面白い小説は、なろうで探せば大体見つかる。
「なぁ、小説書いてみねぇか!?」
昼休み、昼食をとっている黒崎が突然そんなことを言った。
「…なにか悪いものでも食べた?」
あからさまに不審者を見る目で野菜ジュースを飲む沢寺。
「いやいやいやいやそんなんじゃないよ」
「じゃあなんだよ」
「実はな、俺の好きなラノベの作者がネットから出てきたってのを最近知ってな」
「ふーん」
「んで、ネットで小説を投稿できることをその時一緒に知ったんだよ」
「うん」
「そこではな、いろんなコンテストが年に何回も開催していて、賞を取ったら自分の本が出たりするんだ」
「あっそ」
「そこで俺たちも小説を書いて、コンテストに応募してみようって訳だ!」
「そんで『本を出して印税生活してやるぜ』って魂胆か」
「はっは、バレたか」
「アホじゃねぇの。大体小説書いて印税生活なんて、万に一つどころか億に一つ、兆に一つもないだろ」
「いやいや、そんなことはないぞ。信念をもってひたすらに小説を書き続ければ、小説家デビューも夢じゃないぜ!」
「その思考は一体どこから湧いてくるんだ…」
「ま、この手の小説投稿サイトってのは、誰でも無料で小説を投稿・閲覧できるのを売りにしてるからな」
そんなものなのかと沢寺は考える。
「とりあえずな、土曜日曜あるから読んでみろって。サイト教えてやっから」
沢寺はその日家に帰ってから、スマホで教えてもらったサイトにアクセスする。
「えー…と、『しょうせつ』…うわ、もう予測変換に出てきてる。どれどれ…」
画面に表示されたのは「小説家になろう」であった。知名度も高く、多数の書籍化やコミカライズ化もしている日本最大の小説投稿サイトだ
沢寺としては、ラノベ系はあまり読んだことはなかった。おもむろに小説を検索し、自分の興味あるジャンルへと飛んだ…。
翌週。
沢寺の顔は疲れきっていた。
「おはよう沢寺…ってどうしたそんなダルそうな顔しやがって」
「いや…寝不足…」
「お前が寝不足って相当だぞ。なにがあった?」
「…小説」
「あ?」
「小説を読みずぎて…」
「お、それって、お前なろう民になったのか!?」
「ん、まぁ、うんそうだな」
「よっしゃ!じゃ、これから頑張ろうな!」
こうして、新たな小説家がこの世に2人誕生したのであった…。
沢「どうも、一応主人公の沢寺拓斗です」
黒「どうも、第二の主人公の黒沢輝樹です」
作「皆さんどうも、紫です。小説家やってます」
沢「てな訳で、ここからメタ発言マシマシのグダグダ空間になります」
黒「メタ発言どころか作者本人が出てくる始末、これいかに」
作「構わんだろう。何か言われたらさっさと消します」
沢「正直に言うと?」
作「やってみたかっただけ」
黒「ダメだこの作者」
沢「そろそろ説明入ってもらっていいですか?」
作「あ、はい」
作「えー、新連載小説は2人の男子高校生が初めて小説を書くという、ある意味初心者向けのコメディ小説にするつもりです。内容もそこまで重くないように書いていく予定ではいます」
沢「あくまで『予定』だそうです」
黒「でもこれ、なろうに投稿したところで初心者の方読んでくれるんですかね?ここまで辿り着かないとわかんないじゃないっすか?」
作「いるんじゃないかなぁ、一人ぐらい…」
沢「連載終了のお知らせ」
作「勝手に終わらせんな」
黒「じゃあ今回はここまで」
沢「次回をお楽しみに」