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男女共学のバイビー89

雅の見落とす事なくと言う言葉が妙にひっかかったが、松田は瞬時躊躇った後、押忍と返事を返した。

松田が死体は一体も無かった旨を雅に報告すると雅が再確認を入れて来た。





「遺留品も引っくるめて見落とす事なく全部つぶさに確認したのね?!」





見落とすと言う言葉が妙に頭の隅に引っかかったが、松田は一拍置いてからくぐもる声で答えた。





「押忍…」





咳ばらいしてから電話の向こうの雅が続ける。





「分かったわ。ならば松田お前は車のスペアーキーは持っているわね?」





「押忍」





「それじゃ一旦直ぐにこのホテルに引き返して来て頂戴。分かったわね?!」





「押忍」





そのやり取りを松田を尾行している若頭が濃霧を通して聞きつけ、やり過ごし、松田が山道を駐車場に向かって下り歩いて行くのを、つかず離れず再度尾行を開始しながら、スペアーキーを持っていない若頭は車に同乗させて貰うべく、力づくで脅すタイミング見計らいながら歩を進めて行く。





濃霧の中をヒロを求めて一人込み上げる自殺願望を堪えながら捜索するよりは、敵のボスに会い、何かしらの手掛かりを掴んだ方が賢明だと判断したのだが、この判断が妙にちぐはぐで狂った判断だと思い込んでいる自分は本当に狂ってしまったのだろうかと自問自答してから、若頭は頬に苦笑いを浮かべ、息を吐き出し独りごちた。

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