第25話 彼女の夜這い
タイトルまんまで、主人公が幼馴染に夜這いされます。幼馴染が変な方向に覚醒してしまうの巻です。
※R15的描写があります。注意
ぎぃぃい。何かドアが開く音がする。もう朝だろうか?そう思って、枕元の目覚まし時計を見てみるが、まだ午前4時。
気のせいか。まだ眠いので、再び夢の世界に旅立とうとすると、ベッドの近くで何やら動く気配が。
まあ、気のせいか。そう思っていると、その気配は俺の布団の中に忍び込んでくる。ゆかりだった。
「ゆかり、何してるんだ?」
まだ未明なので、小声で問いかける。
「えっと。夜這い、かな」
ゆかりがとんでもないことを言いだした。ついでにそんなことを言っている間にも、身体をぎゅっと抱きしめて来る。ゆかりのいい匂いと、体温の温かさと、胸の感触で色々やばい。このまま押し倒されてしまいそうなところを、かろうじて理性を保つ。
「なんで、いきなり夜這い?」
冷静そうに言っているが、色々もう暴発寸前だ。そもそも、ゆかりとの関係を考えれば歯止めになるものはないわけだし。そんなことを考えている間に、手足をぎゅっと絡められてしまう。
「その。夢でみっくんといちゃいいちゃしてて。途中で目が覚めちゃったから。だから、続きしたくて」
身体中をぎゅっと抱きしめながら、ゆかり耳元で囁く。
「ダメかな?」
「ダメなわけないだろ」
婚約者だとかはおいといても、好きな子にこうされて、もう止まれるわけがない。
「その、いいんだな?」
「うん」
そのまま、ゆかりに口付けられる。こんなに彼女に積極的になられるのは初めてで、身体中が熱くなってくる。くちゅ。くちゅ。ゆかりの舌が絡められて、水音がする。唇を離すと、今度は俺の方から口付けて、下を絡める。
すー。ふー。舌を絡めながらなので、お互いの呼吸だけが聞こえる。
息が苦しくなってきたので、唇を離して、俺が上の体勢になる。
「ゆかり。顔、赤くないか?」
暗がりに見える彼女の顔は赤らんで見えた。
「そうかも。なんだか、ぼーっとしてる」
熱にうかされたような表情のゆかりがとても可愛くて。俺が上の体勢でもう一度口づけをする。
「ん。ん」
唇を離す。
「その。凄く気持ちよかった」
とろけそうな声でそんな事を言う。パジャマの上から湿り気を感じられた。
「もう、準備できてるから」
これだけゆかりが興奮しているのは初めてで、俺も抑えが効きそうにない。
「じゃあ、行くぞ」
そのまま、ゆかりのパジャマのボタンをはずして、服を脱がしていく……
――
で、行為が終わったのが午前6:00。まだ日が昇っていない中、俺たちは同じ布団の中にいたのだが。
「寝ぼけてた?」
ゆかりの口から聞いた真実はとんでもないものだった。
「でも、意識はっきりしてただろ」
小声で問い詰める。
「だって、夢みたいだったから。あんなに激しくされるなんて」
恥ずかしがりながらも、嬉しそうに情事を思い出すゆかり。
「そりゃ、あんな風に迫られたら、俺だってなあ」
あんな風に好きな相手に迫られて落ちない男は居ないだろう。
「今まで、みっくん、なんだか淡泊だったから、あんまり興味ないのかなって」
じっと見つめられる。
「ひょっとして、それが不満だった?」
「うん。少し」
「俺は、がっつくのはどうかと思ってただけだぞ」
いくら好きだと言っても、そういうことばかりは違うと思うし。しかし、それが不満だったとは予想外だった。
「私は、みっくんのお嫁さんだから、もっと求めて欲しい」
潤んだ目でそんなことを言われてしまうと、なんだか悪い気分になる。ただ、遠慮してたのは確かなわけで。
「じゃあ、これからは遠慮しないでいいんだな?」
「うん。その方が私も嬉しいから」
笑顔でそんなことを言われてしまう。でもなあ。そんなことばかりはやっぱり違うと思うし。かといってこんなことを言われると押し倒したくなるのも確かだし。そんなことに悩んでしまう。
「でもね。私のこと大事にしてくれる、みっくんも好きだから」
「え?」
くす、と笑って、シーツをかぶられてしまう。俺の婚約者はどうやら、いつの間にか魔性の女になっていたようだった。
甘々というか熱々カップルになっている二人です。
これからは、隔日投稿くらいを目標にしたいところです。よろしくです。




