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手術は4~5時間位と聞いていた。
その間、何かあったときのため、パパとママは病院内で待っていたんだ。
4時間が過ぎ、5時間が過ぎても、まだ手術は終わらない。
不安が膨れ上がった6時間位で、やっと。
手術が成功したと言われた。
はあぁってため息と脱力。
その後、担当医さんとパパとママの説明。
びっくりしたよ。
いきなり、あなたから除去した、左上の肺を鉄皿(?)に乗せてきて。
「これが切除した肺です。写真を撮りますか?」
写真撮るの? ってパパとママが戸惑ったけど。
まあ、せっかくだからと、パパとママはあなたの肺をスマホで撮影。
なんか、3,4枚撮ったよ。なんかね。
手術は大成功で、手術動画も撮っていたらしい。
人が心配してるときに撮影って。ほんの少し思ったけど。大学病院だからか。
あ、そうそう。他の病院から来てくれた主刀医さん。
その人がすぐ帰と言うので、担当医さんが合わせてくれたんだ。
パパは。というかママも。
高名な先生らしいとは聞いていたから。
ブラック・ジ(ピー)やドクター・(ピー)のような強烈な人かと思ったら。
とても腰の低い、人間付き合いの苦手そうな方で。
パパとママがお礼を言わせてもらって。
「ええ。お子さんは大丈夫です。ええ。じゃあ、私はこれで。」
そう言って、そそくさと早歩きでいなくなったんだ。
担当医さんは「ありがとうございました。」とさわやかに。パパとママはなんか不思議そうな顔をしてたんだろうなと思う。