第99話 ダンジョン攻略③
ダンジョン攻略に挑んでいます!
今回はトーマ達が大暴れ!
ギルドマスターであるカルヴァリオさんのお願いでベトカルブと言う街に赴いてダンジョン攻略に臨んでいる。
その途中で大量のモンスター達が構える部屋へと入り、協力を申し出た冒険者ギルド【アンビシャノブアレス】のAランクパーティー【飢狼団】と共に俺達【トラストフォース】も戦線に出るのだった。
「「「「「「「「「グルルルル……」」」」」」」」」
「「「「……」」」」
(こうして見るとかなり多いな……。だが……)
「行くぞ!」
「「「「ハイ!」」」」
俺が号令をかけると、クルスとセリカが続き、ミレイユは後衛に立っている。
今度は猛獣系のモンスターの他にも、“ゴブリン”系や“オーク”もおり、言ってみればコロニー殲滅のコラボレーションのようになっている。
モンスター達に対し、俺とクルスが先陣を切る。
「【炎魔法LV.1】『ファイアーボール』!」
「フン!」
「「「「「ギィアアアア!」」」」」
俺はエレーナが加入した段階で習得する事ができた【炎魔法】『ファイアーボール』を放ち、クルスが炸裂弾数個をモンスター達にぶつける。
数体のゴブリンやオークがダメージを受け、煙が巻き上がる。
「セイ!」
「ヤァア!」
「ハァア!」
「「「「「ギャァアアアアアア!」」」」」
俺とセリカ、クルスによる剣術で倒せそうなモンスターから次々と倒していった。
すると人獣型のモンスター達は俺達の方を向いて襲い掛かろうとしてきた。
「よし、セリカ!クルス!散れ!ミレイユ!エレーナ!」
「準備できてます!」
「わたくしもです!」
俺が合図をすると、セリカとクルスは散り散りに分かれ、ミレイユとエレーナは杖を構えて準備を整えている。
「ミレイユさん、行きます!【付与魔法LV.1】『エンチャント・レッド』!」
「行くわよ!【爆撃魔法LV.1】『ボンバード』!」
「「「「「ギョァアアアアア!!」」」」」
広い部屋の中でモンスター達が爆炎に包まれた。
ミレイユが新たに会得した【爆撃魔法】は【炎魔法】の発展系の魔術スキルであり、彼女のセンスや杖に秘めた魔力、更にはエレーナの【付与魔法】を考慮しても凄まじい威力だ。
エレーナの【付与魔法LV.1】『エンチャント・レッド』は【炎魔法】や【爆撃魔法】の威力を瞬間的に大きく向上させる。
【支援魔法】よりも使う機会は少なめだが、ピンポイントに絞っただけにその威力の上昇度合いは折り紙付きだ。
それから俺達は残ったモンスター達を相手に立ち回っていく。
相手が弱っているのもあるが、ミレイユとエレーナは後方から魔力消費量が少なめな魔法攻撃で援護し、俺とセリカとクルスも【腕力強化】や【脚力強化】による剣術で応戦した。
この先どれだけのモンスターやトラップがあるか分からないからね……。
「私は初めて見たけど、【トラストフォース】の連携は凄いね……。最初の弱めな魔法と炸裂弾で牽制して数体を剣術で倒し、注意が向いたところで散り散りになって【付与魔法】ありの【爆撃魔法】で半分近くを殲滅させるなんてね……」
「一気に追い打ちをかけてもいい頃合いなのに、魔力の消費量を最小限で済ませながら立ち回っている……。これって……」
ルエミさんは俺達の連係プレーに感心している様子であり、ウルミナさんは何かに気付いたような様子でジーナさん、ランディーさん、ラルフさんに目をやった。
「「俺達がトーマとクルスに教えた!」」
「アタシがセリカとミレイユに教えた!」
「やっぱり」
ランディーさんとラルフさん、ジーナさんがきっぱり言うと、ウルミナさんは納得した。
ダンジョンに入る前日、俺とクルスはランディーさんやラルフさんから、セリカとミレイユはジーナさんからダンジョン攻略の心得を教わっていた。
ダンジョン攻略の基本は陣形を崩さずにモンスターの奇襲やトラップに警戒しながら進み、フロアでモンスターとの戦闘が何回かあるため、強力なモンスターと遭遇してしまわない限りは魔力消費の激しいスキルは使わない事を心掛ける事だ。
さきのフロア内でモンスター達と戦闘をした【飢狼団】達はベーススキルの【腕力強化】や【脚力強化】しか使っておらず、ギフト特有のスキルは未使用で片づけていた。
但し、俺達【トラストフォース】はそこまでの領域に辿り着いていないので、攻撃型スキルをちょくちょく使っているが、いつかできるようになれればと思う。
「グルルルル……」
「どうやらこいつがフロアのボスっぽいな……」
「あれははレア度Bの“ハーダーマッドコング”だな!Cランクパーティーにはちと厳しいかもしれねぇ……」
「ガイキ、加勢する?」
体長3~4メートルはあるだろう、鎧のような筋肉に身を包んだ凶暴そうなゴリラみたいなモンスターが現れ、ガイキさんとサリナさんは厳しいと判断して加勢を考えたが……。
「俺達でやらせて下さい!」
「大丈夫なのか?」
「いざと言う時には私がフォローする」
「分かった」
俺は自分達のチームでやり切る意思を伝え、セリカ達も頷いた。
ウルミナさんは危ない時には自分達がフォローする考えを伝えると、ガイキさん達は引き下がった。
「ゴォオオオオオ!」
「来るぞ!」
「「「「ハイ!」」」」
叫び声を上げる“ハーダーマッドコング”は俺達に向かって走りながら拳を突っ込んで来たが、全員それを躱した。
するとミレイユとエレーナの下へその巨体は走り出す。
「ゴォオオオオオ!」
「エレーナ!」
「【付与魔法LV.1】『エンチャント・ブルー』!」
「【氷魔法LV.1】『フリーズショット』!」
今度のエレーナが掛けた【付与魔法LV.1】『エンチャント・ブルー』は【水魔法】や【氷魔法】の威力を瞬間的に大きく向上させ、ミレイユの撃った魔法は“ハーダーマッドコング”の右膝までを覆いそうなくらいに氷漬けにしていく。
ただ凍らすだけでなく、地面と縫い付けるようにする形でだ……。
ゴキッ!
「グォオ!?」
「よし!作戦成功!」
「へぇ……。【氷魔法】にあのような使い方があるとは……」
“ハーダーマッドコング”の右膝から骨が折れた鈍い音がフロアに響き、叫び声を発してうつ伏せに倒れた。
ウルミナさんは感心した様子だった。
「今だ!」
「【付与魔法LV.1】『エンチャント・シャープネス』」
「「ハァアアア!」」
俺が合図を出すと、セリカは“ハーダーマッドコング”の背中を、クルスは脇腹を深く刺し、俺はその首を斬り裂いた。
そして“ハーダーマッドコング”は光の粒子となって消えた。
「ふぅう……。何とか勝ったな……。ありがとうエレーナ!まさか武器にまで【付与魔法】をかけられるなんて驚いたよ」
「【付与魔法】は味方だけじゃなく、その武具にも掛ける事が可能なんですよ。ただ、メンテナンスはした方がよろしいかと……」
「分かった。そうするよ」
俺はエレーナにお礼を言うと共に、【付与魔法】の汎用さに感心した。
「やるじぇねえか!お前ら!」
「ガイキさん!」
「個々の実力もCランクを抜けそうな勢いでチームワークも抜群、ウルミナ達の入れ知恵もあったとは言えダンジョンでの動き方を理解した立ち回り、良いじゃねえか!」
「アタシもこの弓で援護するつもりだったけど、その必要もなかったわね!」
「俺らが言うのもアレだが、見どころあるぜ!」
「あ、ありがとうございます!」
Aランクパーティーのガイキさん達が褒めてくれた事に俺達は嬉しさを隠し切れなかった。
Bランクパーティーの【ブリリアントロード】のリーダーであるウィーネスさんに修行を付けてもらったものの、実力が上がっている実感を改めて得る事もできたのだから。
「だが、まだまだ先は長い。油断するなよ!」
「「「「「ハイ!」」」」」
それでも、まだダンジョン攻略中の身であるため、ガイキさんの一声で再び気合を入れ直す俺達であった。
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