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廻る回るまわる
(Ep.01)
幼い頃から、世界の果てというのはどのようなものなのか、また、それは存在するのかという疑問を持ちながら生きてきた。
しかし、それも今日で終わりである。
私は今、世界の果ての一歩手前にいる。
その先に行ったらもう戻れない、やめておけ、と私の本能が告げているが、今目の前にある二度とこないようなチャンスを逃すわけにはいかないとーー気づけばそこに飛び込んでいた。
感覚がかき混ぜられる。視界に浮かぶのは今までの記憶。あぁ、あれをしておけばよかったな。あ、この子どうしているかな…。目まぐるしく巡る過去に、私はただ一つだけ…願ってしまった。
「あの頃にーー戻りたい」
ーーふと気がつけば、布団のフカフカとした感覚に包まれていた。
先程までのは夢だったのかと思いスマホを立ち上げる。
「!?」
スマホに表示されている日付は25年前、私が高校生だったころだ。
「これって、もしかして…!」
外の風景を見て思う。懐かしい…。
これで確信した。
『私は、過去に戻っていた』