第117話 海だ!水着だ!海水浴!①
少しの間、水着回です!
頭の中でイメージしながらご覧になれば幸いです!
ベカトルブと言う街に赴いてダンジョン攻略を達成した俺達。
ティリルを含めた領地を治めるハイレンド伯爵家の当主であり、エレーナの父であるロミック様の誘いで、護衛を兼ねた休暇を得る機会を得た俺達。
ルゾイエンに到着した翌日—————
「「うお~~~!」」
「広く綺麗ですね!」
「いつ見ても最高の景色です!」
「こうして近くで見ると美しさが段違いって感じます!」
俺達はルゾイエンの名物的スポットである海岸に来ている。
目の前には眩く輝きそうな砂浜と翡翠色がかかった紺碧色に広がる大海原があり、数百メートル離れた海底まで見えそうなほどに透き通っている。
俺達以外にも既に何人かが海水浴を楽しんでおり、賑やかな雰囲気だった。
「私もこの海岸の景色を気に入っていてね。気に入ってもらえたかな?」
「ハイ!」
「あそこの売店を兼ねたコテージに更衣室があるから、そこで着替えるといい」
既に南国で過ごすような格好になっているロミック様とガレル様との細やかなやり取りを終えて、俺達は男女別の更衣室で着替える事になった。
水着についてだが、エレーナは自分用を持っているのに対し、俺達はコテージの売店で買う事になったが、売っているバリエーションが中々に多かった。
それからすぐに着替えて海岸に出た。
「ふう~!この開放感堪らないな~!」
「僕は今まで海を見る機会と言えばシーゾスに赴いた時くらいしかありませんでしたけど、これほどまでに碧く美しい大海原を間近で見たのは初めてですよ!」
「クエストとかでルゾイエンに来た事はないのか?」
「ないです!」
俺は砂浜でクルスと和やかに会話している。
俺は青色、クルスは灰色を基調にした海パンを履いており、薄いパーカーを羽織っている。
見た目は普通の水着だが、激しい動きに耐えられるように特殊な素材で作られており、それが気に入って買っておいた。
「こうして見ると本当に絶景だな!」
「同感です!」
「あ、ケインさんとニコラスさん!」
「パラソルやテーブル、借りて来たぞ!」
「飲み物も買ってきましたよ!」
そこには水着に着替えたケインさんとニコラスさんがパラソルや飲み物を抱えながら歩み寄って来た。
基本的には俺と同じような格好だが、ケインさんは黒色でニコラスさんは紺色を基調にしている。
ケインさんは背も高く逞しい身体つきをしているため、海パン一丁になればそれが顕著に表れている。
ニコラスさんは『魔術師』ではあるものの、ガリガリな体型ではなく、普通の人より筋肉は付いているようだ。
「ケインさん、凄い肉体してますね!」
「トーマ達も鍛錬を重ねればこのくらいにはなれると思うぞ!身長は難しいけど!」
「大人になったら簡単には伸びなくなりますからね」
先に来た男性陣はパラソルを建てて簡易式のテーブルを組み立て始めた。
その時だった。
「トーマさ~ん!お待たせしました!」
「お~!セリカ達も着替えて……」
セリカ達の声が聞こえた方角へ振り返った瞬間、俺とクルスは少し固まり、ケインさんとニコラスさんは感嘆したような表情を見せた。
「種類が結構あるから悩んじゃいました!」
「セリカに同じくです!」
「わたくしは自分の分を用意しておきましたよ」
(す、凄い……)
そこには水着に着替えたセリカ達がいた。
ミレイユやエレーナの後ろには、同じく水着姿のフィリナさんとエルニさんがいる。
「トーマさん……」
「ハイ!」
「悩んだ末に選んで着てみたんですけど、どうですか……?」
「どうですか?」
「「……」」
セリカは青色をベースにしたオーソドックスな形をしたレース付きのビキニを選んでいた。
布で隠している部位は必要最低限であるが、セリカは手足がすらっとしているため、そのスタイルの良さが際立っている。
いつもの数倍美しく見えるため、俺は感想に困っている。
「す、凄く似合ってるよ。いつもの何倍も素敵に見えるよ……」
「本当ですか?良かった!」
「わたくしのもどうでしょうか?」
「クルス!どう?変じゃない?」
「え、あ、それは……」
俺はありきたりな褒め言葉しか言えなかったが、セリカは大喜びだ。
エレーナも自前の水着を披露し、ミレイユはクルスに感想を求めている。
ミレイユは薄いピンク色のキャミソールタイプの水着であり、上下別れてお臍が出ているデザインだが、とても可愛らしい。
エレーナは真っ白なワンピースタイプの水着であり、下の部分はミニスカートのように広がっており、貴族令嬢である彼女が持つ気品が溢れてならない。
ハッキリ言って、3人共美しくてスタイル抜群だ。
「ケイン……」
「ん?」
「どう……?」
「お、おう。良いと思うぞ……」
「ちょっと~それだけ!?」
「本当に似合うから!」
((微笑ましい……))
ケインさんはフィリナさんの水着姿を披露されては対応に困ったような様子だ。
フィリナさんはモノクロ系のウエスト部分や背中部分が十字のようなデザインになっている水着を着用しており、長身で鍛え引き締まった肉体を存分に見せている。
太陽の光もあってか、フィリナさんのオレンジ色の髪がより鮮やかに輝いているようにも見えた。
エルニさんは白いドットのサロペットタイプの水着を着用している。
薄いベージュの上着も羽織っているだけに、フィリナさんと比べれば露出は少ないが、むしろ慎ましく柔らかなエルニさんの魅力を引き出せている。
「フィリナさん!スタイル凄く良いですね!水着も良く似合います!」
「背が高いですからね~。フィリナさんは!」
「でしょ?」
「エルニさんもお淑やかさを感じさせる水着を選びましたね!お似合いです!」
「ありがとうございます……」
フィリナさんとエルニさんの水着姿を見たセリカ達もべた褒めだ。
「全員、水着に着替えた事だし、遊ぶわよ~!」
「「「「「「「オォオ―――!」」」」」」」
フィリナさんの意気揚々とした一声を皮切りに、俺達の海水浴が始まった。
海に入って涼みながら、それぞれが思い思い楽しみ始めていく。
潜ってスキューバダイビングみたいな事を楽しみ、海辺で水をかけ合って無邪気に笑い合っては砂浜でゆっくりとしたりでその時間を満喫した。
「いや~!気持ち良い!」
そして気がついたら正午になっていた。
「そろそろ昼食時だ。あそこのコテージで席を予約しておいたから向かうとしよう」
「皆さん!参りましょう!」
俺達は昼食のためにコテージへ向かう事となった。
売店だけでなく、飲食できるお店も数点構えられており、コテージと言うよりも一つの複合施設と言っても過言ではなかった。
「いらっしゃいませ。これはこれはハイレンド伯爵様。ようこそお越し下さいました」
「予約をしておいたんだが……」
「こちらでございます」
一人のウエイターに案内されるままその場所へ向かう。
「ここでバーベキューをしよう」
「うわ~!広い!」
俺達は何とオープンな場所で食事を頂ける事になった。
しかもバーベキュー形式な上に食材を焼いてくれる料理人までいると言う豪華なモノだ。
海と言えばバーベキューなのは確かだが、贅沢過ぎる気がすると言うのは止めておこう。
「この肉美味い!」
「野菜もシャキシャキです!」
「ロミック様。本当にありがとうございます!」
「ハハハ!喜んでもらえて何よりだよ」
俺達はバーベキューを楽しんだ。
腕の良い料理人が作ってくれただけに、肉も野菜も絶品だった。
沢山遊んだ後の肉料理は最高だ。
「お酒は飲みたいけど、まだ遊ぶつもりだから我慢!」
「ジュースで代用して、夜に飲むとしよう!」
「それが良いと思うわ!」
お酒を飲んだ後で泳いだり潜ったりするのは危ないので、ランチは水やジュースで我慢する事にした。
せっかくの楽しい一時でトラブルを起こすのは誰でも嫌だろうし……。
それからバーベキューでの食事は大いに盛り上がった。
大いに楽しんだ後にお店を後にしていった。
「私はガレルと共に手配していた宿泊施設を中心に行動するつもりだが、君達はどうするのかな……?」
「そうですね。えっと……」
ロミック様の質問に答えようとしたが、セリカ達女性陣からは「もっと海で遊びたいです!」みたいな視線を向けられ、俺は思案の末に……。
「もう少し、海で色々と過ごしてみたく思います。せっかくの機会なので……」
「そうかい。何かあれば、速やかに言って欲しい。対処に動かせてもらうから……」
「はい……」
ロミック様はガレル様と一緒に宿泊先の部屋に戻っていき、俺達は再び海水浴や海に絡めた娯楽に興じようとした。
ランチを取ったお店から出てしばらくした時だった。
「次は何をしてみましょうかね……?」
「そうだね……。他にあるとすれば……」
「あれ?トーマ!セリカ達もいるじゃん!」
「「え?」」
俺達は聞き覚えのある声に反応し、呼び掛けられた方角に目をやる。
「凄い偶然ね!てか冒険者ルックじゃないけど、もしかして休暇?」
「「ウィーネスさん!」」
振り向くとそこにはBランクパーティー【ブリリアントロード】のリーダー的存在であるウィーネスさん達がいた。
これまた何かが起きそうだ……。
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