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プロローグ

続きを書くのは億劫でも読みたいアイデアはいっぱいある。機械が自動で書いてくれるみたいなの、ほしいなあ。


私の名前は胡麻(うごま) 美衣㮈(みいな)。高校一年生の15歳。しがないオタクである。

痛い系オタクのように夢を見て浮いちゃってアイタタタな高校生活でもなく、普通に普通の高校生活をおくっている。

…嘘です。

いじめられてます。

うええええええええええ!?

なんでえええええええええええええっ!?

答えは簡単★いじめっ子系リア充にオタクがバレましたっ★

コンチクショー!


いやね、私も全リア充が悪いとおもってない。

ただあいつら、

『あれ、胡麻さんのつけてるキーホルダー…ねぇちゃんがつけてたのと一緒だ』

『え、マジ?お前のねぇちゃんって、あの、オタクの?』

『うっわオタクかよ!』

『初回300個限定とか言ってた…』

『え、こいつガチじゃん。きっしょw』

『腐女子じゃん。ふーじょーし、ふーじょーし!』

流れ作業的にバレました★

…なんでだよ!

オタク全員キモいわけじゃないよ!

ねぇちゃんのことよく覚えてんな!シスコンか?シスコンだな!?

お前ら仲良し!ねぇちゃんのことまで知ってんだ!ホモ!ホモ!

それと私は腐女子じゃないっ!

なんて脳内で|考えていても(現実逃避)、口に出せるのは『あ、はい』とか『へへへ』とか頼りない言葉たちだけ…いや考えてることが漏れたらもっとやばいけど…(再度言うが私は腐女子じゃない)


私の何が悪かったの!?運か!?

ペンケースに押しをつけてきたのが悪かったのか!?だって知ってると思わないじゃん!あわよくば同士と交友を深めたいっておもっただけじゃん!

そんなこんなであれよあれよといじめられ、クラスの居場所はなくなって、学年でも遠巻きにされ、先生は我関せずで、気づけば誰もいなかった。

あー自分で言ってて悲しい。あまりにも。

ちなみにこれ4月の話。

今はもう11月。不登校にならず毎日来た私偉い。えらい…

そんな私にも友達ができました!

小柄でとっても可愛い、目の大きな子です!

え、ロリコン?犯罪者?誘拐してきただろって?

ふっ…それが違うんだなぁっ

正解はドン!こちら!ロップイヤーのノアールちゃん(3歳)です!

ノアールちゃんはふわふわの白い毛の多い体と薄茶の多い垂れ耳・足で真っ黒なつぶらな瞳の持ち主!可愛いいいっ!

…なんですかその目。

…いいじゃないですかっ!やっとできた友達!しかも可愛い!これでいいじゃないですかぁ!馬鹿ぁ!

…ごほん、まあ、そんな感じで、授業中は声を殺して休み時間はウサギに会うという日々を過ごしております。

ちなみに今は昼休み。はあ、教室に戻るか…

「ノアール、君の檻はここだけど私の檻は教室みたいだよ…」

家、帰れるから違うっちゃ違うんだけどね、ええ。はい。



こうしてその後の授業や掃除やら全てが終了して、帰り支度を進めている時だった。

みんなが一斉に静まり、席に着いたのだ。

くっちゃべってたリア充も、配り物してた配班も、トイレ行ってた女の子も…

私?先生に頼まれた荷物持ちが一息ついたところだったから座ってたよ。一息といえど息を殺してな!ここ笑うところ!

『Hello everyone. I am god in another world.』

いきなり英語の放送が流れてきた。アナザーワールドの神、だから別の世界の神さまってこと?中学生レベルの英語でよかった。

というかなんでこんなん流れてきたの?なんで座ったの??なんで誰も喋らないの???

手足はピクリとも動かせないし、声も出せない。呼吸音と時計の針の音だけが静かに響く。

『I want you t…あれ、彼らが使っているのはこの言葉なのですね』

うわあああ日本語だあああああ

…いや、それが普通だ。日本。ここ。

『みなさんこんにちは。私は君たちとは別の世界の神です』

うわあああ日本語だあああああ

なんで喋れんの?すごい!やばい!パない!

『自動翻訳です』

自動翻訳すげええええ!え?いや、そこじゃない。

この神、直接脳内に…?

『皆さんには異世界に転移し、私からの任務を果たしていただきます』

え?任務?というか異世界?ほへ?

『任務には花の水やり、犬の散歩から魔王退治、建国など、様々な種類があります』

幅ひろっ。あまりにも幅ひろっ。


『30分後に出発しますので、あなたたちのグループのなかでこれからの行動を決めてください。

その中で小さいグループを作ればそのグループはセットで転移させられます』

グループ、ってえ、私、もしかして…死んだ?

『拘束を解きます。では、どうぞ』

やっぱり拘束してたんだ。

あ、動ける。

手をグーパーして確かめる。痺れたりもしていない。

誰も何も喋り出さない。みんな、呆然としている。

「え、これ、ドッキリじゃねーの?高校生の反応を見る、とか、さ…」

一人が立ち上がってドアを開けようとする。

ガチャガチャという音さえならず、少しも動かない。

窓を思い切り叩いても、ガラスにはあり得ない鈍く重い音がなるだけで、割れるどころか日々すら入らない。

「なんなんだよ、これ…」

リア充男の発言を皮切りに、みんなが口々に喋り出す。

「そ、そうだよ、なんで俺らがこんな意味不なことしなきゃいけねぇんだよ…」

「第1、私たちどこに連れてかれるのよ!」

また体が動かせなくなり、静寂に包まれる。

『伝え忘れていましたが、シュベリツアという世界です。

あなたたちでいうところの、ファンタジーワールドですね。ゲームのRPGのような世界です。魔物もいれば、魔法も使え、スキルやレベルもあります』

拘束が解かれ、みんながざわついた。

不安そうにしていた人も、少し楽しそうにしている。


委員長の青原(あおばら) 正宗(まさむね)が、

「なあ、ファンタジーってことはステータス表示とかもあるんじゃないか?」

なんて言った。

青原に限らず、殆どの生徒はゲームをしている。私がいじめられたのは、いじめっ子系リア充に目をつけられたからと、腐女子だと思われたから。そして誰も話を聞いてくれず誤解が解けなかったから。

コンチクショッ!!

…話を戻そう。

たしかに、ファンタジーには必ずと言っていいくらいステータスがあるし、それを見られる。

「ステータス、オープン!」

青原が言うと、青原の前にタブレットが現れた。そして、重力に従って足の上に落ちた。

「いって!あ、でもステータスのってる!」

「マジで?見えねえぞ?」

「自分にしか見えないとかそんな感じじゃね?お前もやってみろよ!」

そんな会話を横耳に、みんながステータスオープンとつぶやいていく。

ある子は本、ある子はノート、ある子は手帳…いろんなものが出ている。多分、ステータスが載ってそうなもののイメージなんじゃないかな。違うか。

「ステータス、オープン」

私もつぶやいた。蚊の鳴くような声で。

目の前に本が出てきた。文庫本より一回り大きいくらいの、アンティークな装丁の本だ。

十字架が聖書っぽい。

中を開くと、うん、たしかにステータスだ。

ーー ーー ーー ーー ーー ーー ーー

[胡麻 美衣奈]

種族:人間

性別:女

職業:無職(学生)

年齢:15

レベル:1

戦闘力:450

魔力:100

攻撃力:50

防御力:100

俊敏力:50

魔攻撃:100

魔防御:50

≪装備≫

ブレザー ワイシャツ スカート ネクタイ カーディガン シャツ ブラ パンツ 靴下 眼鏡 ヘアゴム

≪スキル≫

鑑定

言語理解

ーー ーー ーー ーー ーー ーー ーー

職業は無職(学生)なんだね…あれ、でも異世界に着いたら学校ないよね…か、完全なる無職に…

レベル1ってなんか悲しくない?15年生きてきたわけですよ?でも上がってないって悲しくない?

まあそれはいいとして、お前だ、戦闘力。

100と50のミルフィーユ状態なんだけどっ!

絶対適当に決めたよね!?ね??

「みんな、一回ステータスを置いてこっちを見てくれ」

次のページまだ見てないのに…

「みんなの戦闘力を教えてくれないか。俺は3300だ」

え、3300?

「うわ、お前高いな」

あ、やっぱり委員長が例外…

「俺は3000。おれ番号順最後だし、逆から言ってこうぜ!俺に続けー!」

え、あの、え、いや、はじめじゃないのは嬉しいけど、言わなきゃダメ?

「2500ー」

「2800」

「2700」

「1500」

「1800」

「2200」

1番低くても1100だった。

もう次の次…低い点であれ…

「あ、俺4000!」

おわった。最高得点。

「あれ、次…あー、お前か。さっさと言えよ」

みんなが一斉にこっちを見る。

「450、です」

クスクス笑う声が聞こえる。

「え、マジで?ゴミじゃん」

最後まで、私以外の1000点未満者は出なかった。



「じゃあグループだけど…どうする?

もう時間ないし、みんなでまとまればいいよな。

俺のタブレットに登録するところあったからやるよ」

助かった…!これならわたしだけぼっちってことはないはず…!

「あ、もちろん胡麻は抜きでな」

え。

「ステータスゴミじゃん、使えねーやつと一緒にいてどうすんだよ」

いじめっ子系リア充…燕脂(えんじ) 海斗(かいと)が言う。

みんなは少し戸惑いながらも同調する。

私の一つ後ろの番号の、最高得点の男。

私がいじめられるきっかけを作った男。

「なあ、青原もいいだろ?」

「お、おう。居ようがいまいが変わんねえか。」

え。

「じゃ、胡麻なしで決定な!」

なんだ。

こいつら、ただのゴミか。

心の底で、一人にはならないと思っていた。

青原も、完全には助けてはくれないけど気を使ってくれるやつだと思ってた。

みんな、喋ってくれなくても、私のことが大嫌いなわけではないと思ってた。

こいつら、ただの、ゴミか。

心ではそう思っても、涙が止まらなかった。

そのあと、余った時間にみんなはトランプしたりスマホを触ったりしていた。

私は、鞄に出来るだけ物を入れて、ハンカチで涙を拭いた。


『どうやら決まったようですね

グループに属さない人が数人いますので、学年ごとにまとめさせてもらいます。

私からの餞別として、

お金に食料に衣服、皆さんの転移した国についての冊子、任務についての簡単な説明書き、皆さんの履いていた靴、最後にスキルをお送りします』

はは。学年で友達いないけど、こんな状況なら仲良くなれるかな。


『3.2.1…行ってらっしゃい』


く そ や ろ う



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