきたぜ!」
「バダックさん!モレラさん!トクサさん!」
(バダックさん筋肉凄い!)
まずはバダックさんら男性陣が水着姿で現れた。
バダックさんは焦げ茶色、モレラさんは水色、トクサさんは薄いグレーの海パンを履いており、それぞれ南国を思わせる薄手のパーカーやシャツを羽織っている。
特にバダックさんは『重戦士』のギフトを授かっただけに、筋骨隆々な身体をしており、タンクトップから覗く腕が丸太のように太かった。
モレラさんとトクサさんは『ギフト』とは反比例に、細マッチョのような体格をしている。
「にしてもセリカ達の水着姿初めて見たけど……。可愛くね?」
「えぇ……。同感です」
「エレーナは水着姿なのに気品が半端ない」
「それも同感です」
バダックさんは浜辺で遊んでいるセリカやミレイユ、フィリナさんやエルニさんを見てちょっとだけ鼻の下を伸ばしている。
モレラさんとトクサさんはパラソルの下で優雅にアイスティーを嗜んでいるエレーナをちらちらと見ている。
「まさかウィーネスさん達とここで会うなんて思いもよりませんでしたよ」
「冒険者は様々な場所や土地に行く機会があるから、見知った者同士が思わぬ場所で鉢合わせるのは珍しくないからね」
「しかし、ルゾイエンで再会するのは意外でした」
俺とクルスはケインさんとそんなやり取りを交わしていた。
長く冒険者を続けていれば、同じギルドであろうと他所のギルドであろうと、見知った冒険者とクエスト先もしくはその近辺でバッタリ会う事も偶にあると教えられた。
俺達もいつかそんなシチュエーションに遭遇するだろうと思い直す。
『旅は道連れ世は情け』って言葉があるように、同じギルドの仲良しな冒険者とクエストの道中で出会ったら、力になれればいいなとも考える俺だった。
「お~い!お待たせ~!」
「!?」
ウィーネスさんの声が届き、その方角に目をやると、俺達男性陣はほんの一瞬固まった。
「水着を選ぶのにちょっと時間かかっちゃった!」
「私は割と早く決めたんだけどね」
そこには水着姿のウィーネスさんとリエナさんの姿があった。
ウィーネスさんは白色を基調にした逆三角形デザインであり、小麦色がかかった肌をしている彼女の魅力を存分に引き出しており、モデルのようにスラッとしているスタイルの良さも際立っている。
リエナさんはすみれ色のレース素材と思しき素材を取り入れているオフショルダータイプのビキニにパレオを腰に巻いており、大人な女性と感じさせる印象だった。
ウィーネスさんほどではないが、リエナさんも背は高めでスタイル抜群だ。
「どう~?」
「い、良いと思うぞ……」
「似合います」
「ウィーネスさんもリエナさんも素敵です……」
「あら、そう?」
「これにして良かったわ」
バダックさんら【ブリリアントロード】の男性陣は顔を赤らめながら褒め言葉を並べており、ウィーネスさんとリエナさんもホッとしたような表情だ。
それから二人はセリカ達女性陣と合流した。
「セリカ!皆、お待たせ~!」
「ウィーネスさん!その水着凄く似合ってます!後、そのスタイルも羨ましいです!」
「そんな事無いわよ!セリカだって着ている水着も良く似合うよ!」
「リエナさん、水着姿も素敵です!パレオとか売ってたんですね!見落としてました」
「あら、嬉しい」
セリカとミレイユはウィーネスさんとリエナさんの水着姿を見て褒めちぎっていた。
そこへエレーナに加え、フィリナさんやエルニさんも交えて水着の感想会みたいになってきているが、全員その表情はとても活き活きとしている。
陽光の下で無邪気にはしゃぐセリカ達は輝いていた。
ここに仲間や見知った仲の女性冒険者達が水着姿で揃っているけど、自分が言うのも何である事を百も承知で思った。
(こうして見ると絵になるな~)
なんて事を考えてしまっている俺だった。
恐らくクルスだけでなく、ケインさんやバダックさん達も同じ事を考えているに違いない。
本当に綺麗で素敵だから。
そこからは男性陣を交えて遊ぶ事になった。
スイカみたいな果物を目隠ししながら探り当てるゲームをしている者。
浮き輪に浮かんでのんびりする者。
中々激しい水の掛け合いをする者。
トロピカルジュースを飲み比べては楽しむ者。
(嬉しい!楽しい!最高だ!)
俺は仲間達と、先達の冒険者達とこれ以上ないくらいに充実した時間を過ごせたのだった。
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