8月5日
カンカン晴れているのに雷が鳴っていた。
熱風の国道沿いの歩道に出て見回すと、
山の上空が墨を垂らしたようにどす黒かった。
大雨警報、雷注意報、雷鳴。地の底の音のような雷鳴。
晴れてる。少し西に傾斜した太陽が白い。
今日は風が強かったので、歩く人のレースのスカートがはためいていた。
自転車の小学生、帽子は阪神ではなくヤクルトだった。
謝罪の鶴が祈りの鶴の数を越えた。
新たに飾られるのは祈りの鶴ではなく謝罪の鶴。
川沿いのジョギングコースを、乳母車を片手で押しながら走る人。
スキンヘッドで、上半身がはだかで、青いトランクス。
誰が乗っているんだろう。
区役所の前では消防士がマラソンをしていた。
赤いバイクが郵便局に戻ってきた。
きっとヘルメットの中は、汗でぐっしょり濡れているに違いない。
落ちていた赤い輪は、犬の首輪ではなく自転車の防犯チェーンだった。
リュックをしょった子の背中には、塾のテキストが入っている。
斜め下の家の娘は、ピアノの発表会が近いらしい。
母が新しい日傘を買った。
メダカはいつも餌を求めている。
冷奴と揚げなす。暑くても炊き立ての白米。
PCの音が今日は少し高い気がする。
今日は暑かった。
今日も暑かった。
そしてきっと明日も暑いだろう。




