表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/198

男女共学のバイビー61

ただ込み上げて来る自殺願望に翻弄され戸惑っている自分がいるのを、若頭は抑えがたく本能的に感じ取っていた。

若頭の斜め後ろで救援隊のメンバーがいたたまれず狂おしくナイフで喉元を突き自決、悲痛な断末魔の絶叫が上がった。





若頭は濃霧の冷たさに一つ身震いし、ほふくしたまま固唾を飲み、濃霧を掻き分けるように、そのメンバーを助命すべく手探りしつつ近寄ると、そのメンバーの遺体は消え失せていて、あろう事かそのメンバーの不気味な断末魔の絶叫を象った黒い影が濃霧にくっきりと浮かんでいるのを感じ取り、濃霧がその黒い影を生き物のように徐々に飲み込んで行き、完全に消えて無くなった。




そんな超現実的な光景を目の当たりにして若頭は戦慄驚愕し眼を見開き、背筋に悪寒が走るのを覚えた。





敵味方関係なく濃霧の中、無差別に悲痛な自殺の連鎖が続いている。





得体の知れない敵の脅威を前にして、若頭は濃霧を凝視し、おののきながら何故と自問自答するが。





何も分からない。





ただ込み上げて来る自殺願望に翻弄され戸惑っている自分がいるのを、若頭は本能的に感じ取っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ