第10話:祭り会場って・・・茶碗の中の米粒の気持ちがよくわかる。。
現時刻は4時55分!雛菊はすべての準備を整え、家を出るところだった。自然と胸が高鳴り、顔がニヤけてしまう・・・
私としたことが・・・・
集合場所は、青海公園の前であった。いそいそと玄関を飛び出し、雛菊は5時ぴったりに公園についた。幾斗は雛菊より前に公園に来ていたらしく、公園のベンチに座ってコーヒーを飲んでいた。雛菊はあわてて近づいて…
「ごめん、待った?」
雛菊の質問に幾斗は、
「うん」
と答えた。遠慮の無いやつなのである。
「でも、集合時間ぴったりだからいいんじゃね?」
そう付け加えると、幾斗は「はやく行こうぜ!」と言って、ベンチから立ち上がった。
ついでに書いとくけど、幾斗のファッションはGパンに黒Tシャツって感じでまぁ普通だった。雛菊は言うまでも無く、浴衣である。
祭りがおこなわれるのは、隣町である。電車にのって2人は隣町へ行こうとした。
ガタンゴトンガタンゴトン
あ…暑苦しい まぁ、誰が乗ってもそう思うだろう。仕事帰りのおっさんや祭りに行こうとする若者などで電車の中はあふれかえっていたからだ。
なんとか、隣町までやってくると駅前の大広場で盛大なお祭りがやっていた。
「うおーはじめて来たけど、すげー規模だなこりゃあ」
幾斗が感激の声を上げている。
とりあえず、広場に入ってみると・・・やっぱりすごい人の数・・・。屋台は何個もありどれから行こうか迷うほどだ。
「たこ焼き!たこ焼き食べようぜ!」
「う・・うん」
幾斗の提案に雛菊は賛同すると・・・
「次は、焼きそば食おうぜ〜」
「・・・・」
「会長!次は、りんご飴!その次は、お好み焼きで・・・次は・・・」
・・・・・・・・って・・・食べ物ばっかじゃない!! と突っ込みたくなる!いったい何個食べるんだろう・・・・食べすぎじゃないかなぁ?
雛菊は、たこ焼きだけにしといた・・・。
それから少したってからである・・・雛菊は広場内を右往左往していた・・・・幾斗とはぐれてしまったからである。幾斗が「牛串買ってくる〜」といってどっか行ってしまったきり帰ってこない・・・・
「はぁ・・・」
ため息が漏れた・・・トボトボと広場内を歩いていたが、最後には疲れて近くのベンチにチョコンと座った。
なんだか、おなかすいてきた気がする・・・さっき幾斗くんと食べとけばよかった。考えてみれば、たこ焼きしか食べてない・・・。
たくさんの人が楽しそうに歩いてる、私は1人で寂しそうにしてる・・・ただはぐれちゃっただけねのに、とても寂しく感じた。なぜだろう・・・。
孤独って・・・
すると、誰かが後ろから肩をたたいてきた。ビクッと肩が反射的に動いた。 誰?
「会長!どこいってたんだよ!探したんだぜ!」
そう言って幾斗が牛串を1本雛菊に差し出した・・・
「はいよ。俺のおごり・・・たく、会長がいなくなっちゃったからさめちゃったけどな・・・」
すごく嬉しかった・・・
「ごめん・・・ありがとう。」
私をいつも孤独から救ってくれるのは、幾斗くんだけだぁ・・・・。
あつくてあたたかい何かが心の中をくすぶった。
「会長、そいやぁ糸河たち来てたぜ〜あっちで待ってるぜ!」
まぁ、そんな感じで全員集合!てなわけでおもいっきし祭りを楽しんだ!
「赤城くん。私、金魚すくいしたい」
雛菊がそう言うと、
「えぇー金魚って食えねーじゃん!」
食い物のことしか考えてなかった・・・
とりあえず金魚すくいをしてみた、安曇は1匹もとれなかったみたいだし、武藤も1〜2匹だった。雛菊も2匹だけだった・・・しかし!
「赤城くん、何匹とれた?」
雛菊が聞くと
「あ?こんなに・・・」
たらいいっぱいの金魚をみせる・・・1、2、3・・・・・軽く100匹はいる
「赤城くん、こういうの得意なの?」
「はじめてやったんだけど・・・・」
その後、幾斗は射的、ヨーヨすくい等で脅威の特技を発揮していた。まぁ、商品の山ってわけである。
「大量!大量!」
4人が喜びながら歩いていると、雛菊が真っ白な服に身をつつんだ男の人にぶつかってしまった。
「す・・・すみません」
雛菊が男の顔をみると、グラサン、リーゼントといかにもヤンキーって感じの男が立っていた。
アワワワワワ これは、まずいんじゃない?
そう思いまわりを見ると、安曇も、武藤も幾斗も白い服を着た男たちに囲まれていた。
白い服、それは間違いなく特攻服だった・・・・。
すると、1人のリーダっぽい男が4人に近づいてきた・・・・そして、
「久しぶりだな、武藤!」
そう言って、雛菊たちを睨んだ・・・
作者に感想ください。おねがいします〜なんでもいいので、
ブログです〜キャラクターについて詳しく載ってます。
http://star.ap.teacup.com/nekotan/
見てみてください・・・