地味な存在の評価感想は、作者のやる気を左右する。
あれからしばらくして、沢寺と黒崎の二人は順調に書き進めていた。
沢寺は着実に執筆を行い、定期的な投稿をしていた。一方の黒崎は、その場のノリと勢いで筆を進め、不定期ながらも比較的早い投稿を続けていた。
ある日…。
「沢寺ぁぁぁ!」
校門をくぐったあたりで、沢寺は後ろから大声で迫ってくる黒崎に呼び止められた。
「なんだよ、朝から騒々しい…」
「沢寺聞いてくれよ!やっと来た!」
「何が?」
「何って、そりゃあ決まってるだろ!ブックマークだよ!」
沢寺は一瞬キョトンとしてしまったが、理解が追いつくと思わず失笑していまいそうになった。
「なんだぁオメー、そんな変な顔しやがって。あ、もしかして先に俺がブックマークつけられちゃったのが羨ましいのか?うぃー、いいだろぉ」
黒崎はニタニタ嫌味のように言ってくる。
「お前なぁ…」
「お?どうしたぁ?悔しいかぁ?」
「やっと評価もらってんのか、遅いな」
「は?」
「俺はもう感想も貰ってるぞ」
一瞬ポカンとした表情をした黒崎だが、何かを悟ったような、悲壮感たっぷりな顔をした。
「ぇええぇー、お前なんでそれ言わねぇんだよぉ…」
「いやなんでって、それ言ったらお前キレるだろうが」
「だからってさぁ、それはねぇんじゃねぇのぉ…」
さっきまでの勢いはなく、まるで駄々をこねる子供のようメンドくさくなった。
「まぁ、いいや。俺もブックマーク貰えただけ良かったぜ」
気分の転換だけは早い黒崎である。
「そうだな、評価貰えるのと貰えないでは全く違うからな」
「やる気出るぞぉ」
「それは単純すぎるだろ…」
黒崎は詐欺に引っかかりやす体質なのかもしれないと沢寺は思った。
教室に向かう途中で、黒崎は沢寺にちょっとした疑問を聞いた。
「そういや、ブックマークとか評価ってポイントとして換算されるんだろ?」
「そうだな」
「そのポイントが多いとランキングに乗るんだっけ?」
「たしか、な」
「ランキングに入ってる時点で相当すごい作品なんだよな…」
「まぁ、そうなるな」
「…ちょっと自信なくすわ…」
「趣味で書いてる人が大多数だと思うし、いいんじゃないか?」
「うーん?」
考える黒崎。おそらく、自分が小説を書く理由を考えてるのだろう。
今日も一日が始まる。
沢「沢寺です」
黒「黒崎です」
作「作者の紫です」
黒「なんだこの終わり方」
作「着地点が見当たらなかった」
沢「自分でプロットしっかりしろと言ってたくせに」
作「俺を反面教師として、みんなはしっかりやるんだゾ☆」
沢「うわキツ」
黒「やめろ気持ち悪い」
作「ひどいバッシングだ」
沢「てな訳で今回はここまで」
黒「次回をお楽しみに」




