第二十話 追究
現在は一一三五時。場所は第一アリーナのAピット内。因みに俺の魔力値は残り300.そしてAピットにいるのは、俺、ファラエルさん、リーナ、静江、使主教官だ。
現在の俺はMSAを待機状態にし、ブレスレットにしていた。
そこへリーナと静江が声を荒げてやって来た。
「ユッキー! そろそろ説明してほしいのだけど……⁉」
「敵ではないとはどういう事だ⁉」
俺はすぐさま、
「彼女は母さん……じゃなかった。天聖学園長の妹だ」
本当の事を話す。
そこへリーナが、
「でも、彼女はどう見てもワタシ達と同世代よね? これはどういう事?」
鋭くツッコむ。
うぐ! それはどうやって説明すれば……⁉
「えっと……それは……」
俺がまごついていると、
「わたしは飛び級をしているの」
ファラエルさんが口を開いた。
『飛び級⁉』
これにはその場全員が驚愕する。
「私は火星撤退の後、アメリカに降り立ってコネチカット州にある中学を飛び級で卒業し、軍学校もそこで卒業したわ。それから日本に戻ってからは軍に入隊したという訳よ」
ファラエルさんの説明に、リーナと静江は、
「「そ、そうですか……」」
という他なかった。
そこに母さん――美火得がやって来て、
「ファラエル! 会いたかったわ!」
ファラエルさんに抱き付く。
貴女。あたしには妹はいませんって、言いましたよね?
俺が呆れていたら使主教官が、
「学園長。彼女の言っている事は本当なのですか? 海外にいたというのは」
母さん――美火得に聞いてきた。
「本当かどうかは分からないけど、あたしの妹である事は本当よ? 使主教官。火星で離ればなれになっていたのよ」
「そうですか……。ですが、貴女を暗殺しようとした事はどういう事なのですか? 学園長」
「妹はあたしを暗殺しようとはしていません。現に、ウェイスター少佐側にもあたしの命を狙う暗殺者はいたでしょ?」
「それは……確かにそうですが……」
未だ納得いかない使主教官に母さん――美火得は、
「はい。これでこの話はお終いよ。明日からは貴方達の級友になるのだから仲良くね?」
リーナと静江に言う。
「「ええ……⁉」」
使主教官は、いち早く反応。
「彼女は呉基地の人間ですよ! そんな勝手な事が出来る筈……!」
「さっき、呉基地の司令官と話を付けてきたわ。それにもう手続きも済ませちゃったしね?」
母さん――美火得は言葉を紡ぐ。
「それとあの人にも通信したわ。元気そうよ。天聖訓練生」
「そっか……」
そこに使主教官が話題を変えてくる。
「天聖君。何故君は第十世代型の武装を使わなかったのかな?」
「使わなかったじゃなくて、使えなかったのよね? 天聖訓練生」
「うん。母さんの言う通りだよ」
そこでゴンと拳骨を喰らう。
「母さんじゃないでしょ? 天聖訓練生」
「はい。天聖学園長……」
俺は涙声で言う。
「で、どういう事なの? 天聖訓練生」
「それはワタシが話しましょう。天聖学園長」
そう言ったのは、何とリーナだ。
「ユッキー……もとい、天聖訓練生の機体にはコンピューターウイルスが仕掛けられています」
「ヴラウン訓練生。何故貴女が知っているの?」
母さん――美火得の問いに、リーナは説明する。
「寮の夕食時に偶然彼等が話しているのを聞いたものですから……問いただそうとしたのですが、ウェイスター少佐殿に急かされて、問いただす事が出来なかったもので……」
母さん――美火得はリーナに更に問う。
「彼等とは?」
「腹黒と小寺。そして馬場の三名です。天聖学園長」
あいつらか……⁉
俺が怒りに震えているとリーナは、
「天聖学園長。あの者達に厳正な罰を与えるべきです」
母さん――美火得に向かって進言する。
「証拠はあるの? ヴラウン訓練生」
「いえ。証拠はありません。天聖学園長」
そこに使主教官が、
「では、こういうのはどうでしょう?」
ある提案をしてきた。




