第12話「和解そして遭遇」
今回はリトリカ目線です。
次回には戻ります。
リトリカ=ハック=コフィーノは焦っていた。
事の発端はあの忌々しいルースとかいうやつが入学したことで、この学校の校長であるママの生徒が私だけではなくなったことである。私は生まれてからずっとママの一番だった。見分けの時も無詠唱の魔眼持ちだってすごく喜んでくれたし、隠れて魔法を勉強して使って見せた時も危ないって叱られたけどそのあとで褒めてくれた。それが嬉しくて仕方なかった。でも、ある日他の子の見分けから帰ってきたママがとっても嬉しそうだったの。ママが嬉しいなんてどんなことかなって聞いてみると、私以上にすごい子供が居るってとても楽しそうに話してくれた。最初は私には関係ないからって聞き流してた。けど、ママはそれからしばらくはそいつの話ばっかりしてた。そして今日、そいつがこの学校に来るって聞いたから脅してやろうと学校の入り口に行くと変な奴が壁を触ってニヤニヤしてるのを見つけてしまった。本で覚えた簡単な鑑定を使って名前を見てみるとママが話してた奴が壁ニヤ野郎で間違いない。
「あんたがルース・オルノアね。馴染み子になるのは私。あなたも私と同い年みたいだけどきっと無理ね。だから、さっさとここを去りなさい。」
どこかとげとげしくなってしまった感じはするけど私の目標はこいつの入学を阻止することなんだから大丈夫…なはず……
私が声をかけたのに壁ニヤ野郎はこちらを値踏みな目を向けた後、苦々しい顔をして黙りこくっている。
これは私の勝ちかしら。所詮はそこらへんのちょっと魔力が多いだけのガキよ
私のようなちゃんとした家柄の高貴さに耐えられなくなったのかしらね、ふふふママの弟子は私だけで十分よ。さあママに言われた水晶の練習に戻らなきゃ、私は馴染み子になるんだもの……
何て思っていたさっきの自分を恨みたい。壁ニヤ野郎は初授業、それも数十分で私の一ヶ月の苦労を追い抜いてしまった。糸に魔力を通す練習だって私はコツがわかるまではピクリとも動きもしなかったって云うのにあの野郎一発で半分も通しやがった。
その後もママが理屈を説明すれば私がやっている途中の水晶での練習を苦もなくクリアしていった。
それを見た私は何を考えたのか手に持っていた水晶を壁ニヤ野郎に投げつけママの研究室から飛び出してしまった……
自分でもなぜそんなことをしたのかわからなかったけど自分の部屋のベッドに潜り込んだ時に涙が出ていることがわかった。
悔しかったのだ。
自分の一ヶ月をものの数十分で無駄にされてしまったから
それをママが驚くでもなく「流石」って顔をしていたから
そして才能に恵まれているということの本当の意味がわかってしまったから
ぐすぐすと枕に顔を押し付け泣いているとコンコンと扉をノックする音が聞こえる。
「リリ…大丈夫?」
ママはいつも私が練習道具とかを雑に扱うことに対してすごく厳しい。
「道具を大切にしないと道具にいつか裏切られる」なんて迷信的なことを言って叱ってくるのに今日は全然怒った声音じゃない。
「大丈夫だよ、ママ。それより水晶を投げてごめんなさい」
「いいのよ。あんなのを見せられたら投げ出したくもなるわ。入ってもいいかしら?」
「うん」
部屋に入ってきたママはベッドに腰掛け私の頭を撫でながらポツポツと語り出した。
「ママはね、見分けの時に『この子は魔法適性のすごい子だ』な〜んて言われてすぐに偉い魔術師の先生に師事したの。リリと同じように頑張ったわ。一年経った頃にはかなりの数の魔法を使えるようになってた。その頃、私の師匠は自分の甥っ子っていう私より二つ下の男の子を連れてきたの。まだ見分けもしてないその子をなんで連れてきたのか最初は理解できなかったの。でもその子は師匠に教えられたばかりの魔術をその場ですぐに使えたの。一週間もする頃には私と使える魔法の数は変わらなくなったのよ。荒れたわ。『もう修行したくない』って暴れたけど師匠に『才能は石の塊と同じじゃ。それをどう削り、彫り、磨くかの方が大事じゃ。石の大きさで負けても美しさで負けなければ良い』って言ってくれたのよ。今のあなたと同じよ。確かにルース君の方が石は大きいかもしれないけど、まだ荒削り。努力することで覆る差にすぎないわ」
ママは自分の昔話までしてくれて私を励ましてくれた。
そうだよ…まだ諦めるには早い。
ルースとやらはもう帰ったらしい、ママが水晶までで止めてくれたおかげで追いつくなら今日のうちだ。あんな奴には絶対負けない。この無詠唱の魔眼にかけても。
「ママ、また練習はじめていい?あいつには絶対負けたくないの」
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それからの毎日は地獄だった。
起きてすぐにその日の授業内容をママに聞き授業が始まるまではひたすら予習する。授業ではあいつの魔力の使い方を必死に見て、自分にも出来るものならマネし、できなければママに質問したりして出来るようにする。昼過ぎ頃に授業が終われば午後から夜までママの書いた「魔術総論」に書かれた魔法を無詠唱で使えるよう練習した。
半年もする頃には「魔術総論」に書かれている魔法のほとんどを使えるようになった。
当然私がそうやって鍛えていく間にもあいつは強くなっていった。
一緒に練習するうちに気づいたがあいつは魔法陣を使いこなす。それもママが使うような紙に書かれた魔法陣【スクロール】とは違い空間に魔力で陣を作り出す。
その強さは一緒に練習してまざまざと見せつけられた。
こっちが一度詠唱して使えるようになった後に無詠唱で使えるようになるのにあいつは詠唱を一度見ればすぐに魔法陣に書き起こして詠唱も何もなしで使ってしまう。さらには、その魔法は私が使うものより高性能だったりするからタチが悪い。
その様子を見るたびに、私が一進む間にあいつは十かそれ以上進んでいるように感じて悔しくて仕方がなくなる。
それで性格まで嫌な奴だったらいいのに、あいつは意地悪はしてこないし、何か質問しても答えられるものならば一応は嫌な顔もせず答えてくれる。周りに比較する相手がいないのでわからないが随分と大人びて見えて私が負けても仕方ないのではないかとさえ思えてしまうのだ。こっちは悔しさのあまりぶっきらぼうな態度を取ってしまう事があるのに、それを見てもあいつは怒りもせず根気よく話しかけてくる。
そんなこんなで過ごすうちに4歳になった。これまでは屋外練習場での授業をするときはママと一緒に転移陣から本校舎へと飛んでいたのを、これからはあいつと二人で森を抜けて向かうように言われた。それは、森の中で魔獣にあっても自分たちで対処できるだろうというママの信頼の表れだった。あいつと二人きりなのは少し嫌だと思っていたが行き帰りで話してみるとやっぱりどこか大人な感じで、でもポッケにネズミのマッキーとやらを常に入れている子供らしさもあった。そのマッキーはあいつの元で芸を覚えているらしく、あいつの指示に従っていろんな動きをして見せた。なぜ常に入れているかと聞くとあいつは「初めての友達だからね」とこれまで見せた事のないような笑顔で答えてくれた。
ある時からあいつは傷だらけで学校に来るようになった。理由を尋ねると、「父さんに武術の稽古をつけてもらってる」と答え、なぜか震えていた。確かこいつの親は守護隊長さんだから、「恐ろしく強いのか」とさらに聞くと「強いなんてものではない、毎日死を覚悟するんだ」なんて言ってたから笑ってやった。どうせルースなら魔法も使って戦えば勝てるのだろうなんて思いつつも、魔法だけでは満足せず武術まで鍛えてどこを目指すのか、やはり馴染み子なんだろうか。ルースが馴染み子になるなら私はきっと慣れない。
ママに馴染み子になれなくてごめんねって謝ると、馴染み子の選抜条件について教えてくれた。
「馴染み子には五人がなれるのは知ってるわよね。これには表立って公表されないけど五種類の枠があるの。それは将来的に魔王様の部下としてどんな立場になるかで分けられてて、宰相枠、武術家枠、魔術師枠、芸術家枠、最後に側近枠の五つ。馴染み子の選抜試験はそれに対応してて得意なもので試験するのが普通なんだけど、宰相枠なら歴史のテスト、武術家枠なら近衛騎士相手に手合わせ、魔術師枠なら魔法の試し撃ち、芸術家枠は得意分野での発表、側近枠は四つの試験のうち二つ以上で判断するの。宰相枠と側近枠以外の三つはほとんど内定に近い存在がいるのが通例で宰相枠と側近枠はどんな人が選ばれるか蓋を開けてみないとわからないのよ。でも、リリはお父さんもいるし魔術師枠で合格できるわ。ルース君はママがなんとか側近枠で受験させるわ」
と、最後は自分に言い聞かせるように。
そうなんだ。そんな仕組みだとは知らなかった。てっきり総合能力の上から五人とるのかと思ってた。確かにルースを除けば私は魔術学校にいる同い年の中ではぶっちぎりで優秀だという自負はある。それにお父様は王宮の魔術師の元締めかなんかで偉いってママが言ってたしコネもあるんだろう。
じゃあ私の馴染み子入りは確定的かしら、ふふふ。
「それでも、練習をサボったりしたらダメよ」
ママは私の心を読んだのか釘を刺してくる。
「もちろんだよ。ルースにだって負けないんだから」
ふふふ、私は自分の石を磨き続ける。大きさで負けても美しさでは負けないのだ。
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私とルースはほとんど毎日一緒に屋外練習場へと歩いてく間、いろんなことを話すようになった。屋外練習場までは本校舎から30分程度歩いたところにあった。
ルースは積極的に話しかけてくることは少なかったがこちらから話しかけると知っていることや、学校の図書館で読んだ本の話を教えてくれた。憎たらしいが、かなり優秀で読んだ本の内容を完璧に覚えてて神話や大昔の紀行文とか気になる話を色々してくれた。
その中でも気になったのは、ドラゴン討伐隊の話とエルフたちの楽園を探した冒険者の話だ。
ドラゴン討伐隊の話というのは、かなり昔の魔王国が出来てすぐの頃にはドラゴンたちは際限なく自分たちの住処を広げ、その結果近くに住んでいた獣人族の集落を破壊したりして困っていた。そこで困った獣人族は当時の魔王様にどうにかして欲しいと頼んで、魔王様は討伐隊を組んでドラゴンに立ち向かっていった。しかしドラゴンは恐ろしいほど強く討伐隊は壊滅寸前まで追い込まれたらしい。困り果てた魔王の宰相は覚悟を決め単身、ドラゴンたちのもとに供物を持ってなぜ住処を広げるのかを直接聞きに行ったらしい。すると、ドラゴンたちは心よく迎え入れ理由を話してくれたらしい。その理由っていうのが『あるドラゴンと魔族が恋に落ち子供を作った。その子を育てるためにはもといた山岳地帯では危険極まりない。だから平地を求めているのだ』って簡単な理由だった。宰相はそれを聞いて獣人族の長を呼びお互いの領地をどこまでにするか話し合い決めたさせ和睦を結んだ。その結果、『竜人』という種族が生まれ魔王国とも協定を結んだらしい。その後竜人族は数を増やし魔族領全土に広がっていったらしい。
その話してるルースはとても楽しそうで竜人族に会ってみたいとしきりにいっていた。
もう一つのエルフの楽園というのは、もとは神話から生まれた話でエルフの森の中でハイエルフのみが住む「楽園」があるというのだ。そこに入れるのはハイエルフと一部の選ばれたエルフ、そしてごく稀にエルフ以外の種族のほんの一握りが入ることを許されるらしい。私が気になったのはその楽園の中の話だ。一面が花畑で楽園の真ん中には大樹があり、そこにハイエルフたちのお家があるというのだ。その話を書いた冒険家は20年間エルフの森で探し回ったあげく見つからず故郷に帰る最中に出会ったハイエルフに土下座して頼み込んだら1日だけ入ることを許されたらしい。でも、楽園を1日探検し回った後ハイエルフの寝床で寝て起きると森の中に置いていかれていたらしい。まるで夢のようで、帰ってから友人達に話をしたがみんなに「夢を見たんだろう」と馬鹿にされたらしい。
ルースは半信半疑な感じで話していて、私がいつか行ってみたいと言ったら生暖かい目で見られてしまった。
私だって女の子なんだから夢見たっていいじゃない。
いろんな話をするうちに一番気になることを聞いてみたこともあった。
「ルースは馴染み子になりたいの?」
私にとっては確信をついた質問につい少し体が強張ってしま立ち止まる。
「なりたいかと言われればそうでもないけど、母さんと父さんがなって欲しそうにしてるしな。一応試験は受けるよ。」
なんなのこいつ!
こっちはなりたくて毎日死ぬ気で努力してるのに!
両親が期待してるから試験は受ける?
カチンときてしまった私は声を荒げる。
「馴染み子になるために私がどれだけ努力してると思ってるの!毎日毎日朝から晩まで魔法の練習よ。ふざけないでよね」
ああこれじゃただの八つ当たりだ。
私がただの馬鹿みたい。
でもルースは困ったような苦笑を浮かべた後、どこか遠くを見つめながら
「そうだな……すまなかった。なりたい奴からしたらこんな態度ふざけてるよな。俺も本気で目指すことにするよ。エストーラさんにもなんか勧められてるしな」
へっ?
そこでそうなっちゃう?
そこでがんばっちゃう?
「別にそういう意味じゃなくって…」
「安心しろ。エストーラさんから話は聞いてるから側近枠だったかにすればいいんだろ」
「そこまで知ってるの?」
「ああ、この間頼まれた。優しいお母さんだな」
ママはそこまで考えてくれていたのね……
でも本当にこいつは大人ね。
八つ当たりした自分が恥ずかしくなってくる……
でも目下の問題は解決したからね。
後は自分が頑張るだけよ!
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ルースが武術の訓練を始めてから数ヶ月が経った頃、私たちはいつものように屋外練習場からの帰り道、ガサガサと葉が擦れる音が聞こえる。
屋外練習場からの帰り道、私たちは大体2〜3体の魔獣と出会っていた。種類はそう多くなく小型のウサギ型の魔獣ジャーラビットか中型のカエル型の魔獣パーグフロッグといったこちらな危害を加えるわけではないものがほとんどだった。ごく稀に肉食の中型魔獣テトウルフがエサを見つけることができず襲いかかってることもあったが、中級の火魔法の炎属性魔法を使えばすぐに逃げていった。
森を抜ける時のママからの注意は群れにだけは気をつけろと言われた。
でも、数ヶ月通っても群れに遭遇することはなかったし、ルースと二人ならよほどの相手じゃなければ、野生の魔獣ごときに負けるつもりは一切なかったし、実際危険を感じることもなかった。
でも今日の葉擦れの音はひときわ大きく明らかにいつもと違うことがわかった。
ルースもいつもと違和感を感じているようで周囲に警戒心を張り巡らせている。
簡易の感知魔法を使うと周囲にこちらに向かってくる魔獣の群れらしきものが見つかった。
「ルース、群れがいるわ。こっちに来てる」
「やっぱりか。今日はマッキーが全くと言っていいほど落ち着きがないんだ。こんなのは初めてだ」
そんな索敵方法初めて聞いたわよ
でも本当に落ち着かないのかマッキーとかいうネズミは定位置のポケットを抜け出してルースの肩の上でせわしなく動き回っている。
「どうするの?一旦街に出る?それとも練習場まで抜ける?」
今の現在地は街と練習場のちょうど中間地点でどちらにせよかかる時間は同じくらいのところだ。
走れば5分もかからないが、自慢じゃないが私は体力がない。5分間走り続けるなんてことをしたら魔獣の群れから逃げることができても呼吸困難で死んでしまうかもしれない…
ルースもそれをわかっているのか簡単には決定を下さない。
「リリは連絡できる魔法とか使えないのか?」
「これといったものはないわ。あんたの方が色々できるでしょ』
「連絡手段はないな。何体か倒せば逃げていくんじゃないか?」
すでにルースの頭の中から走って逃げる選択肢はなくなっている
まあ、無理なんだけど…主に私のせいで……
「迎撃しか選択肢はないな。どっちから来てるかわかるか?」
「練習場の方よ。街に向かいつつ魔法で迎撃って感じ?」
「そうなるな。リリが先に行け俺はいろいろ仕掛けてから追う」
「いろいろってなによ」
「魔法陣とかだ。こけるなよ」
ふん、失礼ね。
毎日通ってるこの道でこけるわけないじゃない
「先に行くわね。気をつけてよね」
いろいろ仕掛けるらしいルースを置いて私は早歩きで動き出す。
ルースなら問題ないだろうと割り切って歩き出したはいいものの、さっきとはまた違う違和感を感じる。
さっきは雑多な魔力がたくさん向かってくる感じだったのが今は静かな殺気って感じで背筋がゾクリとする。
それにいつもは気持ち悪いくらいうじゃうじゃいる虫が一匹も見えない。
感知魔法を使っても街までの間に魔獣も人も見つからない。
これはおかしい
どう考えてもおかしい
人がいないのはよくあることだが魔獣が私が感知できる範囲に一体もいないなんてありえない
ドキドキする心臓をおさえて早歩きを続ける。
「おい、大丈夫か?そんな早歩きして」
「きゃっ、脅かさないでよ」
「リリにしてはあるくのが早いと思ってな。どうした?」
「魔獣がいないの、この先に一体も。こんなこと初めてよ」
ルースは黙って考え込む。
次の瞬間、重々しい爆発音とともに濛々と土煙が上がる。
目の前に異形の怪物が現れる。上半身は見目麗しい女性の様相を呈しているがその背中には普通の女性にあるはずのない鱗のついた羽根が付いており、腕は丸太のように太い。足は腿までは普通だが膝から下は爬虫類の足が付いている。パーツパーツで見ると美術品のような美しさだが全体でいるとアンバランスで禍々しい。
漂う魔力はママもルースも敵わないんじゃないかってくらいビシビシと伝わってくる。眼光は鋭く身じろぎひとつすることも許さない。ルースも同じように感じているのか腰にさげたナイフに手をかけて相手から目を離さない。肩の上のマッキーだけが短く鳴きながら威嚇している。私の使える限りの鑑定を使っても全く情報は掴めない。
「天魔だ」
「はっ?」
「こいつが天魔だ。気をつけろ」
ああ、私はここで死んでしまうのかもしれない
ママ今までありがとう……
ここまでお読みいただきありがとうございました。