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SS 7話 探索前夜の部屋で 男性メンバー編

ダンジョン攻略に出向く前夜のお部屋で談議のお話です!

今回はその男性メンバー編です!


ベカトルブに赴いた宿で部屋を3つ借りている内の一部屋


「さっぱりした!」

「ランディーさん、ラルフさん、お薬ありがとうございました」

「気にする事はない」

「二日酔いを残したままじゃ、ベストなパフォーマンスは発揮できないからな……」


俺とクルスは入浴やシャワーを済ませて出てくると、タンクトップ姿のランディーさんとラルフさんは自分の武具の手入れやアイテムの整理をしている。

加えて酔い覚ましに効くお薬まで分けてもらえて、面倒見も良いとも感じた。


「少し思ったんだが二人共、と言うか【トラストフォース】全員、現段階ではCランクパーティーなんだってな?」

「え……?はい……」

「そうです……」

(何だ……。急に……?)

「そうか……」

「何か……?」


俺とクルスに対し、ランディーさんが何気なく質問をしてきたが、素直に答えた。


「いや……。スキル込みを加味しても、Cランクで収まるには勿体ない気がしてな……。それくらいのポテンシャルがあると思ってならないと思う自分がいる……」

「ランディー、どういう意味だ?」

「実はな……」


ランディーさんが話を切り出すと、ラルフさんも興味を持って彼に質問している。

予想でしかないが、恐らく俺達がベカトルブに赴くまでの経緯を中心に話しているのとは思うが、少なからぬ不安も渦巻いている。

ラルフさんは俺達のこれまでの闘いを始めとする行動をほとんど知らないのだから。


「俺はお前達を少しだけだが、興味を持ったっつーか……。気に入ったんだよ……」

「「え?」」


ランディーさんは自分の表情が俺達に見えないよう、不意に少し照れたような表情をしている。

俺とクルスは豆鉄砲を喰らったように一瞬固まり、ラルフさんも藪から棒に発せられたその言葉に若干驚いた様子だ。


「ここに来る道中で彼らが“ギガヴォルグ”二体と戦ったんだよ?一体ならともかく5人編成のCランクパーティーに二体分はキツイと思ったんだが、最後は俺やウルミナさんの助けなしで乗り切ったんだ」

「本当か?」

「あぁ。ウルミナさんが力量を見る目的も兼ねて俺も見守り、万が一の時は援護できる態勢を整えておいたんだが、その必要もなかったんだ……」

「それは凄いな……。思い出せる限りで構わないが、どんな風にやったか聞いてもいいか?」

「はい……。まずは……」


ラルフさんも興味を示した様子であり、俺とクルスはここに来るまでの経緯を話した。


「てな感じですかね……」

「なるほど……。ユニークスキルを取り入れながら、近距離戦、中遠距離攻撃、立ち回りやすくするためのフォロー、バランスが取れた連携だと感じ取れるな……。加えて戦い方もまたユニークだな……」

「ラルフもそう思うか……」


あらましを話すと、ラルフさんはすぐに合点がいったような表情をしている。


「話を聞く限りだと、大した事だなって普通に思っている。チームプレーとは言え、“ギガヴォルグ”二体を大きな傷を負う事なく倒せるCランクパーティーは中々いないからな」

「本当ですか?」

「そう言ってもらえて嬉しいです!」

「体力や精神力の披露が激しいユニークスキル込みでの見立てだから、余り浮かれない事も進めるけどな!」

「「は、はい……」」


ラルフさんは俺達の実力を評価してくれたと共に、慢心しないように釘も刺した。

俺個人でも力強く動き回れるようになったと思っているものの、それに胡坐をかいてしまわないようにとも気を引き締めた。


「でも、ウルミナさんがCランクパーティーであるお前らに興味を抱く理由も何となくだけど分かった気がするよ」

「ウルミナさんが……?」

「ベカトルブに発つ前、遠征クエストでギルドを空けている間の事は他の冒険者達から色々と聞いているんだよ。ハイレンド伯爵家のご令嬢であるエレーナがCランクパーティー【トラストフォース】に入った事も、トーマについてもな……」

「俺の事もですか?」


ランディーさんら【ノーブルウィング】の面々はギルドに戻って来てから何が起きたかの情報整理も行っており、俺達の事も既に把握していた。

その中でもウルミナさんはエレーナが身を置く事になった俺達のパーティーについても興味を抱いている事も聞かされた。


「トーマ達って、数ヵ月くらい前からギルド内でも有名になっているんだぞ。Bランクパーティーの何組かと仲良しだとか……」

「闇ギルド問題の解決にも貢献して見せたとかも……」

「まぁ……。お陰様で……」

「協力してくれた冒険者達のお陰でもあります……」

「「嬉しそうじゃねぇか!」」


ランディーさんとラルフさんは俺達の事を認めている様子だった。

正直に言って、Aランクパーティーに所属している二人から少なからぬ賞賛を貰えたのは本当に嬉しい。

俺とクルスは嬉しさを隠しているつもりだったのだが、ランディーさんとラルフさんにはバレバレのようだ。


「だから……。まだまだ伸びるってウルミナさんも言っているし、ルエミさんやジーナさんも気に掛けてるって話だし……」

「本当……でしょうか……?」

「ウルミナさん達は平気で嘘をつくような人じゃねぇぞ」

「は、はぁ……」

「だからよ……。お前らの戦いを見ていたからこそ言ってやるけどな……」


ランディーさんは素直じゃないような姿を見せている様子だったが、嘘をついているようにも見えなかった。


「トーマ達はもっと上のステージに行けるって俺は思うぞ……。勿論、慢心を抱かない前提だけどな……」

「「……」」

((Aランクパーティーのメンバーであるランディーさんとラルフさんが俺達を認めている……))


ランディーさんは冷静に、そして真っ直ぐな眼で俺とクルスに伝えた。

傍で聞いているラルフさんも言葉は発していないが、肯定しているような表情をしている。

俺達が今いるステージにいる冒険者達が言ってくれた忖度や打算を全く感じさせない真っ直ぐな言葉を聞いた俺とクルスは胸が熱くなるような気持ちを抱き始めていった。


「ありがとうございます。もっと強くなります……。そして、明日のダンジョン攻略は必ず皆さんに貢献できるようにベストを尽くします!」

「このクルス・ロッケル!必ずや皆様のお役に立って見せます!」


俺とクルスは深いお辞儀と共に決意を表明した。


「そうかい!だったら、ダンジョン攻略の基本をまずは教えてやるよ!」

「え?よろしいのでしょうか……?」

「一緒に潜るんだから、ノウハウくらい教えるのは当たり前だろ……」

「「ありがとうございます!」」


冒険者として大先輩であるランディーさんとラルフさんから明日に備えての情報やノウハウを可能な限りまで教えてもらえる事になった俺とクルスだったのだ。


最後までお読みいただきありがとうございます。

次回はダンジョン攻略に出向く前夜のお部屋で談議のお話であり、次は女性メンバー編です!


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