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第14話:トイレの花子さんならぬトイレの会長!

  え?



まったく意味がわからない。突然の電話で突然の言葉で・…あまりにも突然すぎる出来事に雛菊は混乱していた・…


 Why?なぜ?ど…どうして急にそんなこと言われたのだろうか・…まったく検討がつかない。


 幾斗くん、ついに私のことが嫌いになっちゃたんじゃ…それ以前に好かれてもいなかったとしたら?


 脳内で"嫌い"という言葉がグルグル回っている・・・・

 

 自然と涙がこぼれてきた・・・枕が涙でぐしょぐしょになった。きっとなめたらしょっぱいのだろう・・・毛布にもぐりこむ、不安や恐怖とは違うなにかとても寂しいものが心の中でうごめいている感じだった・・・・・



 幾斗に電話しようと思った。そしてなぜかを聞きたかった。しかし、携帯電話を握ると指が動かなくなる・・・・手が振るえてまるで金縛りにあっているようだ・・・・いや、実際にあっているのかもしれない。



その後、何度も電話をかけようと試みたが失敗に終わった。

 




 次の日、悲しみと寂しさとショックで朝まで一睡もしないまま雛菊は学校に出かけた。



 トボトボと通学路を歩きながら、登校する雛菊に安曇が声をかけてきた。


 「会長さ〜ん。おはよ〜!」

 「うん・・・おはよう・・・・」

安曇のあいさつに雛菊は海底の深海魚のうなり声のような返事を返す・・・・

 「ど・・・どしたの?」

雛菊のあまりの暗さに驚いたのか、スットンキョンな声を上げる・・・・

 「・・・糸河さん・・・ちょっとね・・・・」

どう答えていい河から無いのでとりあえずそう答えておく・・・・

 雛菊のあまりの暗さに安曇も黙ってられずに

 「な・・・なんなの?教えてよ〜私、友達でしょ?会長さんそう言ったよね?だったら相談のるからさぁ・・・」

そんな安曇の優しい言葉に雛菊は涙ぐみながら・・・ 

 「い・・・い・・・糸河さぁ〜ん うわぁ〜ん」

 「うっうわぁあぁ」

泣きついて来た雛菊に驚きの声をあげる安曇・・・・


 

 「え?赤城君がそんなこと言ったの?いつもあんなに仲良かったのに・・・・・」

学校についてから安曇はHRが始まるまでの間、雛菊の相談にのっていた。

 「なんでだろう?私、なにか嫌われるようなことしたかなぁ?」

 「なにか心当たりは?」

顔を下にして心当たりがないかを頭の中で検索するが、雛菊はすぐに顔をあげて

 「わかんない。」

 「・・・・・」

さすがの安曇もまいっているようだった。なんせ、手がかりがまったくと言ってよいほど無いのだ・・・そして最後の手段に出ることにした。

 

 「じゃあ私が赤城くんに聞いてこようか?」

安曇の提案を雛菊ははじめは嫌がっていたものの、少したってから考え直して、その仕事をお願いすることにした。



 今日、雛菊が起こしに行ったわけでもないのに幾斗は武藤とともに学校に来ていた・・・・教室にはいなかったけど・・・・・昼休憩、安曇は幾斗に聞きに行くのだ!



  キーンコーン・・・・  午前の授業終了チャイムが鳴り、ついに昼休憩が来てしまった・・・・

 「じゃあ、きいてくるねぇ〜」

昼休憩、そう言い残して安曇は教室を出て、足取り軽く、テテテテテと廊下をかけて行った・・・・・


 久しぶりに1人で弁当を食べていた、だれも食べる人がいないのだからしょうがない・・・だまって弁当を食べながら安曇の帰りを待っていた。


 きっと、なにかの誤解があったんだ・・・・


 そう心に言い聞かせて、自作の卵焼きを口に放り込む・・・・・口のなかで最初は力強く噛んでいたものの、だんだん力が入らなくなってきていた。


 ゴクン


 なんとか飲み下すと、次のオカズに箸を伸ばそうとした・・・その時


 「あ・・・あの・・・会長さん・・・・その・・・」

安曇の声がした、雛菊は一瞬ビクリとしたが安曇だと気付き、どうだったか尋ねる・・・・

 「えっっと・・・・その」

 「答えてくれたの?」

雛菊の問に安曇はコクリとうなずき、ゆっくりと口を開いた・・・

 「迷惑だからだって・・・・」

 「えっ?」

 「だから、迷惑だからだって言ってたよ・・・・」

安曇の言葉で、雛菊は上空4000mを飛ぶ飛行機から突き落とされた気分になった・・・・そしてやっと口を開いた・・・

 「そうなん・・だ・・・幾斗くんにごめんねって伝えといて、もう二度と迷惑かけないからって・・・」

それが雛菊の精一杯の言葉だった・・・・


 私の存在は、赤城くんにとって邪魔だったんだ・・・・そんなことにも気付けなかったなんて・・・・私、最低!


 自然と、教室を飛び出していた・・・


 「かいちょさーん  かい ちょ さーん  か い ちょ


安曇の声がはるか後ろから聞こえてきた気がした・・・・でも、雛菊は気付けなかった・・・


 トイレに駆け込み個室に閉じこもった・・・・鍵を閉めた瞬間、涙がどっとこぼれ出た・・・・





 

  ごめん・・・・ごめんね、幾斗くん・・・私、二度と幾斗くんに迷惑かけないから・・・私、二度と幾斗くんに近寄らないから・・・・




う・・グス・・・ぐすっ う、グス、ヒック ぐすっひっくっ 





誰も居ない女子トイレで生徒会長の鳴き声がこだましていた・・・


 

久しぶりの投稿です。いつも見てくださるかた、感謝しています。 

 なにぶん経験が少ないもので、コメント、感想を出来ればいただきたいです。お願いします。

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