第97話 ダンジョン攻略①
異世界に来て初めて、本格的なダンジョン攻略です!
しばらく続きますので、見守って頂ければ幸いです!
ギルドマスターであるカルヴァリオさんのお願いでベトカルブと言う街に赴いて欲しいと言うクエストを受ける流れになった。
Aランクパーティーの【ノーブルウィング】とベカトルブへ赴いて到着した。
内容はダンジョン攻略であり、そのためには【聖属性魔法】が使えるエレーナが必要である事から、俺達は主にその護衛を担う。
ダンジョン攻略に挑む朝———————
「皆、行くわよ!」
「「「「「ハイ!」」」」」
ウルミナさんを先頭に俺達は宿を出て、冒険者ギルド【アンビシャノブアレス】の前までやってきた。
「お待たせしました」
「おう!待ってたぜ!」
「あら?そちらの女性は一体……?」
「あぁ、紹介するぜ!こいつはウチのギルドの『僧侶』であるジュネだ。訳あって今はソロだけど、今回の回復担当としてアライアンスを組んだんだ」
「初めまして。ジュネと申します。【ノーブルウィング】の皆様とダンジョンに挑戦できる事を心より嬉しく思います!」
「そう。よろしくね……」
礼儀正しく自己紹介しているのは、【アンビシャノブアレス】に所属しているジュネさんだ。
薄い灰色のミドルヘアに緑色を基調にした僧侶らしい法衣と被り物に身を包んでおり、抜きんでて美人と言う訳ではないが、顔立ちは結構整っている。
今回のダンジョン攻略に向けて回復が得意な冒険者と組む事にしたそうだ。
【回復魔法】ならばエレーナやルエミさんも使えるし、二人には及ばないながら俺も使える事は使えるけどね……。
「では、ご案内します」
「ありがとう……」
俺達は【アンビシャノブアレス】のAランクパーティーである【飢狼団】のリーダー的存在のガイキさん達による案内でダンジョンに向かう事となった。
ワクワクと緊張が入り混じった気持ちが俺の身体を駆け巡った。
但し、6:4で緊張が勝っているのは皆に黙っておこう……。
ベカトルブから歩く事約一時間……。
「ここがそのダンジョンらしい……」
「これが例の……」
俺達は目的の場所である洞窟型ダンジョンの入り口に辿り着いた。
「このダンジョンの奥に、【聖属性魔法】でなければ開けられない扉があると……」
「あぁ。ウチのギルド3組のパーティーが挑戦や検証して分かった事だがな。道中にはモンスターやトラップも待ち構えているって話だ。心してかかってくれ……」
「分かったわ」
ガイキさんが説明を終えると、ウルミナさんが頷き同意した。
「これより俺達はダンジョン攻略を実行する!エレーナ嬢を守りながら最奥までいくぞ!」
「「「「オォオオオ!」」」」
【飢狼団】のメンバーを中心に号令を上げ、ダンジョンの中へと入っていく俺達。
前衛にはトラップの感知に優れるクルスとラルフさん、攻撃力と機動力に優れるランディーさんとジニックさんが構えている。
エレーナを囲うようにウルミナさんとジーナさん、ガイキさんとゴージさんが主な防衛役を担い、俺とセリカ、ミレイユとサリナさんが援護の役割を受け持つ陣形で進んでいく。
ジュネさんは誰かが負傷した時のための回復要員なので、エレーナの近くにいる。
どんなモンスターやトラップが待っているか分からないダンジョンを進むには、これが今できるベストのフォーメーションだ。
それから俺達は、広くも薄暗くも殺風景な岩壁や大なり小なり生えているゴツゴツした岩の道を進んでいく。
入って数十分———————————
「虚無的な風景が続いていますね……」
「ここはまだ上の階層だからな。モンスターやトラップはまだないんだ」
「確かにトラップの気配もないですね。モンスターの気配やトラップ特有の波長も感じられないです」
「……」
俺が何気なく呟き、ガイキさんが補足すると、感知役を担うクルスが思ったセリフを口にしている。
ラルフさんはクルスの意見を黙って聞いている様子だった。
ガイキさん達がある程度進んでいたお陰もあってか、トラップにかかることもなければ、モンスターとの遭遇も無い事は無いのだが、レア度Eの“キバラビット”やレア度Fの“バカドッグ”と言った駆け出し冒険者でも対処できるモンスターしか出て来ず、今の俺でもスキルなしで何とかできるくらいの類しか遭遇しなかった。
ダンジョンはレア度や厄介さがごちゃ混ぜにモンスターが沢山出ると聞いているが、入って少ししたとは言え、鍛えられた冒険者が武器を振るうだけで倒せるモンスターが出るのは若干拍子抜けにも思えた。
それからして……。
「ん?」
「クルス。どうした……?」
「魔力を含めた気配がほんの少しだけ感じるくらいですけど、この先に脅かす魔力と気配を察知しました。モンスターと思います」
「確かにな……」
(ほう……。微かに感じ取った様子だな)
「その段階は近い感じか?」
クルスとラルフさんは何かを気取った事を思ったようなシンプルなやり取りをしているのを他所に、ガイキさんが問おうとしていた。
「あそこに見える門のような形をした道の先にモンスターの気配がしますね……」
「俺が感じ取ったところ、レア度CとDが3,40体ほどいるな……」
(うわ……。モンスターの数だけじゃなくレア度まで把握できるのか……?)
「そうか……。分かった……」
「それから……」
ラルフさんがモンスターの強さまで感知してみせた様子に、クルスは内心ながら驚嘆した。
キャリアが大きく絡んでいるとは言え、【ノーブルウィング】の中でもラルフさんの感知系スキルのクオリティは頭一つも抜き出ており、ダンジョン攻略における斥候役としてはこれ以上ないと再認識しており、ガイキさんら【飢狼団】の皆も驚いている様子だ。
「さっきまでは雑魚ばかりだが、ここからは気を引き締めて行こう!」
「エレーナの防衛も抜かりないようにね!」
ガイキさんとウルミナさんが警戒を高めるように合図して進む俺達。
それから程なくして……。
「「「「「「「「「グルルルル」」」」」」」」」
「やっぱり待ち構えていたか……」
「クエストで討伐した事があるモンスターも混じっていますね……」
俺達の目に映ったのは、数十体に及ぶ猛獣系のモンスター達であり、中には“ハイハイエナ”や“メガベアー”など、過去にクエストで倒した経験のあるモンスターも混じっている。
「ここは……」
「まずは俺とジニックでやらせてくれねーか……?」
「え?」
そこでガイキさんとジニックさんが前に出ており、その表情はどこか嬉しそうだ。
「サリナ!援護射撃頼む!ゴージはエレーナ嬢を守ってくれ!」
「分かったわ!」
「承知した!」
「まずはジニック!」
「あぁ!」
ガイキさんはメンバーそれぞれに指示を出し、全員が武器を構える。
俺達も戦闘準備に入った。
「まずはこの部屋のモンスター一掃と【アテナズスピリッツ】の皆さんに俺達の力を見せてやるとしようか!」
ガイキさんがウォーハンマー、ジニックさんが長剣を構えてモンスター達と向き合う。
そして俺達は垣間見ることになった。
生粋の武闘派で知られるギルドのAランクパーティーの実力を……。
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