第12話:フェルマーの最終定理より深刻な問題・・・
テスト終了しました・・・
「それでは、みなさん、これからも青海高校の生徒だという自覚をもって行動してください。以上です。」
そう言うと雛菊はぺこりと礼をすると朝礼台から降りた。
永かった夏休みが終わり、青海にも秋が訪れようとしているのである。まだまだだけど・・・
その後、教師による永いグダグダ話が続き、退屈な時間が過ぎた・・・・大げさに言うとみんな目が死んでた。(教師以外・・)
青い色一色の空の下のグラウンドで全校生徒が集合して、現在朝会中だ・・・
夏休みにはイロイロあったが、それも今では楽しい思い出だ・・・それは安曇にも武藤にも、もちろん幾斗にも同じであった・・・
「会長、よくあんな人前で堂々とものが言えるねぇ・・・たいしたもんだなぁ・・・」
幾斗が感心の声を上げる・・・
やっと朝会が終わったころ、教室に向かう廊下での話である。
「ぼくも、感心ですよ・・・さすが生徒会長さんですね」
武藤が冷やかしなのか本気なのかわからないような言葉をかけてくる。
「そ・・・そんなことないわよ・・」
多少照れくさそうに雛菊はつぶやいた・・・・安曇もニコニコしながら雛菊にちょっかいをだす・・・。
今日から、また楽しい学校生活が後れるんだ・・・
雛菊の胸はうきうきしていた・・・・
すると・・・・
「あっ!おい、赤城!武藤!ちょっとこっち来なさい!」
教師の中の1人、生徒指導の日向野が武藤と幾斗を呼び止めた・・
「あぁ?」
態度の悪い返事をすると、日向野は・・・
「2人はちょっと生徒指導室に来なさい」
「はぁ?タリーなぁ〜」
そう言いながら2人は生徒指導室に連行された・・・・
なにかしたのかなぁ?心配そうに2人を眺める雛菊と安曇・・・
「まぁ、あの2人なら生徒指導なんて御茶の子さいさいだろうけど・・・・」
安曇の言葉に雛菊は納得しながら教室に帰った。
授業が開始された。
「えーと、ここの問題は正弦定理を使ってだな・・・
前の席の安曇はというとスーピーというかわいい寝息をたてながら深い眠りについていた・・・・やれやれ
「よし、じゃあ山内!ここの問題はどうやって解くんだ?」
数学教師の柳原が雛菊に質問する、こんな問題雛菊にとっては簡単であった・・・
「えーと 余弦定理です・・・」
「それはどうして?」
「三角形の辺がすべてわかっているため、余弦定理のほうが簡単に行えます」
「その通りだ」
まぁ、雛菊が頭のいい事を証明しただけです・・・・・・雛菊なら20世紀最大の難問(フェルマーの最終定理)を1日で証明しそうだ・・・(ようするに頭がめちゃめちゃいいってこと・・)
この後もsinAがなんちゃらcosBがどうしたこうしたと授業が進んでいった
4時間目の授業が終了して、チャイムが鳴る・・・
安曇と雛菊は屋上に上がろうと廊下を歩いていて、ちょうど生徒指導室にさしかかった瞬間、生徒指導室のドアがガラァーと開いたと思うと、めちゃめちゃ怖い顔の幾斗とそれと同時に怖い顔の武藤が出てきた・・・。
雛菊と安曇は一瞬退いてしまった、まぁ誰でも震え上がってしまうような怖い顔であった・・・もしこの顔を泣いている子供が見たら、無理してでも泣くのを止めるだろうという顔である・・・。
とにかく2人はキレていたのである・・・
「で何があったの?」
屋上で弁当を食べながら、雛菊が幾斗に聞くと不機嫌そうに
「別に!」
ただそれだけである・・・・武藤のほうも
「何でもありませんよ・・・」
キレていても敬語なのがこいつらしい・・・・
いったい何があったのだろうか・・・この顔からみて絶対なにかあったに違いない、いつもなら生徒指導されたってまったく動じない2人である・・・
いったい何があったのだろうか?雛菊の疑問が頭の中をグルグルまわっている間に、空には暗黒の雲が支配する場所となっていた・・・ようするにてんき悪ぃってことである・・・
ポツンポツンと雨が降りはじめた・・・・ これから始まる大波乱の予言のように・・・・
フェルマーさん・・・オイラー・・・ド・モルガンさんでもいいや、 こんなことにはならないって定理をだしてくれない?
そう、後々後悔するはめになるのであった・・・・・
久々に投稿します。