男女共学のバイビー99
自分は責任を取る為に言わば死刑になっても良いと言っているのですからと、ヒロは再度開き直った。
強張った表情をしながらヒロが続ける。
「どうしても責任を取れと言うならば、自分は死んでお詫びします」
若頭が尋ね返す。
「それは心中をしてお詫びするという意味か?」
ヒロが力強く頷き答える。
「そうです。加奈さんと心中して責任を取ります」
加奈が強く異論を唱える。
「私はあなたとなんか絶対に心中しません。責任を取るならば、お兄さんの言う通り、私の病気を治してから、一人で死ねばいいのよ!」
雅が話しに加わる。
「ヒロ、死んでも責任は取れません。もう一度辛い現実、元の鞘に戻って、やり直しすれば罪滅ぼしになるじゃない。私はそう思うわ、ヒロ?」
ヒロが悍ましい物を見る眼差しで雅を見てから言った。
「いえ、自分は絶対に元の鞘に収まる事は拒絶します。それが嫌で最愛の人と心中を図ろうとしたのだから、金輪際無理です。それをする位だったら一人で自殺した方が増しです」
加奈が機転良く詰る。
「それじゃ一人で死ねばいいのよ。私なんか元の鞘に収まるのも無理なんだから、この場で私の病気を治して一人で潔く死になさいよ!」
ヒロが再度開き直る。
「いや、それとこれとは話しが別です。自分はあくまでも加奈さんと心中したいのですから」
加奈が喚き散らす。
「君は我が儘放題エゴ丸出しで身勝手で、自分に都合が良すぎるのよ。そんな虫のいい話し無いわよ、違う?!」
ヒロが敵意を込めて言い放つ。
「虫が良くてもいいのです。自分は責任を取る為に言わば死刑になっても良いと言っているのですから。それのどこが虫がいい話なのですか?!」
加奈がヒロを罵倒する。
「私はあんたとなんか絶対に心中しないわ。あんたなんか一人で寂しく死ねばいいのよ、悪魔、腐れ外道!」




