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第2話:保健室には先生がい・・・ない!?

雛菊はあっけにとられた。いや、みていたものすべてがあっけに取られたに違いない。

 不良たちすらびびって身動きできない様子だ。どうやら、グループの頭はこの男にぶん殴られたに違いない。

 この男、赤城幾斗(あかぎいくと)は、この学校No1の不良・・・とまで言われてる不良である。喧嘩が強く、彼の機嫌を損ねると女でも地獄送りだとか・・・。そんな彼が不良グループの頭を1発で倒してしまったのだから・・・・・いろんな意味で驚く。なぜ、驚くかはご想像におまかせします。


 「ん・・んにゃろ!」

多少声はびびってるものの、勇気?ある不良グループの下っ端1人が幾斗に飛びかかる。     きっと、とても怖かったろうに・・・・。

 パーーン!

また、あの音が聞こえたと思ったら、手下は床でうずくまっていた。みていた手下は、仲間を助けようと、幾斗に飛び掛るが20秒もたたないうちに、5人がやられてしまった。

 頭がようやく立ち上がって、手下に撤収の合図をする。実に不幸な連中だ。いや、自業自得かもね・・・。雛菊はそこまで観ると、恐怖から逃れた安堵感と床で打った頭がガンガンするのとで、急に眠気が来たと思ったら、意識が遠くなってしまった。



夢をみた、なんの夢だったのかは忘れたが、なにかとても楽しいような夢をみた

 

    パチリ


目が覚めたら、そこは保健室のベットの上だった。そうだ、自分は不良たちとのイザコザに巻き込まれて、いや突入してって気を失ったのだと思い出す。保健室に誰が運んでくれたのか?と思い、周りを見てみるとベッドの横に反対側を向いて誰かが座っていた。肩までのびた髪が美しい青色に染められていた。

ビクリと身体が反応した。

 「赤城くん?」

無意識のうちに声が出ていた、彼は振り返って雛菊をみるやいなや。

 「あれ?起きた?保健室のセンコーいなかったからとりあえずベッドにねかせといたよ。」

 ・・・・・。どんな反応をみせればいいのか一瞬戸惑ってから、

 「あ・・・ありがとう。」

と少し恐怖を混ぜたような顔で言った。幾斗はそれを観て、無雑作に頭をかくと黙り込んで何かを考えるような顔をしていた。雛菊は聞いた

 「なんで、私を助けてくれたの?」

?マークが幾斗の頭の上に浮かぶ・・・・その後、わかったような顔をして。

 「保健室に運んだ理由?倒れてたから。」

・・・・・・・そうじゃなくて

 「じゃあ何だよ?俺なんかしたか?」

 「ほら、不良グループを倒してくれたじゃない!」

へ?という顔をする幾斗・・・・。

 「覚えてないの?」

 「覚えてるけど、あれはあいつらが通行の邪魔だったから・・・・」

「じゃあ、私のこと気づかなかったの?」

「ゴメ、俺ぼけっとしてったからさぁ・・・」

それを聞いた雛菊は自然に笑っていた。

 「なっ!なにがおかしんだよぉ!」

 「ごめん、ごめん。ついつい・・・赤城くんって面白い人だなぁと思って。」

高校入って、はじめて人と話して笑った。中学以来でとても嬉しかった。

 「・・・あっそ・・・俺は帰るぜ。疲れたし、眠いからな。」

少し照れたように顔を赤くした幾斗は、頭をボリボリとかいて立ち上がった。

そして、保健室を出ようとする幾斗に雛菊はあわてて駆け寄り、

 「まって。今日一緒に帰らない?今日のお礼にラーメンでもおごるからさぁ」

幾斗は一瞬ためらったが、すぐに「いいぜ」と反応した。

  ラーメンを無料で、しかも極上の美人と食えるのだから不良の幾斗は心躍らせる気分だったに違いない! 

クッソ羨ましいぜ!!(作者談)


 幾斗は自転車通学で、徒歩通学の雛菊も自転車置き場についていく、

 「会長ーチャリ通じゃないの?」

 「違うよ。」

ふーん と言うと幾斗は自分の改造自転車にまたがると、荷台を指差し「乗れ!」と言った。

 「だ、だめだよ!法律違反じゃない!」

 「?そうなん?しらんかった〜ってことで乗れ!俺は、腹減ってんだよ!!はやくいこーぜ」

会長と不良は数秒睨み合ったが、幾斗のこわぁ〜い目つきに負けて雛菊はしぶしぶ荷台に乗ると、

 「ゆっくり・・・走ってね」

おう と返事はしたものの、実行はしてくれなかった。自転車はものすごいスピードで走り、雛菊は軽く悲鳴をあげながら幾斗の背中にしがみついていた。

   人生初めての2人乗り・・・まさかそれが不良となんて雛菊は思ってもみなかった。

 

    学校の近くにある古びたラーメン屋についた。まるで大正からの古い歴史があるかのような古い古いラーメン屋だった…。

中に入るとおきまりのラーメン屋のおっさんがいた。


おたがい注文をとる。2人の趣味が一致したのか、気分なのか知らないが2人とも醤油ラーメンを注文した・・・


ズルズルとラーメンを食べながら雛菊は幾斗の顔をうかがった・・・

まるでラーメンを睨むように真剣な目でラーメンを食べる姿は、そのへんの雑魚なチンピラがみれば裸足で逃げ出しそうなほど怖かったが雛菊の視線に気付くと、顔をあげて薄ら微笑んだ・・・

「何みてんだよ?」

そう言うと幾斗はゆっくりと雛菊の額に手を近づけてデコピンを食らわす。このデコピンに何の意味があったのだろう・・・とにかく額が痛い・・・


その後、なにかと話が盛り上がった。不良と初めて話した雛菊、優等生とはじめて会話した幾斗。。。。。

どちらもそれなりに初体験を行った。まぁ、悪い体験ではなかったのだろうが・・・

「会長って身長のわりによく食べるなぁ〜身長なんぼ?」

「え・・・157cmだけど・・・」

 幾斗の質問に少し頬を赤く染めながら答える雛菊。私ってそんなに食べてるかなぁ・・・・

「ちっせぇ!!わははっは」

「え・・・そうかなぁ・・・」

  てか、なんで私バカにされてるんだろう?


少し話したところで幾斗は雛菊に言った。

「今日はありがとな。」

笑顔で言う幾斗。不良も笑うんだ・・・・じゃなくて!

「なにが?」

その質問に幾斗はニヤニヤしながら、

「会長のおかげで、午後の授業さぼれた。」

保健室でずっと雛菊に付き添っていたのだ。付き添った?いや、隣のソファーで寝てたが正解である。結果授業をサボれた・・・・

自然にため息が漏れた。


まぁ・・ね・・・不良だから・・・




 しょうがないか・・・・

 


そして、ラーメンを完食後。

 「あっ・・・お財布無いんだった。」

雛菊は自分の鞄をのぞきながら言った。


 「はぁ?マジ勘弁してくれぇ・・・」




    No1と言われる不良はひどく青ざめた顔をしたとさ。


つづく


 

 

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