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男女共学のバイビー93

分かりました、行ってみましょうと、雅が言った。

雅が先手を打つように口火を切った。






「さっき速報が報じられていたけれども、まるで集団自殺するように、昨夜だけで電車への飛び込み自殺が七件集中的に起きたらしいわ」





若頭が腕を組み訝り丁寧語を使って尋ねる。





「それは同じ路線ですか?」





雅が首を振り答える。




「いや路線は違うけれども七件集中すると言うのは異常事態だと思うのよ。これ私達と同じ自殺願望が広範囲で伝染しているのかしら?」





若頭が眼を細め首を傾げてから否定する。





「いや、精神病と言うのは伝染するものではありませんからね。それは単なる偶然の一致だと思います」





雅がしきりに頷き答える。





「そうよね、単なる偶然の一致、私の杞憂よね。でもこの自殺を引き起こす精神病の原因は霧だけではない事は間違いないわよね。一人孤立している時に、少しでも心配事や不安材料があると、それが惹起して発病、心臓の動悸が高鳴り、過呼吸症状を引き起こして狂い、パニックを併発して自殺に至る不安神経症よね。ヒロも同じような形の症状を患っているとするならば、かなり危険な状態だと私は思うわ。でも死んだ者の死体が一斉に消失する精神病なんか無いし、私は間違っているのかしら?」





若頭が改まった口調で切り出す。





「いや、それは自分達が錯覚を引き起こして見落としていた可能性は有ると思うのですよ。ところで雅会長、話しが変わりますが、ここに来る途中かなり目立つツートンカラーの貸し別荘を、兄貴が目敏く見付けたのですが、その別荘は派手で目立ち過ぎるから、逆に捜索隊の眼に止まらなかった可能性が有りますよね?」





雅が眉をひそめ松田に顔を向けて尋ねる。





「松田、そんな貸し別荘を見付けたの?」





松田が顎を引き答える。





「押忍」





若頭が続ける。





「捜索隊が見落としていたとするならば、その別荘にヒロがいる可能性が有りますから、これから行って調べると言う提案はどうでしょうか、雅会長?」





雅が恭しく頷き言った。





「分かりました。行ってみましょう」

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