あなたがあの日くれた花は、とうに枯れている
鮮度が大事。
後日ちゃんと短編にしたい。
本当に、あなたのこと好きだったのよ。今日までは。
あなたが今日妹を捨てて、私の元に戻って来るまでは。
あなたが妹の秘密の恋人になったと知ってからは本当に苦しかったの。
私の何が足りなかったんだろうって、ずっと苦しくて、苦しくて、苦しかったのよ。
心をすり減らしても、いつか戻ると思っていたから。
あなたの心は私の元に帰ってくると思っていたから、待っていたの。
でもね、気づいたの。
あなたは私に心をくれたことなんて一度もなかったわ。
あなたが愛していたのは、私の家で、私の血で、私の顔で、私の力であって。
私の心じゃなかったって気づいたから。
だからもう、婚約を解消しようって思ったのよ。
だってあなた、私の妹でも良かったんじゃない。
私と同じ家と血でできていて。私に似て、けれど表情豊かな顔をしていたから。
だから、妹の誘いに乗ったんでしょう。
私よりも頭が悪いけど、頭が悪い方が傀儡にできると思ったから。
私たちは双子だから、どっちでも家を継げると思ったから。
でも、私と同じ力を持っていなかったから、戻ってきたんでしょ。
家を継ぐ為に必要な力を、あの子は持っていなかったから。
ねぇ。初めて会った時、「婚約者として、当主になるあなたを支えていきます。お互い大変ですが、一緒に頑張りましょう」って言ってくれたの覚えている?
覚えていないでしょう、嘘つき。だから空っぽな妹になんか引っ掛かるのよ。
あの日、私はあなたに恋をしたわ。あなたがその時一緒にくれた花も、好きになって、大事にしていたの。
でもね。
あなたがあの日くれた花は、とうに枯れている。
その花が、枯れていた事に気づいた。
あなたの何を愛していたのか、わからなくなった。
私は一体あなたの何を見ていたのだろう。
新しい花をくれないあなたは一体、何をしていたのだろう。
私たちの間には、あの日の口約束以外、何もなかったなんて知りたくなかった。




