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第24話:Born in dei.

お久しぶりです?そうですかねぇ?長いけど、読んでみてください。マヂすみません。

ガシャン

「きゃぁ!」

 安曇は女子集団から逃げようとドアに駆け寄るが急に足に激痛が走り歩けなくなっていた。女の1人が安曇の足めがけて椅子を投げたのだ。教室専用の椅子はそれなりに重量があり、安曇のような足の細い女の子が食らえば堪ったもんじゃない。すぐに足は赤く膨れ上がってしまった。

「どこに行くの?」

またあの女だ。そいつは、ニヤニヤと人の悪い笑顔で近づいてくると、目に涙を貯めた安曇の美しいというより可愛らしい顔に薔薇の花を茎ごと押し当てた。

顔に無数の傷ができる。まるで、猫にでもひっかかれたようだ。血が染み出し、頬をつたる。薔薇の棘とは恐ろしいものだ。

「まだ、わからないの?」

女は言うが安曇には解らない。解るはずない。なんで自分はこんなことをされなくちゃならないのか。安曇が静かに首をふると女子達は安曇を囲むと、、、、、、





「お前、どしたんだよ?」

次の日、安曇が学校に来ると突然幾斗の質問を浴びさせられた。無理も無い、足にはシップ、顔には無数のバンドエード、手等にも軽い包帯が巻いてある。怪我を見ても暴力を振るわれた事が一目瞭然だし、もともと女子達に狙われていたのだから安曇を怪我ったのはあいつらに間違いはない。

 心配そうな友達の視線を感じ、安曇は辛かった。

            

         ごめんなさい


 心なしか、謝っていた。

安曇はその後、幾斗達にどんなことを聞かれようと何も答えなかった。ただ机にうつぶして、かすかに感じる女子てきの冷たい視線を身をもって受け止めていた。何度質問しても、なにも答えない安曇に不安を抱く5人だったが今のところ何かをしてあげることは、できなさそうだった。

 しかし、これ以上安曇に手を出させるわけにもいかないので授業の合間の10分休憩時に安曇を除く5人が集まりどうするか話し合った。


「私は、先生に相談したほうがいいとおもう。そうしないと、高校生活中、ずっと安曇が狙われると思うの」

「でもさぁー女子のほとんどがあの女を恐れてるですよ?口封じされて、都合悪くなるのは目に見えてます。」

 先生に言うべきか言わないべきか、雛菊と友一が話し合っていると

「今はまだ、言うべきタイミングじゃないとおもいますけど?それに、教師に相談しても相手が裏で口を合わせれば一貫の終わり」

 武藤が残念そうに口を挟む。美貴も考えはするが何も浮かんでこない様子だ。


結局、なにも考え付かなかった5人は安曇をみはって不振な女子(または男子)が近づいてきたらブロックするということになった。


 実は、この結論はものっすごく珍しい結果である。この5人が頭を寄り合わせるのに、なにも考え付かないで常識的な戦法で相手を迎え撃つなど前代未聞とまでは行かずともマレなのは、間違いない。


 



 それから、1週間。雛菊はものすごい勢いで忙しい日々を送るようになり生徒会室から出るのも困難なほど仕事が発生してしまった。そろそろ秋の大イベント、文化祭がやってくるので予算割り、集計、イベント、執行部の選抜など雛菊には多すぎる量の仕事が舞い込んでくる。それでも雛菊は、暇があったら安曇と行動をともにして女子の攻撃をブロックしている。普段は美貴や武藤、友一や幾斗が安曇の親衛隊をやっているが3人は男子であり、いつも一緒に居れるわけではないのでほとんどの場合、美貴が安曇をさりげなく護ってる。


 



 余談になるが、安曇をかばったせいでここんとこの雛菊の支持もあまりいいものではなくなってきている。今月の生徒会支持率調査によると、前回92%だった雛菊の支持率は51%まで減少。約半減するという事態になっている。あの女のおどしでほとんどの女子が怖気づいたに違いない。学校の半分の生徒つまり女子の支持率が低下したことから見ても圧力か何かをかけたのは間違いない。


      


     あっ書くの忘れたけど、あの女は3年生である。つまり、並大抵の女子が反抗できる相手ではないと言うことである。



 

 それでも、美貴や雛菊があいつに反抗したのは友情とか仲間とかそんな”簡単”に言葉に出来るものではない。熱く、熱く熱せられた鉄の鎖が身体を縛りあげるような苦しみかなにかが、胸を締め付け口から鮮血が流れ出しそうになる。辛さと痛みが自分のものではないのになにか伝わってくるからだ。もちろんそれは安曇の苦しみであり、武藤たちの苦しみであることは当然の如く雛菊や美貴は解っていた。





 時は10月後半、今年は何故か寒い秋が訪れていた。今日、雛菊たちは毎年行われる文化祭の準備の真っ最中で校庭にテントを張る作業をしなくては、いけなかった。飲食店関係のテント等を立てている。テントといっても、学校行事用のテントで(あたりまえかww)かなりの広さがある。そのテントを校庭だけに20個・・・・大変な作業なのである。

「会長、これはどこに張るんすか?」

「校舎横に張って、たぶん相談室のテントだから!」

「りょーかい」

  文化祭実行委員と生徒会役員が校庭を忙しく走りまわる。回天の日差しの中、もうすぐ訪れるであろう冬の使い魔”北風”が校庭の中を悠々と駆け巡り小さな砂嵐を作ると、また悠々と通りぬけていく。紅葉が落ちて裸の木が山の半数をしめている。


      冬と秋のはざま。動物達はいっせいに土にもぐるか南に逃げるかしてこの厳しい季節が過ぎ去るのを待とうとする。


 

 タラララータラララータラララータラララッタラ

現場の監督をやっていた県立青海高等学校生徒会会長山内雛菊の携帯電話が激しくチャクメロを鳴らしながら電話受信の合図を送った。

「はい、山内ですけど」

雛菊が携帯をひろげて、耳に押し当てると読者の80%が予想しているはず・・の・・内容が聴こえてきた。

「雛菊、私。美貴。今、本館校舎4階の女子トイレで安曇がつかまったみたい。助けに行くから一緒に来て!」

 大きな声が電話から漏れ出し、雛菊の半径1m以内ではその声が容易に聞き取れる。それは、美貴からの安曇が拉致られたという緊急報告であった。いつかこの日が来るだろうと予想していたとはいえ、こんなクソ忙しいときだなんて・・・

  雛菊が電話を切る。助けに行くべきか?しかし、公共事業を捨てて個人を助けにいけば確実に生徒に迷惑がかかる。人の上に立つ物は私情を権力に持ち込んではいけないと雛菊は充分承知していた。胸糞悪くてもしょうがなく、現場の指揮に戻ろうとする。

 すると、青海高校の副会長である平本彩ひらもとあやがニコニコしながら雛菊の横に立っていた。

「雛菊さん、なんてあなたはバカなんですか。こんなところでこんなことしてる場合じゃないでしょう?」

「へっ?」

突然の話しかけに、戸惑う生徒会長をよそに副会長はとどめの言葉を刺す。

「現時点より校庭テント張りは、副会長平本彩が指揮をとる。部外者はすぐに立ち去りなさい。」


 マイクを通して校庭中に響き渡る声。無口な女の子である平本彩の貴重な大声であった。


 普段無口で、無表情な副会長は普段の数百倍分の言葉と、普段絶対に見せない微笑を雛菊会長に送ると。なにも無かったように後ろを向き、テント張りの指揮に戻った。雛菊はあっけにとられたが、彼女の背中にはしっかりと「早く行け!」と書いてある・・・気がした

         


 




 数十人の3年生の女子生徒が安曇と美貴を囲むと、厳しい顔立ちで2人を睨みつける。美貴は平然と立っていたが安曇は動揺を隠せない様子で、ガクガクと震えている。本館4階女子トイレ。ここは今、別の名を修羅場または戦場である。男子の援軍を呼ぶわけにもいかないこの場所で2人は孤独な戦いを強いられていた。囲まれた二人は身動きがとれなくなっていた。トイレ掃除用のモップ、ほうき、カッポカッポ(つまったの取るやつ)を向けられて一歩動けば汚れた水のついた掃除道具の餌食になってしまう。そこえまたあの女が出てきた。

「どう、土下座して謝って、慰謝料払えばゆるしてあげるよ♪」

かわいく言ってくるの逆に美貴の堪忍袋の緒を切らす原因となりそうだ・・・

「土下座ならいいけど、金はねぇ・・あんたらにはもったいないじゃん」

もっさもっさの髪を美貴は掻き揚げながら、明くまで強気の姿勢で言う。

「土下座は出来るって言うのかい?」

「上っ面だけの行動なら誰にだって出来るしね。」

美貴とその女は睨み合い、互いに火花を散らしていたが痺れを切らしたその女は美貴を殴ろうとする。

「あんた、名前は?」

突然美貴が名前を聞く。女は一瞬ためらったが

「佐々木友美ささきともみだけど?」

と不機嫌そうにこたえる。その答えを聞いて、美貴も大そう不機嫌そうになる。

「あんたみたいな女の名前の漢字とあたしの大事な人の名前が2文字も一緒なんてきにくわなぁーい」


  ※注 佐山友一  佐々木友美  佐 友 .....



 美貴のその言葉を聞いて、友美(さっきの女)はどんどん眉毛を吊り上げていく。ようやく爆弾ボーンといったところで友美の合図で掃除道具がいっせいに2人を襲った。2人の服に汚れがつきまくり、掃除道具攻撃の後にバケツに汲んできた水を2人にドバッとかぶせ、2人の制服は取り返しのつかないものになっていた。紺色の制服とスカートがグチャグチャになり、黒いネクタイがブラウスに張り付く。前髪がおでこに張り付き水滴が頬をつたって流れていく。

 美貴が必死に反抗を試みるがホースから放出される水を顔に受けて、身動きできなくなっている。いつももっさもっさに膨らんでいる美貴の頭は今、頼りなくしぼんでいた。

 第2波の攻撃が来そうになったとき彼女はやってきた。トイレのドアがものすごい勢いで開きほうきを担いだ生徒会長が入ってきた。


 ほうき?


雛菊はほうきを剣のように構えると女どもに突っ込むがすぐに後ずさり。。。。おい!さっきの勢いはどこ行った!

 トイレの掃除用具たちが雛菊に向けられる。ほうきで抵抗するが数が多すぎる。


敵が雛菊に掃除道具を向けている間、床にペタンと座り込んだ安曇は隣に座っている美貴に

「なんで、なんで私のせいなのに美貴・・ちゃんとか・・・かいちょーさん・・とか巻き込んでるんだろ・・うね・・?私・・なさ・・けない・・ね」

 途切れ途切れの言葉に美貴が不安を持ちながら安曇をみると、安曇は床に転がっていた石鹸を持ち上げて女どもの1人にぶつけていた。



 えっ?   美貴も雛菊も硬直した。あ・・安曇?なにやってんの? みたいな心境のなか


安曇はお構い無しに、落ちているものを投げまくり、しまいには落ちていたカッポカッポをつかんで女どもに突進した。

 数人の女子が吹っ飛び、トイレの出口が見えると安曇はそのまま出口に突進すると外へ飛び出し、ビチョビチョの服のまま廊下を駆け抜け、階段を飛ぶようにあがっていった。


   トイレに残された女子はボーぜんと立ち尽くし、われに帰った雛菊と美貴はいそいで安曇の後を追った。









 階段を上がる途中2人は、幾斗と武藤と友一に合流した。安曇がズブ濡れで走っていたのをみて、不審に感じたのだろう。


5人はわかっていた、彼女が行く場所が。    屋上。。。たぶん間違いない。

 

   5人は自分の足が速くなっていくの感じながら、屋上にいそいだ。










 屋上は安曇以外誰もいない。グチョグチョに濡れた制服を北風にさらしながら、自然に頬をつたる涙をこらえながら安曇は屋上の端へと足を勧めた。太陽がまぶしく輝いてるはずが、今は雲に隠れて影になっている。


          死のう


 安曇は決心していた。迷惑はもうかけたくない。


  屋上から下を見ると足が竦みそうになる。しかし、安曇はしっかりと足を屋上につけて立っている。さぁ、死のダンスのはじまり


 安曇はゆっくりと地獄へ足を踏み出そうとしたそのとき



「安曇!まてぇ!」

背後から幾斗の怒鳴り声が聞こえた。5人が屋上までやってきたのだ、幾斗が近づこうとすると

「来ないで!」

安曇が。。。あの安曇が、安曇らしからぬ声をあげる。

「幾斗さん、僕に行かせてください。」

武藤が幾斗をみる、幾斗はそうしてくれと合図を送る。


 武藤が安曇に数歩近寄った。安曇との距離は約6〜7mぐらい。「来ないでぇ!」と言い続ける安曇に武藤はゆっくり口を開いた。


「安曇さん。何をしようとしてるんですか?」

「死・・死のう・・としてる・・の!」

弱弱しく、しかし力の篭った声が聞こえる。

「なんでですか?」

武藤が険しい顔で問う

「み、みんなに迷惑かけちゃうからだよ。会長さんや美貴ちゃんたちにも今日、迷惑かけちゃったし。私は消えた方がいいよ!」


 安曇がそう言っているときに佐々木らが屋上に上ってきた。しかし、安曇も5人もお構いなしである。

武藤は、雛菊と美貴をちらっと見ると、少し考えてから

「貴方は、自分がなんのために生まれてきたか知ってますか?」


  その場にいた全員の頭に ? マークが浮かんだ。武藤はおかまいなしに続ける。

「俺もそうですが、きっと死ぬために生まれてきたんじゃないですか?」

  さらに ? マークが浮かぶ

「そして貴方は、その目的を達成しようとしている。そう、死ぬ事によって。」



     もう、わけがわからない。

「じゃあ、貴方は貴方が生きている意味をしっていますか?」

「そんなもの無いから、死のうとしているんだよぉ。」

 安曇が口を開くが、武藤はうろたえず

「無い?違います。見つけてないだけです。」

武藤の目が少しばかりきつくなる。(少しだけね・・・)

「あなたは自分の生きる意味すら見つけて無いくせに死のうとしている。それは、生まれた意味を達成することにはならないんじゃないでしょうか?Born in dei. それは、生まれた意味で貴方は生きてる意味を見つけてない!それは、無駄死にに等しいんじゃないですか?」


 武藤はゴクリとつばを飲み込むと


「あなたにはまだ、生きる意味をみつける義務がある。」

武藤がそこまで言うと突然友一が

「そうだよ、武藤さんの言うとおりだ!収納品をゲットしても赤い木箱に入れなくちゃクエストクリアにはなりませんよ?最後まで行って、旗に飛びつかなきゃステージクリアになりませんよ?あなたが今しようとしているのは、自分から穴に落ちていこうとしているのと同じですよ!それは、クリアじゃなくてゲームオーバーですよ!」


 友一・・・こんなときぐらいゲームから離れろ!


 友一がそこまで言うと、女子の集団の中の1人の少女が

「安曇さん。悪いのは私です。安曇さんにあんなことたのんどいて、友美の脅しに乗ったりした私が悪いんです。ゴメンナサイぃ!」

 この少女こそ、安曇に頼みごとをした、あの日彼氏が風邪で休んでた女の子だ!

  少女がその一言を言ったあと、女子たちが口々に

「友美さん、どういうことっすか?安曇が悪いんじゃなかったんすか?」

「嘘ついてたんすか?」

「友美さん・・・信頼していたのに・・・私達がやったのは、ただのイジメじゃない」


 「!!  !!」


  「!!  !!」


  女子の集団が崩れる。そしてみんな口々に安曇に・・


「安曇、おめーが死んだら俺のパンは誰が買ってくるんだよ!」

自分で買って来い!(ここからは作者のツッコミですw)

「あたしのメイクだれが手伝ってくれるっての?」

美貴・・そこか?

「こんど一緒にモン●ンやろうっていったじゃないですか!ティ●2頭!!」

お前はゲームから離れろ!

「私の相談だれが乗ってくるの?」

さすが、まともだ生徒会長

「安曇さんみたいな優しい人にしなれたくないです。わたし、本気で謝りますから死なないでください。」

まぁ、同意してやろう。



  「!!   !!」

   「!!   !!」


雲に隠れていた太陽が屋上に光を流し込む。濡れていて、水のしずくが落ちるが、それに太陽が反射してキラキラと輝いていた。


 安曇はまぶたに涙をいっぱいためて、みんなをみた。差し込む光よりもまぶしい仲間達がそこにいた。暖かい日差しより熱い謝罪の言葉が安曇にふっていた。地獄は終わった。


 武藤はそっと安曇に近づく。安曇はもう、なにも言わなかった。ただ、ぬぐってもぬぐっても出てくる涙を抑えるのに必死だったのだ。


 近づいた武藤に安曇は

「武藤君。わたしはやっぱり死ねないや・・・・・わたし、臆病だから。」

 安曇が涙をためた目で武藤を見上げると、武藤はいつものスマイルで

「死ねないのはあなたが強いからですよ。死は逃げ道ですから。」


  安曇がコクリとうなずく。雛菊も美貴もしぜんと涙がこぼれてた。幾斗も友一も胸をなでおろしていた。


              終わった    終わったんだ








 ビュゥー


 ハッピーエンドを好まないのか、冬の使い魔は安曇めがけて突進した。この秋一番の北風が屋上を襲う。そしてバランスを崩した安曇と、助けようとした武藤が同時に引力によって地上へ引き込まれていった。


 みんなが駆け寄る。


 

 空中で安曇を抱き上げた武藤はもうどうしようもなかった。でも、最後に自分がやるべきことは分かっていた。


     安曇を抱きかかえたまま、自分の背中を真下にむけて、自分を安曇のクッションにしようとした。安曇は目をつぶっている。




 2人の人影は5階建ての校舎の屋上から校庭へ落下した。




  人生で一番長いと感じられる、命綱無きバンジージャンプ。




 そして2人は校庭の1つのテントを破壊して地上に着いた。



 


  


 

 











 実は2人とも無事だった。テントがいいクッションとなり死にはしなかった。しかし、下側になった武藤は救急車に運ばれていったし、安曇だって保健室で寝かされてた。保健室の先生はだいたいいないのでその隙に、イジメをした生徒達が変わりばんこに土下座しに来た。安曇はいいと言っているが、どうにも土下座しないと気が治まらないらしい。



 そして、最後に彼女がやってきた。女のリーダー。佐々木友美。


 友美がやってきて、安曇は多少緊張していた。まぁ、当然だろうが。友美と安曇の間に少々沈黙の時間が流れたが・・・


やぶったのは友美だった

「あのさ・・その・・金が欲しかったわけじゃなかったんだ。」


 安曇が?マークを浮かべる。

「実はさあたし、武藤くんがすきだったんだ。」

「!?」

 安曇が驚くが口を押さえて驚いている。しかし、友美はおかまいなしに

「あんた、武藤の彼女だろ?嫉妬してたんだ。あんなことしても武藤くんは振り向いてくれないって分かってたのに。なんでかやってしまって。」

友美の話を黙って聞いている安曇

「最低だろ?わたしってどうかしてる。ゴメン。いやごめんなさい!。すみません。」

だんだん涙声になってくる友美に安曇は


「しょうがないですよ。誰かを好きになるのは女の子の仕事ですから。」


安曇の言葉が以外すぎたのか、友美は顔を上げる。

「友美さんはその愛情表現を間違えちゃっただけですよ。」

「あなた、わたしを憎まないの?」


 友美が尋ねると

「憎んでも、わたしは幸せになれませんから。そして、あなたもね。」




  頼りない安曇。でも、心の持ちようは実はしっかりしてたり。。。そうでなかったり。












 その日の帰り道、幾斗と雛菊はいつもどうり商店街を歩いていた。もうすぐ訪れるであろう冬に向けて防寒グッズが多数売られていた。

 その帰り道、幾斗は不思議なことを聞いてきた。

「なぁ、雛菊。」

「ん?」

 さっき話したばっかりなのに、なぜか久しぶりに話しているような・・・・そんな気がした。

「力ってなんだろうな?」

 幾斗の質問に雛菊は答えられなかった。解らないからだ・・・・



 少したって、幾斗が口を開いた。

「きっと暴力なんかじゃねぇーんだろうな。」

  北風が二人の背中をそっと押した。










それから1週間もたたないうちに武藤は復活した。どんな生命力もってんだか・・・



「武藤くん。大丈夫。  あの時は・・・ごめんなさい。」

 安曇が少しションボリと武藤にあやまると、武藤はいつもと変わらぬ笑顔で

「貴方を護る事が今のところの僕の生きる意味ですから」







    安曇の頬が少々、赤く染まった

 




 





安曇のイジメ編完結。 長く苦しい戦いでした。今回は笑い無しだとは思いますがカンベンしてください。次話は笑える話にしていきたいです。なんでイジメについて書いたのか?

 詳しくはブログをみてください。

http://green.ap.teacup.com/kaosan/

 ケータイの方ごめんなさい。近々、トップにURL貼るんで、良かったら見てください。


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