天才と呼ばれた男の背後に隠れていたソニーの救世主が、万を辞して登場させたソニーの救世主(Playstation4)
「ソニーの商品品質についてどうか?」と問われたら年代別に意見が分かれると思う。
かつては「何言ってるんだい!日本製は最高さ!」の代名詞の企業だったし、
ロシアが公開する宇宙技術やミサイルの機密文書を見ると度々名前が出てくる。
ちなみにもう17年前の話であるが、その昔、プレイステーション2はその中身の高性能さから「軍事利用される恐れがある」ということで日本政府が本気で特定地域への輸出規制(最近ミサイルばんばん射撃してくる所あたり)をしたのは有名だ。(この件はニュースにもなった)
その当時は「なぜプレイステーション2が?」と思ったものだが、近年の赤い旗印の国家の技術公開の裏で利用されてきた関係を見ると「なぜ共産主義国はソニーばかり好むんだ!?」と言いたくなった。
他にも優秀な企業はあったはずだ!と思ったが、あくまで公開していないだけで液晶画面がシャープだったりなんだりは普通にありそうだからあの国は怖い。
さて、話はズレてしまったけども、30代ぐらいの年齢の人に「ソニーの品質について」を伺うと。
「保障期間が過ぎたあたりに自爆するタイマーが仕掛けられている商品を出している企業」と回答する者はかなりいると思う。
やはり一時期の「すぐ壊れる」イメージというのは筆者にもあって、「何で初期型のCDウォークマンは全く壊れる様子がないのに後から購入したガム電池型のウォークマンはすぐ壊れてしまうんだ!」と、元々英語教材用に親が購入して放置したものを貰って使ってた後に自分のこづかいで購入したウォークマンがすぐ壊れるのに嘆いたことがあった。
(初期型は大きく重く、塗装もハゲハゲで周囲から笑われたのでガム型電池のCDウォークマンを購入したのだが、今にして思えば「こっちの方が壊れなくていい」と胸を張って言えば諭吉2人分無駄にすることもなかったかもしれない)
VAIOとThinkpadどちらを買うかと言われたら「いやThinkpadに決まってるじゃないか!」とIBMのステッカーが貼られていた時代に主張していたこともあった。
そんな状況の中、ソニーはどんどん経営悪化。
流石に擁護できなくなるような状況となる。
ただし、2007年の段階で筆者は復活の兆しが見えていた。
まず1つ。
天才と称された男がSCEを去ってしまい、その公認に現ソニーCEOとなる男がSCEのトップに入ったこと。
彼自体はwikipediaなどを見てもらえばわかるが、元々はエレクトロニクスと本当に無縁の男だ。
だがその男は、世界一有名なゲームキャラを生み出した企業の、世界一有名なゲーム機の社長から「ものづくりとは何か」という面においてもっとも重要なモノをコッソリ受け継いでいた。
そもそもwikipediaだけ見ると不明瞭なことが1つある。
「1995年になんで彼はプレステの販売事業関係に就くことになったのか?」だが。
これはここ最近暴露され、試作品の存在も判明した通り、元々プレステというのは「スーパーファミコンが遊べるCD式テレビカラオケ機」で、ゲーム機ではなかったから。
今の20代には馴染みのない言葉があるのだが、当時騒がれていたことがある。
「マルチメディア展開」というものを利用した周辺機器こそ、プレステの原初の姿である。
マルチメディアという言葉が何時ごろ登場したかはわからないが、1990年代前半にはしきりに騒がれていた。
当時DVDが登場して大騒ぎになっていた頃だと思う。
まだDVDなんて一般人では手が届かぬ時代に、「映画なら70本分は内蔵できます」とか金曜ロードショーの時にパイオニアか東芝どちらかがCMをやってたりした。
で、そんな頃に実はCDラジカセにはTV接続可能で、カラオケ機能があったものが存在したのはご存知だろうか。
当時のCDラジカセには高性能なものがあり、CD自体は大変容量に優れており、簡単な歌詞や画像などを内臓しても容量不足には陥らなかったので、シングルCDを12cmCDにして、そういうものを仕込んで別バージョンとして販売してみたりしていたのだ。
それこそ「マルチメディア展開」と呼ばれるものの実験台であり、これからは「1つのメディアで音楽も画像も映像も担う」といった、今日の基盤となるようなものをCDで目指そうとしていた。
プレイステーションはまさに「当時のソニーの得意分野たるモノを用いてスーパーファミコンと合体させよう」という、正直言えば「いや間違いなくそれ売れないですよね!?」な代物だった。
山内社長がプレイステーション関係での問題で一部御幣や誤解があると主張したのはまさしく「元は本当にただの周辺機器」だったためであり、現存する試作品もこの「マルチメディア機器」としての特性しか保持していない。
プレイステーションはまさにこれを土台に生まれた存在であるのだが、正直言えば我々が「プレイステーション」と認知した存在は「プレイステーションMk2」ともいうべき存在なのである。
いや「プレイステーションZ」の方がソニーらしいか?
ここらは当時のエレクトロニクス関係に多少詳しい人間なら知っているが、東芝もサンヨーも松下もマルチメディア展開にはご熱心であり、その関係で生まれたのがかの「3DO」なわけだ。
今にして思うと山内社長の当時の行動はまさしく英断であり、そのまま行けばプレイステーションは「3DO以下の漬物石」になったかもしれない。
「プレイディア」「3DO」「プレイステーション」の3つを「マルチメディアゲーム機の三大失敗作」と呼んでた可能性がある。
あ、ジャガーCDを入れて「四天王」にした方がいいかな?
いや、ジャガーCDはゲーム専用機だからただのCDゲーム機の失敗作か。
まぁ、思想自体は3DOと殆ど変わらなかった存在が本物のゲーム機として化けたのは、この「テレビカラオケ機能付きスーパーファミコン」という存在が「どう考えても売れそうな気がしない」ということで流れたから。
かの天才の男はこの状況で火がつき、そしてライバル心をむき出しにしてソニーから出資を請い、名機プレイステーションが生まれたわけ。
ただし、プレイステーションを作った時点で、いや「プレイステーション」という機器そのものについてソニーは当初より「マルチメディアゲーム機」みたいな認識があり、プレイステーション自体には当初の試作機でも考慮されていた音楽CD再生機能などが搭載されている。
この一連の「マルチメディアゲーム機器」において、音楽面でのアプローチも含めて展開をしたかったので、ソニー現CEOは北米での販売事業担当に入ったと言われている。
重要なのはここからで、彼は北米で展開するにあたり、様々な企業を見学しシリコンバレーなども見学していたこと。
そこで「米国のものづくり」について学び、本来なら門外漢である「エレクトロニクス」について理解を深めると共に、天才と称される男の裏で様々な提案を行うようになっていったのだった。
実はPS2の開発の時点で現CEOは積極的に意見を出すようになっていて、この頃からすでに天才と呼ばれた男と比較されるようになっていったのはあまり表では語られていない。
でも当時から一部の人間は比較してた。
特にPS3が出るあたりの頃には日本でも話題出る人物とはなっていたが、
PS2などの開発秘話において必ず話題になる。
「コントローラーをもっと頑丈にしろ」といった人こそ現CEOである。
元々プレイステーション時代からコントローラーは割と「壊れない」対象であり、「買い換えるとコントローラーが無駄に増える」と中古市場でもコントローラーが単品販売されているのをよく目にしたが「最も使うツールなんだから」とさらに頑丈にすべきと主張していた人間なのである。
その裏ではかの世界一有名なゲームキャラクターの社長の様々な言葉のリスペクトがあり、彼がプレイステーションに対してのコメントを出す際には「なんか期待させてくれるな」と思っていた。
というか、あの人と山内社長のゲーム機に対する考えはほぼ同じ。
なので任天堂スイッチが出たとき「あれ?」「もしかして」「入れ替わってる!?」なんて当時大人気のアニメの台詞が頭に浮かんだのは筆者だけではなかったはず。
任天堂スイッチの考え方は、むしろそれまでのソニー的で、一方でPS4と次期PS5の設計思想は明らかに「スーパーファミコン時代」の任天堂だから。
まぁスイッチがあなったのはスマホとの競争を視野にいれようとすると、意図せずともiphoneを作る際に参考にしたというPDAの存在に繋がり、シャープ、ソニーに繋がってしまうからなのだが。
ちなみにアレがああなった要因は後述する。
これには「直接対決では絶対に勝てない」という後述する理由がある。(これはゲーム機だけの話ではない)
ついでに言うとスイッチのハードの良し悪しには触れない。
元々筆者はソフトウェアありきの人間なので、ソフトウェア展開が萎む以外で怒る要素は殆どない。
「すぐ壊れる」「動作がモッサリでストレス」とかぐらいかな?
一応削除対策に言っておくが、筆者はこれまでの殆どの製品を所有している。
その上でしいてこの場で言うなら「WiiU開発以降、ゲームソフトウェアの開発が遅れてソフトウェア展開が萎み、名だたるシリーズをぶった切ってヒゲオヤジとピンクの悪魔と緑色の服を着た青年剣士のゲーム以外のシリーズが瀕死になった件について正直ガチで恨んでいるんだが?」と言いたいかな。
筆者はWiiU以外の全てのハード購入者だけどWiiUは売った。
売ったっつーかやるゲームがない。
「出す」といったゲームは殆ど中止かスイッチシフトまたは同時展開になり、緑色の青年剣士のゲームも結局スイッチで出る以上、保持する理由が無くなったからだ。
特に緑色の方にご熱心な筆者はHDで騙される人間ではないし、HDじゃない方はGCと互換性があるWiiでもできるんでイカのゲームやらないならWiiUなんて3DO並みに何もできないハリボテに成り下がる。
トワプリもスカウォもWiiでできてネコ目のヤツも出来てWiiで何の不足も無い。
だから生まれて初めてハードをゲーム屋にて売った。
今まで壊れて捨てた以外でそんなことをした唯一無二の存在だ。
特にスイッチを開発し始めたことがニュースとして出たあたりから販売されたソフトがいくつあるか数えてから私に批判してほしいね本当に。
特にスイッチが出る前の2年間ぐらいなんて「何が出たか記憶に無い」レベルだが。
正直ハードの問題もあったけどね。
あのモッサリすぎるコンソール画面など「何時の時代のゲーム機だよ!君たちは動作が重いのを嫌ってた人達でしょう!」といいたくなる部分もあった。
だからスイッチが出る際は性能はさておき「あーよかった。これでWiiUを売れる」と発表から即日でWiiUを売り払った。(約4万消費して2万5000買取だから、勉強代1万5000円)
ローンチカスタマーのソフトウェアでこちらに燻っていた部分の殆どは取り払われたから何1つ迷うことはなかったね。
まぁヒゲオヤジの会社はこのあたりにして、話を戻すが、
だから2007年の時点で天才がいなくなった後、この時点で私は「次の製品は化ける」と確信し、各所でそれを主張していた。(リアルにおいても)
これはもう、パテントを見れば一目瞭然。
この時すでにソニー内では改革が始まっていたからだ。
まず1つ。
2007年を境にしてソニー内部で何が変わったかというと、製品の開発においての考え方が変わった。
それまで自社製品に拘りを持ち、独自規格を多数採用してきた背景があるが、
独自規格がデファクトスタンダードになるケースも多数あったが、当時の大半のソニー製品というと一言でいえば「ガンダム」そのものだ。(音楽系を除く)
本来、商品展開において「ジム」だとか「高性能なジム」だとか「ゲルググ」あたりでなけりゃならないが、「ガンダム」そのものを出して商品展開をした結果、作り手だけではなく消費者泣かせの製品となった。
しかしそれを改める方向性に至り、汎用性の高い製品群を積極的に用いるようになってくる。
この効果は2007年より開発が始まった製品であるため、実際には2010年以降に発売されていったソニーの商品からそういった傾向を示すようになる。
正直言うとこうなった要因は「研究のために他社製品をバラしてみたら自分たちがあえて使っていないような汎用性の高い自社製品が多数使われていた」という、「今更気づいたのかよ!」というようなギャグみたいなマジ話があったりするのだが、今日のソニー製品の強みはほぼ「ここに集約」されている。
「あれ? 自分たちでそれをやったらどうなるんだろう?」
それを実践したのがプレイステーション4だ。
プレイステーション4については、販売時に「何を目指せばいいのかわからなかった」とSCE自体がコメントを出したことで有名だ。
とにかく迷走したのだ。
だが、開発で大きく舵取りに関わった現CEOが目指したのは「スーパーファミコン」と「マルチメディアゲーム機としての本質の追求」であった。
「本体をコンパクトにまとめ、必要ないものは全て削り、必要かどうか不明なものは全て周辺機器として別売りで出す」「マルチメディアゲーム機としての当初の思想は残す」「汎用性の高いパーツ群を大量に用いて、とにかく冗長性を確保し、コストを下げ、かつ他社では真似できない性能の面の部分でも努力する」
雑誌でもSCEでコメントしていたが、社内ではこのために四苦八苦して開発しており、何度も路線変更して今日までに至ったことがわかっている。
ただ重要なのがあって、2012年に1度判明した試作品と2013年に初めてお披露目された個体に大きな違いがあり、それこそが現CEOたるプレステらしさがあるという点だ。
2012年に初めて判明した試作品は、大体特許関係で予想がつくとおりの形状をしており、シンプルだがツヤありプラスチックで外装が作られ、なんというかWiiUを巨大化させたような状態だった。
この時、仕切りにこの手の技術業界で囁かれていたのは「試作品はオーバーヒートの連続の欠陥品」という話。
これらは実際、いくつかのリーク情報で話がでていて、それがネット上で話題にされた。
だが筆者としてはこの時点のリーク情報やパテント情報から「待て、あの性能でもこの構成なら29800円で販売しても元が取れるような構成になってるじゃないか!」と驚いたものである。
当時経済新聞でも「PS4は2万9800円でも利益が出る」と騒がれたのは、大体こういう所でそういう銭勘定をしてた人間の話をきいた連中が記事にして書いたんだと思うが、この時点でそれぐらいシンプルでコンパクトで、後のソニーを想起させるような存在になっていた。
しかしその後何も情報はないまま時は流れ、そしてE3にて初登場。
この時にもリーク情報が事前に出たが、やはりプラスチック固体。
ネット上では「卵が焼ける」だとか「目玉焼き製造機」などと嘲笑したが、実際に初登場した固体は。
「削りだしアルミ外装で構成されたコンパクトな次世代機だった」
この土壇場の変更を指示した者こそ現CEOである。
直前にリーク情報をつかんでいた筆者は「いや、本物はアルミ削りだし外装を装備してるから」とE3前に言っていたが、誰も信じてくれなかった。
たとえ原価が高くなったとしても、頑強で熱問題を解決できるようにしようと考えられた結果、プレステ4は「歴代でもっとも頑丈でもっとも完成度の高い初期ロット」として登場したわけである。
このアルミ外装、正直言って芸術的。
あの「よくわからない二層だか三層に見える」外装は、機能性とコスト低減と廃熱の3つを考慮したものであり、実用性を求めた結果あんな形状になったのである。
また、内部はユニット化され、PS3初期型やPS2のように基盤むき出しとかいうものではなく、基盤ごとにステンレスのプレートが施され、基盤同士が接触してショートしないよう調節されている。(ステンレス板は熱対策も兼ねる)
ユニット化された影響で修理や交換も容易で、案外分解しやすい。
このあたりは実際に分解した人の動画を見てもらえればわかるだろう。
やはりなんといっても初期型を購入した人が感じたのは熱だったがね。
Xbox oneと内部構成が殆ど同じなはずなのにものっそい熱くなる。
そりゃあこの変更がなかったらオーバーヒートしない方がおかしいってレベルに。
無論、出たPS4はちゃんと動作したし、PS2やPS3の頃のような「初期ロット問題」は無かった。
そこには上記のような土壇場の変更や、ユニット化によるエアフローの調整など、迷走した果てに行き着いた「質」の部分がきちんと成立していたから。
完成したPS4というのはまさしく「νガンダムのような何か」であり、特に海外の電気関係の人間を唸らせたのは、「同じ構成なのにPS4の方が限界までAPUの性能を引き出そうとしていた201」という点と、「それに対する熱問題への回答」だったと思う。
現CEOは「例え互換性を失っても、その個体に汎用性があるなら後からソフトウェアでどうにかなる」と当初より主張していたが、PS3との互換性を排除してまでコンパクトにまとめたのは評価すべきだったし、「これが今後のソニーのスタンダードになる」ならば「質については絶対に改善する」のは間違いなかった。
だから、PS4が発売され、その中身を見た筆者のような人間は改めてこう思った。
すでに一連の情報により理解していたが、理解が確信に変わった瞬間である。
「ああ、もうソニーは大丈夫だ」と。
それはお披露目の半年前に現CEOが2012年にソニーのCEO就任してからようやく得た安心感のようなものだった。
現CEOは就任後即座に痛みを伴う改革を主張する。
それは「もはや売れる見込みが無い、市場が枯れてしまいどうしようもない製品」を切り捨てつつも、「人員削減は事務職」を原則とし、「技術者を保護してなんとか繋ぎとめつつ」「会社内の求心力を高めるために社員教育を施しつつ」「製品の品質を求める方向性への転換」である。
つい最近に現CEOが語ったのは「とにかく社員と技術者ががんばってくれた」とあるが、今のソニーを支えるのは、「絶対に見捨てない」と、とにかく切り捨てるのを躊躇って周囲の企業から笑われた状況に対し、社員が努力した結果であり、
むしろ私からすれば「二束三文でリチウムイオン電池の技術だのなんだのを好き放題中華に売り払って白物に逃げた連中の戯言なんて聞くな」と言い切れる。
これは余談だが、あの会社、マジで経産省のお役人が一時期講演会などでブチ切れてたたんだが本当に何考えてるんだろうな。
最近経産相がエレクトロニクス系でピンチになると「ソニーに出資して買収してもらおう」とか平気で言うんだけど(東芝の件でも言っててソニーが寝耳に水と慌てたニュースがあるレベル)、そういうこと言う原因の100%が買収問題であれこれ支援したのにそんな真似したからなんだが、お前のところだけはマジで潰れかけても東芝やシャープみたいに国は助けようなんて行動しないからな?
余談はさておき、あれから5年。
今や完全にその芽が開き、そして「迷ったら内部部品に特定アジアの安い製品使って無いならソニーにしとけ」といえるまでになったが、1990年代後半から実に20年も待たされた人達が少なからずいるということはここに記しておく。
そして、「こんな感じで20年も待たせないで欲しいんだが?」といいたい企業もあって、それらが「早く目覚めろ」と思う今日この頃でもある。
そんな現在の状況において他の国産メーカーが抱えるジレンマは「ソニーと同じ質だと価格で勝負できない」
最近のソニーの上向き具合に対し、競合他社が苦戦する構図は大半の部分でこれが原因であり、ヒゲオヤジの会社も例外ではない。
あの会社はスイッチを出す際に「据置でそれなりの製品を出しても価格面でライバル企業に絶対に勝てない」と主張していたが、それは当然「ソニー」と価格勝負したら、かつて64時代に展開した泥沼合戦に陥って大変なことになるからである。(しかも逆ザヤに突入できない現状においては価格勝負は最も危険な自傷行為ともいうべき何か)
だからスイッチ開発のときの特許関係は本当に迷走していて「なんだか実体がまるで掴めないな」と思った。
当時のヒゲオヤジの生みの親も発言が二転三転。
PS4以上に迷走していたことだけは手に取るようにわかる。
だが、スイッチが出る間際になると大体どういうものかは予想され、価格予想までされるようになり、経済新聞やその手の番組で明確に「3万円以下でないと駄目だ」といわれたりした。
これはこの場でハッキリ言うが、今の特許関係または経営幹部のリスクマネジメントを考慮しない姿勢はどうにかした方がいいと思うよ。
何でもかんでも出願してまじめに書いてしまうから製品内容が透けて見えてしまう。
しかも価格もな。
企業秘密は企業秘密として隠さなければ、ライバル企業に戦略を立てられて苦戦するという危機感がない。
しかもヒゲオヤジんとこはハードウェアのパーツ部分については自社開発できないんだから、その組み合わせやソフトウェアを担う部分に関する発明を何でも出願してしまったら、発売前に「29800円で売ると言わないと海外投資家は失望しますでしょうねえ」とか言われるんだよ。
別段あの時は情報盗まれたんじゃなく、見る人が見たらどういう製品なのか予測できるから、大半の事前予測がほぼそのまま大当たりしてしまったわけ。
ここに未だに危機感を抱いていないのは正直言って論外。
営業秘密保護の重要さは製鉄業とかに社員派遣して学んだほうがいいと思う。
ちなみにその頃、筆者が別口で主張したのは全く同じ性能なら2万7800円円にて販売し、ソニーはヒゲオヤジんとこと同じ利益を回収できるよという話。
これはあくまで表面上のゲーム機の「スペック」の話であって、コントローラーなどの一連の独自要素は含めないが、自社製品をふんだんに使えるということは、それだけでコスト削減方法が多数あり、競合他社の場合は絶対に価格上乗せになるのでこういうことになる。
今まさに展開する商品にて全方位でソニーが優位に立つ部分だ。
デジカメとかで国内三大メーカーを猛追し、リコー(ペンタックス)を蹴り飛ばしてキャノンやニコンに迫る怒涛の勢いの要因の1つである。(今国内三台メーカーというとニコン、キャノン、ソニーだが20年前にそんな事言ったら大笑いされた事だろう)
ちなみに上記の話題が沸騰し、スイッチの価格が発表された際、「税抜き29800円」という価格を出したのも筆者からすると許しがたい話だった。
ヒゲオヤジの会社らしくないのだ。
潔く「3万5000と言えよ」と思った。(実際は3万5800で歴代で最も高額なハードになったんだったかな? 緑の剣士の新作専用ハードでいいやという気持ちで買ったけど)
一昔前の消費税5%時代とは違うので、29800円(税抜)はどう考えても安く見せかけようとする魂胆にしか見えないことぐらい消費者は気づくだろうと。
そこで「3万5000と自信を持っていえない企業に成り下がった」という点に落胆した。
山内社長時代には絶対にありえない。
でも、それぐらい価格に敏感になるほど、ライバル企業を脅威に感じていたということだと勝手に納得している。
さて、今回は長くなったが、プレステ4を中心に何が起こったかを大体書いてみた。
というか、今のソニーの「スタイル」は大体プレステ4が原型みたいなものなので、これで十分説明できる。
次回は他の製品含めてもうちょっと語ってみようと思う。