表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/198

男女共学のバイビー63

もしヒロと遭遇した場合、自分が兄である事を打ち明け説得しなさい。打つ手はそれしか無いわと、雅は言った。

ぼんやりとしか見えないナトリウム灯の下、ほふくしながら松田が電話で雅の指示を仰ぐ。




雅が言う。





「近くにヒロが潜んでいる可能性は高いわ。ただ皆にも伝えた事柄だけど、その現場では味方も敵も関係なく連鎖的に自殺している者が相次いでいるのよ。松田、あなたもその自殺願望に囚われる可能性があるから気をつけて頂戴。そして仲間やヒロが思い余って自殺しないように何が何でも阻止しなさい。分かったわね、松田!」




松田が電話に向かってかしづくように応答する。





「押忍」




雅が続ける。





「その濃霧は捜索を困難なものにし、人をいたたまれない不安に陥れる作用があるのよ。だから余り激しく動かず、ほふくして突き上げる自殺願望を抑え、仲間やヒロを救助する事に専念して頂戴。やがて霧も晴れ、捜索は容易になるわ。その時までじっと堪えながら、チャンスを待つのよ。分かったわね、松田?!」





「押忍」




「そして松田、もしヒロと遭遇した場合、自分が兄である事を打ち明け説得しなさい。打つ手はそれしか無いわ」





松田が充血した眼を細めくぐもった声で応答した。





「押忍」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ