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第6話:恐怖のダークとピンクの鯉

うぅ・・・・

 昨日、昼からの授業をサボってしまった。どうしよう・・・。

これは、さすがにヤバかった。下手すれば生徒会長クビになるかもという不安があったからだ。教室に入ると先生がいた。HRが始まったが、先生はなにも昨日のことを言わないし授業が普通どうり開始された。


 「セーフーだったな会長!!」

後ろの席からニヤニヤした幾斗の声が聞こえる。コクリと無言でうなずくと、前を向いて安堵のため息をもらした。

 



       授業中に寝息が聞こえる・・・前からも・・・後ろからも。

 「ちょっと。赤城くん。起きなよ。」

 とりあえず起こしてはみるが反応がない・・・・。

 「糸河さんも起きてよ。」

なんとか起きたみたいだが、その数秒後にはまたいびきをかいていた・・・・。

 やれやれ


 さて、屋上で今日は幾斗くんはいなかった。いたけど、弁当食べてすぐにどっかに行ってしまったからだ。彼女にでも会いに行ったのかしら・・・?


 そこで、しばらく雛菊と安曇はとある話をしていた。

 「会長さんに相談があるんです。」

 「な・・・なに?」

 「私・・・・好きな人がいるんだけど・・・」

一瞬ドキッとした、もし・・・・もしその好きな人が幾斗くんならば・・・・そう考えるとなんだか怖かった・・・

 「へ・・へぇー・・だ・・誰?」

 「は・・・恥ずかしくて言えないよぉ・・・・・」

 「言ってくれないと相談のれないよ?」

 本心は違った。好きな人が幾斗くんではないか、それだけが気になっていた。それだけを聞きたかった・・・・。それが、恋する乙女ってもんよぉ(江戸っ子ふう・・・・)

 「じゃあヒントね」

 と安曇が言った。安曇のヒントは

 「私の近くにいる人で、あんまり不良には見えないけど、不良な人」

 というものだった・・・・安曇さんは舎弟だと言ってたから、幾斗くんが近くにいる人だ。しかも、不良だという・・・・。

なにか、重いものがのしかかってきたように雛菊はズシリと倒れた。




午後の授業中、ずっと考えていた。つまり、安曇さんの相談は「好きな人がいるんだけど、どうやっても告白できない。」というわけである。つまり、安曇さんが幾斗くん?に告白できればいいのだ・・・・・。


 どうする私・・・・・。


もし、安曇さんの告白を手伝ったとして、もし幾斗くんがOKしちゃったら?怖い・・・・でも、もし拒否したらせっかくできた友達を失う事になりかねない。 

 どちらにしろ何かを失うのだ・・・・・


 そう、下に下に考えてる雛菊は授業中、あきらかに暗いオーラをだしていた。



 授業終了後、雛菊と安曇は廊下を歩いていた。みんなもう校舎からでていて人はあまりいないようだ・・・・。すると・・・・


 「おっ!生徒会長さんだ〜」

そう言って、またまたいつぞや幾斗にボコられた不良グループのやつらがあらわれた。なにかと絡んでくるのがこいつらであった。       

 「ねぇ!会長こっちきてよぉ」

そういって近づいてくる。安曇は雛菊の前にでて、

 「私の友達をいじめないで」

堂々とした態度で不良達の前にでた。しかし、雛菊はみのがさなかった。安曇の後ろに回されていた手は確実に震えていた。

 あぁ?と不機嫌そうな声をあげる不良達これは、ヤバイのでは?そんなことを、本能的に感じていると、1人の不良が他の不良達を黙らせた。そしてなにやらヒソヒソと話し始め。

 「失礼しました。」

と軽く礼をすると立ち去って行った・・・・。

   この子、いったい何をしてそんなに恐れられてんだろうか?幾斗くんの舎弟だから?

 「だいじょうぶだった?」

そう言って、笑顔で答える安曇さん。雛菊はドキっとした。

 

  どうして、こんなに悩んでたんだろう?私のことをこんなによくしてくれる友達がいるのに・・・・それなのに・・・・私は自分のことしかみてなかった・・・。


 雛菊は決意した。安曇の手伝いをしようと。そのことを安曇に言うと安曇は笑いながら「ありがとーっ」って言って抱き付いていた。




作戦はこうである、”明日の放課後に幾斗くんを屋上に連れ出し、2人きりになったところで、安曇が告白をする”

 まぁ極めて単純な作戦ではあるがそれには目をつぶっていただきたい。




 ぴぴぴぴぴ


 目覚ましの音が鳴り響く。運命の1日がここに刻まれる事になる。



作者に感想ください。どんなことでもいいのでお願いします。

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