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男女共学のバイビー80

霧はパズルの集団自殺を引き起こす不安材料の一つに過ぎないと、ヒロは言った。

感情的になるのを抑制する為に加奈が一度深呼吸してから言った。




「私はここの別荘に来る時、濃霧立ち込める高原の遊歩道で迷子になり、いたたまれない不安と孤独感、恐怖を感じ、このまま遭難するのではないかとパニックを引き起こしそうになったわ。あのまま自殺していてもおかしくない程にね。だから私達を追っている人達が集団自殺を図っているとするならば、自殺する不安要素の最大原因は寒さと濃霧にあると思うのよ。だからこの霧さえ晴れれば自ずと不安材料は消去されると私は思うの」




ヒロが小刻みに首を振り否定する。




「それは自殺願望を引き起こすパズルに嵌め込まれた部分的な一つのコマに過ぎないと自分は思います。逆に言えば、加奈さんは今自分と空調設備も適温に設定された快適な貸し別荘のリビングにいて、ここには濃霧もなく寒さもないし、その気になれば食事を摂ったり、シャワーを浴び、トイレも済ませ、眠る事も可能なわけです。でも加奈さんはいたたまれない不安にかられおののき自制し難い自殺願望に翻弄されているではありませんか?」




加奈がけんもほろろに言う。





「それは君が私を不安にさせる事ばかり話しするからじゃない。私はその暗示に掛かっておののき、狂い始め自殺願望を抱いているだけじゃない。違うの?!」





一つ相槌を打ちヒロが否定する。





「違いますね。自分が言いたいのは、この状況も又不条理な集団自殺を引き起こす一つの矛盾したコマの嵌め込み、整合性の無いパズルの集団自殺の一コマに過ぎないと言う事を言っているわけです。ですから自分が言いたいのは、相関性の欠如した不条理なパズルの集団自殺は、この別荘を惹起基点として、あらゆる場所あらゆる時空間に整合性の無いパズルを組み込みながら、アトランダムに増殖、様々なコマの組み合わせに依って、言葉の暴力装置等も有効に使い、無差別に人を狼狽パニックを引き起こし発狂させ、集団自殺を引き起こしている可能性を自分は言っているわけです」

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