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第102話 ダンジョン攻略⑥

ダンジョン攻略中です!

ダンジョンのボスモンスターとの闘いが始まります!

ギルドマスターであるカルヴァリオさんのお願いでベトカルブと言う街に赴いてダンジョン攻略に臨んでいる。

ダンジョンの最奥である扉まで辿り着き、俺の【ソードオブシンクロ】とルエミさんの【付与魔法】によるフォローを通じ、エレーナの【聖属性魔法】によってこじ開ける事に成功するのだった。


そして—————————


「よし!準備はできているか!」

「「「オウ!」」」

「「「「「ハイ!」」」」」


ガイキさんの掛け声に対し、俺達は力強く応えた。

扉をこじ開けるのに体力や魔力を消耗した俺とエレーナ、ルエミさんの回復を中心に休憩を取り、それぞれが武器の点検や作戦会議をしていた。

それから各々の準備が整い、最奥の扉の向こう側へ踏み入れる事になった。


「広いな……」

「さっきまでモンスター達と戦ったフロアの数倍はありますね……」


入ってみると、俺達が沢山のモンスターと戦ったフロアの数倍広く、石造りの壁や床でできた空間だ。

壁には岩でできた灯篭のような物体が沢山あって火を灯しているが、却って不気味さを際立たせているような感覚を抱いている。

Aランクパーティーの【ノーブルウィング】や【飢狼団】が中心となって戦線に立ち、Cランクパーティーの【トラストフォース】は後方から援護する形で攻略していく手筈だ。

ラルフさんは最前線に立って前方を、クルスは後ろからの奇襲対策で感知系スキルを総動員して警戒心を高めている。


(視界に映る限りではトラップはない……。モンスターの気配もない……)

「ここが扉の中みたいだな。今のところトラップの気配はないが、警戒して進んで下さい!」

「分かったわ」


ラルフさんが皆に呼び掛けると、ウルミナさんは頷く。

それから少しずつ歩いて行くと……。


「!……。来ます!」

「何?」


ラルフさんが何かを気取ったのか、俺達へ戦闘準備をするように声を上げた。

全員が武器を取り、警戒心を高めていく。

すると……。


ゴゴゴゴゴゴゴッ……。

「あの石像……動いている。まさか……」

「トーマさん!?」


目の前の3メートルはあるだろう悪魔をモチーフにしたような石像がガタガタと動いており、今見ている現象からある事を直感したような表情をした俺にセリカが問い掛ける。

間を置かずに石像の腕が、脚が動き出していき、徐に立ち上がり……。


「グォオオオオオ!」

「「「「「「「「「グッ!」」」」」」」」」

(何と言う叫び声だよ!)


さっきまで石像のまま立っていたそれは、二足歩行となった人間のような姿へと変わった。

赤みがかかった焦げ茶色の皮膚に後にとぐろを巻いたような二本の角、ヤギのような眼に鋭い犬歯、両手脚から伸びた鋭い鉤爪、そして広げた翼をしている。

禍々しい殺気を見て俺は確信した。


「コイツ……“ガーゴイル”か?」

「そうよ!正確には“デッドガーゴイル”って言うの!レア度Aの強力なモンスターよ!」

(よく知ってるわね……)


俺がそう言うとウルミナさんは正解である事と、強いモンスターであると説明された。

レア度Aのモンスターに遭遇するのはこの世界に来てから初めてであり、以前やり合った“ミスリルメガリザード”よりも格上なのは直感で分かった。

図体はそれよりも小さくスマートだが、纏う魔力の質や濃密さは遥かに大きく深く、何よりも得も知れぬプレッシャーが凄まじかった。

その時だった……。


ドシュッ!

「グァア!?」

(!?)


すると“デッドガーゴイル”の左肩に一本の矢が刺さっていた。

ふと後ろを振り向くと……。


「何やってるんだい!最後に倒すべき相手は目の前にいるだろ!」

「サリナ……」

「サリナさん……」


【飢狼団】の『アーチャー』にして紅一点であるサリナさんの弓矢による一矢だった。

思わず気圧された俺達に一喝を浴びせた。


「そうだな。ありがとうサリナ。お陰で眼が覚めたぜ……」

「この“デッドガーゴイル”を倒せば俺達の勝ち。分かりやすい話だ……」

「なれば、倒して生き残る一択だな!」

「お前ら!勝つぞ!」

「「「「オォオッ!」」」」


ガイキさんの号令で、【飢狼団】の4人は気合を入れ直していく。


「【トラストフォース】の5名は後方支援をメインに動いて!ルエミは状況に応じて【付与魔法】をかけて!ジーナ、ランディー、ラルフの3名は前衛へ!私が援護射撃する!」

「「えぇ!」」

「「ハイ!」」

「皆!やるぞ!」

「「「「ハイ!」」」」


ウルミナさんの掛け声に【ノーブルウィング】のメンバーは瞬時にフォーメーションを整えて迎え撃つ姿勢を整える。

前衛には【アテナズスピリッツ】からジーナさん、ランディーさん、ラルフさん。

【アンビシャノブアレス】からガイキさん、ジニックさん、ゴージさんが構えている。

後衛には俺達【トラストフォース】組の5名。

間には中遠距離攻撃を得意にしているウルミナさんとサリナさんに加え、【付与魔法】が使えるルエミさんがいる。

そして……。


「ガァア!」

(!?)


“デッドガーゴイル”はそのまま突っ込んで左腕を振り下ろしてきたが、前衛にいるメンバーは見事に躱して見せる。

しかし、一発で直径1メートルほどの穴が開いており、その威力は強烈だ。


「バァアウ!」

(【炎魔法】か?それもこれは?)

「前衛は回避して!」


ガイキの読み通り、“デッドガーゴイル”が口を大きく開くと、【炎魔法】による火炎放射が放たれ、ウルミナさんの指示で前衛陣は躱し切る。

その炎は俺達に向かっていく。


「【岩石魔法LV.3】『ロックランパード』!」


ウルミナさんが杖を前にかざすと、城塞のように分厚い壁が下から一瞬でせり上がり、強力な炎はそれによって阻まれた。


「流石ウルミナね!」

「次はこちらの番だ」

「攻めさせてもらう」

「俺達もいるぞ!まずは機動力を奪う!」

「反撃開始だ!」

「ウォオオオオオ!」


前衛にいる6名は“デッドガーゴイル”が魔法を撃ってできた隙を突いて攻め立てる。


「ランディー!」

「分かってます!」

「【剣戟LV.2】『虚空号突』!」

「【棒術LV.2】『牙風突き』!」

「ギャアアアア!」


ランディーさんは槍、ジニックさんは剣による速く鋭い突きを放ち、“デッドガーゴイル”の両翼を抉り取る。


「ガァア!」

「やらせん!」

「そら!」

「ギャアアアア!」


“デッドガーゴイル”は右腕でジニックさんを殴ろうとするが、ゴージさんは盾で防いだ。

ただの防御ではなく、角度を付ける事でいなすように受け流し、逆に“デッドガーゴイル”のバランスを崩させ、隙ができたところにジーナさんによる斧の斬撃がその右腕を斬り裂く。


「【剣戟LV.2】『隠座双刃』!」

「グギィイイイ!」


間髪入れずにラルフさんが背後から“デッドガーゴイル”の首筋から背中に向けて、ロングナイフを降り下ろして斬り裂いた。

そこにサリナさんの弓矢による援護射撃もあって、更にダメージを重ねていく。


「トドメだ!全員下がれ!」

「グォオ!?」


ガイキさんがウォーハンマーを構えながら突っ込んでいき、それ以外の前衛メンバーは素早く退避する。


「【剛戟LV3】&【岩石魔法LV.2】『巨岩・破砕穿ち』!」

「ギャァアアアアアア!」


凄まじいスイングや震脚と共に振り抜かれたガイキさんのウォーハンマーは“デッドガーゴイル”の腹部を正確に捉え、“デッドガーゴイル”はバキバキに骨が折れる鈍い音を立てながら壁まで吹き飛び叩き付けられた。


「よっしゃー!」

「流石はガイキだ!」

「す、凄い威力だ……」

「あの巨体が壁まで吹き飛ぶなんて……」

「流石はAランク冒険者。少なくとも個々の実力は半端じゃない……」


俺達はガイキさんらAランク冒険者の総合的な実力の高さを改めて思い知った。

そして、そこに至るまでの壁の高さと厚さも……。


「ん……?」

「どうした?クルス?」

「あの“デッドガーゴイル”……。まだ光の粒子になってないですよ……」

「え?」


クルスは何かを感じ取ったのか、ガイキさんが吹っ飛ばした“デッドガーゴイル”の方角に目をやると、土煙が立ったままだ。

一時は浮かれ気味になりかけたガイキさんも、気が付けば戦闘態勢に再び入っており、空気を感じた他のメンバーも引き締まった表情をしている。

数秒して……。


「ギィイガアアアアアア!」

(ま、まだ倒れないのか……?いや、それより……)

「なるほど……。一筋縄ではいかねーって感じだな……」


何と“デッドガーゴイル”は凄まじい一撃を受けたにもかかわらず、咆哮を上げて立ち上がったのだった。

それどころか、ボロボロにされたはずの身体や翼がほとんど修復されており、最初に見た時よりも禍々しい姿をしている。

纏う瘴気も、闇ギルドの事件で相対した魔改造されたドキュノやビデロスに近いようなおぞましさを感じる。


「Aランク冒険者の攻撃を受けても倒れるどころか恐ろしくなるなんて……」

「これがダンジョンのボスの力……」

「……」


前衛にいるガイキさんらはやり合う姿勢を見せる一方、エレーナは真剣な表情で戦況を見守っている様相をしている。


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