第13話:〜運命の鳴る頃に〜
お久しぶりですww
「ちょっとまて幾斗・・・これ以上やったら承知せんからな!武藤もだぞ!絶対禁止だ!」
「ふざけんな!このクソ教師!」
「な・・誰がクソだ!」
生徒指導室での会話が幾斗の脳裏によみがえる・・・
「クソがぁ!」
自然とが身体が動き、近くにあったゴミ箱を蹴っ飛ばしていた。
ガコーン!
ゴミ箱がガランと倒れ、中のゴミが散らばる。まるで幾斗の心の心のように・・・
なんで・・なんで俺が・・・
不安と悔しさで思いがいっぱいになる・・・
「畜生・・・・」
考え込む幾斗の背中を武藤がポンポンとたたくと
「気にする事ないですよ、あんなのシカトすればいいじゃないですか?」
「そうだな。」
キーンコーンカーンコーン
5時間目の授業がはじまるチャイムが聞こえる。
2人の不良は雨の中、校門を出た。
後姿が雨にぼやけて消えていった。
午後、雨が降り始めた・・・
5時間目が始まったころには大雨となり、教室からみる窓から水がバケツをひっくり返したような勢いで滴れている。今、後ろの席に幾斗はいない・・・・・。もちろん武藤もいなかった。
静かな教室に教師の声と雨音が響き渡った・・・・
安曇はなんだか寂しそうな顔をして授業を流していた・・・・
雛菊はため息ついた・・なんだか面倒なことになったのかもっしれないと思ったのだろう・・・。
学校も終わり、すでに雨も小降りになっていた。幾斗と武藤の靴箱には靴が無かった・・・
「帰ったんだ・・・・」
「そうだね・・・・」
2人でそういうと、別れを言って帰っていった・・・・・
バシャバシャと水溜りを踏んづけた時に水が飛び散る音がする。靴がドロドロになりながら雛菊も安曇も家に走って帰った。
誰もいない家に帰ってきた雛菊は部屋に上がってすぐにベットに倒れこんでしまった。
雛菊の母親は、有名なヴァイオリニストで父親は大会社の社長。父の会社は大型電気チェーンで日本でも有名な店である。最近では、海外にも進出した。 2人は仕事でほとんど家にはいないのでいつも雛菊は家で1人である。
友達も、彼氏も、家族もいない。孤独の中で生きてきた少女。それが、彼女だった・・・・
今は違う!ちゃんと友達がいて、相談相手がいて・・・そして・・・・好きな人がいる。
彼女にはそれが幸せでしかたなかった・・・だから、幾斗や安曇や武藤はかけがえの無い存在だったのだ・・・・
学校に行きたくなった。
はじめてそんな気持ちを抱いた雛菊だった・・・・
学校に行く前に毎日ちゃんと幾斗を起こしに行く。それが毎日の習慣になっていた。
いつも、ひどい寝癖で出てくる幾斗がおもしろかったし、幾斗の妹さんも可愛かった。毎日の楽しみである。
「かいちょ〜お。オッハ〜」
寝ぼけて言う幾斗・・・というかそのネタ古くないですか?
いったん顔を見せた後、すぐ部屋に引っ込み、2分後には学校での幾斗が出来上がっている。いったいどんな作業を・・・見てみたい気もする・・・。
「よぉ!行こうか。」
「う・・・うん」
マンションを出て、幾斗と並んで歩く・・・
最近、幾斗は自転車通学から徒歩通学に変わった。実際、徒歩通学だったのだが許可を取らずに勝手に自転車通学になったのだった・・・それがもとに戻っただけだった・・・
「赤城くーん。会長さーん」
ニコニコしながら元気に走ってくる安曇とそれに続く武藤。
「会長、おはようございます。」
敬語で挨拶する武藤にあいさつして4人で登校する。
風が髪をなびかせる。暑かった夏にそろそろ終わりが来るのだろう・・・・セミも鳴かなくなった。
校舎の中は生徒達のしゃべり声や叫び声、歌声が響き渡り実に青春っぽい・・・・
幾斗や武藤はツカツカと校舎をのし歩き、その後を雛菊と安曇はついて行く。教室までさほど遠くない。階段を上がったらすぐだ・・・
教室に4人が入ると、いままでしゃべっていた人たちがいっきに静まり返った・・・
いつものことであった・・・
なぜなら、幾斗と武藤は超不良、安曇はそのパシリにして彼女、雛菊は生徒会長である・・・・
当然と言っては当然であった・・・・
しかし、なぜかいつも以上にだんまりとした空気がする。なぜだろう?
4人が席に座って話し始めるといつしかその空気も元のガヤガヤした空気に戻っていった・・・・
HRが終わり、授業開始までの休憩中に教室に慌てて入ってきた教師がいた。年齢は34歳で髪はロンゲ・・・少し美形?のその教師は教室になにやら入ってくるなり、
「ちょ・・・ちょっと・・・武藤と幾斗は生徒指導室に来なさい」
「はぁ?日向野!また昨日のクダンねー話じゃねぇだろうなぁ??」
「昨日のことだ!注意したのにまるでわかってないじゃないか!来い!」
そう言って2人は生徒指導の日向野にまた、連行された・・・
昼休憩、2人は屋上に顔を見せることも無く、午後の授業にも出ていない・・・・・
武藤と幾斗は不良なので、生徒指導室はあたりまえなのかもしれなかったが、雛菊にとってはそれは嫌だった。なんせ学校で会える時間が短縮するのだ・・・・・
結局、その日幾斗と武藤には会えなかった・・・・
日が暮れて、雛菊が家に帰り着いた。手を洗い終わると、自分の部屋に行き一休みする。その後雛菊は机にかじりついて勉強をする・・・。
今日の数学・・・・今日の英語・・・・予習に復習、頭のいい雛菊はそれなりに努力をしているのだ。
その時、携帯電話の着信音が鳴った・・・・ベートーベンの運命の音が鳴る・・・・・
「はい・・もしもし雛菊ですけど・・・・」
「あ・・・俺、幾斗だけど・・・」
幾斗だった。雛菊は少し胸を躍らせた・・・・用事はなんだろう?
少し期待がこもり、自然と携帯電話を強く握ってしまう・・・すると幾斗は少し間をあけて
「明日から、起こしにこなくていいから・・・・・・・・・・じゃ」
プツ 電話が切れた・・・・切れたのただただボー然と立ちすくむしかない雛菊だった・・・・・
世界が止まったように感じられた一瞬だった・・・・・・
まだまだ下手な小説ですが、読んでくれれば光栄です。出来れば、コメントください・・・まってます。




