上手く小説が書けないなら、研究をするんだ。
「沢寺ぁ…」
学校のある朝、登校してきた沢寺に黒崎が話しかけてくる。
「どうした黒崎、いつもの元気はどうしいた?」
「いやぁ、プロットとかずっと考えてるんだけどさぁ、なんか物足りないっていうか…。うまく書けてる気がしないんだよねぇ…」
「今プロットって持ってる?ちょっと見てみたいんだけど」
「お前そういって俺のアイデア盗むつもりだろー」
「そんなことしねーからとりあえず見せてみろ」
「あっはい」
黒崎は自分のバッグから、ルーズリーフが入ったクリアファイルを出す。
受け取った沢寺は、その中身を確認する。
「どうだ?」
「…うん。なんていうか、プロットがグチャグチャって印象だな。何がしたいか分からないし、これ見る限りでは最初っから最後まで戦闘の連続で、どこがゴールなのか見えないな」
「うわぁ、キッパリというなぁ…」
「それだけ酷いってことだ」
「なぁどうすればスッキリすると思う?」
「そうだな…。これはあくまで個人的な見解なんだけど…」
「おう」
「早い話が『縦軸』と『横軸』を区別して書くってことかな」
「…というと?」
「つまり、少なくても数十話以上を使って大きな目標に主人公が向かっていく『縦軸』。その大きな目標へ向かっていくために主人公が成長する、比較的少ない話数で構成される『横軸』。基本的にはこの二つがしっかりと出来ていれば、うまく小説が組み立てられるはず」
「なるほど」
「…分かってる?」
「よく分からん」
「なんで今の説明で分かんないんだよ」
沢寺の呼吸が溜息になりそうになった。
「だからぁ、RPGで言えば『縦軸』が魔王を倒す、『横軸』が街々での出来事ってことだ」
「おぉー、納得」
こいつ本当にわかっているのか、と沢寺は疑問に思わざる得なかった。
「てか、沢寺のほうはどうなんだよ?」
「えっ。あ、あぁ、頑張って考えてるゾ…」
「ホントかぁ?ちょっと見せてみろよ」
「いや、なんで見せなきゃならんのよ…」
「俺のは見たくせにぃ?」
黒崎は悪い笑顔で沢寺に迫る。
「あーもう!分かったから離れろ!」
「分かればいいんだよ、分かれば」
黒崎の気迫に負けた沢寺は、自分のバッグからファイルを引き出す。
「ほらよ…」
「んー、どれどれ?」
数枚のルーズリーフを見た黒崎の表情は、段々を険しくなっていく。
「…ナニコレ?」
「いや、あのー、ね?詳しく説明しないといけないかなぁ、って」
SF小説を書いている沢寺は、どうしても作品内の理論や詳細な設定を考えなければいけない体質のようだ。
「変なところに力入れすぎてない?」
「それはある」
「俺が言うのもアレだけど、あんまり詰め込みすぎるのも大変だぞ?」
「そうだなぁ…」
互いが互いにアドバイスを施し、小説の質を上げることだろう。
沢「沢寺です」
黒「黒崎です」
作「作者の紫です」
黒「全体的に俺のことディスってたな」
作「悪いけどそういうキャラだから諦めて」
沢「対して俺は設定は細かくするんだな」
作「そうだな、正直言ってこっちのほうが俺の性に合ってる。黒崎のような行き当たりばったりのような書き方はあまりしたくない」
黒「ナチュラルに俺のことディスるのやめろ」
作「でも、この小説のプロット特にないんだよね」
沢「え、それ今言う!?完全にブーメラン刺さってるよ!」
作「という訳で今回はここまで」
黒「次回をお楽しみに」




