第23話:ゴーヤは食べられたくないから苦いのに、それを人間は・・
どうも、お久しぶりです。
武藤と友一が怖い顔で立っているのにもかかわらず、女子達は安曇を罵った。
安曇と雛菊と美貴が武藤に視線を向けると、武藤はいつものサワヤカ微笑スマイルではなく、言葉敬語ではなくなっていた。
「聞こえてねぇーのかぁ?あぁ?」
どこぞの不良、まぁ不良なんだが・・・そのへんの不良と同じような声をだした。
しかし、女子はまったくの無視。武藤に顔も向けやしない…ただ安曇を攻撃していた。
武藤は女どものボス格につかみかかった、するとそいつはまるで木の枝でも引っかかていたかのような華麗なしぐさで、武藤の手を掃うと、まるで雑草でもみるような目つきで武藤を見た。 そして、自分より背の高い雑草にすまし顔で
「なに?」
と答える、
ヤバイ 雛菊は思った。武藤は完全に怒ったらしい。マンガなら頭に黒十字に似たイラマーク?が出てきそうなほどだ。今にも殴りそうだ。
雛菊は内心少し思った・・・・ やっちゃえ! もちろん美貴もそう思った。
「お前、自分がなにしてんのかわかってんの?あぁ?」
「あら、かっこいい事。」
女はクスリと笑うと、武藤の目を見てはっきりと
「悪いことしたやつを懲らしめてなにが悪いのかしら?ゴミの味方はゴミ虫だけですよ。あなたもゴミ虫なのかなぁ?」
そこまで言い終わると、女は武藤の顔から目をそらしてその他諸々の女を引き連れてその場を立ち去った。
クソ! 雛菊も武藤も友一も美貴も胸糞悪い。すぐにでも追って行ってあいつらをボコボコにしてやりたいと思っていた。
女どもが出て行ったのと同時に、先生が入ってきた。
「だいじょうぶですか?」
昼休憩、武藤は安曇の擦傷を見ながら言った。ただの傷だが、女の子にとって肌の傷は大敵なのだ。そのことをよく知っている武藤と美貴は安曇をとても気にしていた。友一はというと。。。心のそこでは「たいしたことーねーじゃん」とは思っているものの、口では大丈夫?などと聞いている。空気の読める男なのだ。
「うん。このくらいの傷。。。なんとも」
実際、安曇は肌の傷などたいして気にしていなかった。昔から幾斗と悪い事してきているので、かすり傷なんてへっちゃらである。しかし、傷ついたのは肌ではなく心だ。心の傷は当分癒えないのと同時にいじめも当分続きそうだ。ことに、武藤や友一、幾斗が女子のいじめに関わるのは実はものすごく難しいことだ。理由は簡単。ココは共学とはいえ体育、保健などの授業、そして着替えなどは女子と男子がバラバラになる。(まぁ当然か?)今日のような特殊な日は少なく、だいたいは女子だけに、そして安曇が一人になるときに攻撃される。
その後、安曇はいじめがはじまった日、理由、内容を話しあ・た・まのいい雛菊がそれをまとめた。
「つまり?こういうこと?
ある日、安曇が歩いていると1人の女の子がおりました。そのこは大そう困っている様子でした。安曇がどうしたのか尋ねると、その女の子は先日、男子更衣室に彼氏が大事なものを間違えてもって入ってしまい、それが今日無ければこまるそうだ。彼氏にとってもらったら?それか、ほかの男子に取って来てもらったら?と言うと。そのこは、今日は彼氏が学校を休んでしまったの。あんなものほかの男子には絶対に見られたくない。というのである。困りはてたそのこをみて、安曇は決心した。そして、私が取ってきますといい、男子更衣室へ。クサイ更衣室の中をシャツだとかパンツだとかをかきわけ探していたら。。。。。。
さっきの女の彼氏にみつかって、シャメを撮られて、ばらされたくなかったら金出せって言われて拒絶したらああなったと?」
安曇がコックリとうなずくと、まわりのみんながため息をはく
「いやぁ、安曇はまったく悪くないんじゃない?その話聞く限りでは?」
美貴の言葉に全員がうなずく。まったくである。
「そういえば、幾斗くんは?」
「あぁ、幾斗さんなら生徒指導室ですよ。」
遅刻したことで、柳原先生(数学教師および担任)に説教されてるらしい。今日は1日、そこで勉強だそうだ・・・・しないだろうけど・・・
「じゃぁ、対策というわけで、友一君と僕と幾斗さんで代わりばんこに安曇さんを見ておく。相手が来たら応援を呼ぶってのでそうでしょうか?」
「いいんじゃないですか?武藤大佐。」
武藤の計画に、友一は戦争ゲーム風に言うと。
「バカ野郎!そういう時はなぁ、相手のとこ行ってボコボコにしてやるのがいいに決まってんだろ?」
そういいながら屋上に入ってきた単純思考の青髪不良は、妙に機嫌悪そうな顔をしてた。
「しかし、幾斗さん。相手がどのくらいの人数かとかまだわかってないんですよ?もし、ボコして生き残りがいれば、安曇さんが男子のパ○ツ等をあさっている写真が全校に・・・・」
武藤の言葉に顔を蒼くする安曇。
「ちょ・・・ちょっとまって、その安曇にお願いした女の子に誤解を解いてもらったら?」
おぉ〜 と武藤達から歓声があがるが、安曇は静かに首を振った。
安曇の顔がさっきより少しだけ暗くなると、小さく口を開けて。
「さっきの子たちの中に、あの子・・・まじってた・・・」
え?
「ちょ・・・ちょっとまてよ、それどういうことだ?」
美貴が目を丸くして問う。いや、確認を取ろうとしているのだ。美貴だってわかってる、その女は安曇を裏切ったと言う事を。。。。
「けっ、気に食わない女だなぁ!」
幾斗が心のそこからの気持ちを言うと、安曇は申し訳なさそうな顔でみんなを見上げた。
「そんな顔しなくていいんですよ?あなたは、なにも悪くないんですから。」
武藤がサワヤカ微笑スマイルで安曇をはげます。
「じゃあ、マズその女をとっ捕まえようぜ!」
美貴がこぶしをグッと上に上げる。雛菊も軽くうなずくと屋上をおりようとした。そのとき
「コラぁ!幾斗!どこ行ってたぁ!トイレに行くっていってたじゃないかぁ!」
柳原が屋上にやってきて、幾斗を捕獲にかかる。
「うぉ!ヤベ!じゃーなお前ら!」
幾斗は屋上を走りまわりながら、雛菊たちにお別れを言いかけって階段を降りていった。はぁ・・・
午後の授業が終わり、HRも終わって後は帰るだけとなったとき安曇を呼ぶ声がした。隣の組のしらない女子である。安曇がその女子のところへ行くと、その女子は
「先生が、多目的室に来るようにって言ってたよ。」
と教えてくれた。安曇はお礼を言うと、雛菊たちに先に帰っててくれと伝える。多目的室は案外近いところにある。なのでよく先生達も、生徒指導室のかわりや進路指導室としてもつかわれる
ていうか、読者のみなさんは怪しいニオイがするなぁと思っている?でしょうが、実は安曇には先生に怒られる理由がたくさんありすぎるので、別に呼ばれても不自然じゃないんですね。武藤たちもそれを理解していたし。。。。(作者談)
私、成績悪いからなぁ。今日から、放課後補習とかかなぁ?
別の意味の不安を抱きながら、安曇は多目的室のドアを開けて中に入った。
夕日が落ちかけ、多目的室の机をオレンジ色に染めていた。そして、数人の女子達の影を真っ黒に染めていた。
安曇は自分の足に力が入らなくなるのを感じた。 しまった、だまされた。
女子達の真ん中で、やけにニヤニヤした女が一輪の薔薇を片手に添えていた。
薔薇は、夕日に染まって鮮血を浴びたように輝いていた。
どうも、ものすごくお久しぶりです。実はオレも、イロイロ忙しくて。。気付けば、かなりの時間更新してませんでした。その期間中、コメント、手紙をくれました読者のみなさま、まことにありがとうございました。これからも、頑張って書いていきますのでどか感想、コメントお願いします。
さて、今回はいじめについて書いてみました。やっぱ難しいですね。ベタになって申し訳ありません。
では、