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お医者さんから帰ったママは、あまり言わなかったけど、すごい落ち込んでいたんだ。
でもね、パパはあまり慰めの言葉が出なかったよ。
パパも、その夜に泣いちゃうくらい、辛かったんだ。
それから。
毎日、ママのおなかに手を当てて、気を送るって奇行をしたんだ。
なんだそれっ? って思うかい?
それでもパパは真剣だったんだ。
ママには明るい顔して、絶対よくなる!って言ったんだぞ。
次にお医者さんに行ったとき。
「腫瘍、小さくなっていないですね。」
「出産後の手術があるかもしれませんので、このまま大学病院での、様子をみながらの出産でいきましょう。」
パパ、もう何も言えなかった。
だから、パパとママは、このまま帰省出産はせずに、東京の大学病院でのを決めたんだよ。




