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男女共学のバイビー59

君みたいな悪魔は一人で死ねばいいのよ、意気地無しと、加奈は言った。

ヒロが縋り付くような弱々しい声で言う。





「加奈さん、自分には寂しい孤独死は無理なのですよ。そんなの寂しいし怖くていたたまれませんから、自分には絶対に出来ないのです、すいません、加奈さん」




責めの一手で加奈が畳み掛ける。





「何故君は人を巻き込み死ぬ事ばかり考えるの。皆辛くても懸命に生き抜く事を考えているのに、そんな罪なき人を巻き込んで死ぬ事ばかり考えるのが、君が悪魔の証拠なのよ、違う?!」




俯きつつ涙声でヒロが答える。





「世間の人達は自分に寂しさしかくれなかったのです。でも自分の最愛の人と一緒に心中すれば自分は寂しくないと感じるのです。すいません」




「死に神のように囁き唆し、人を自殺に追い込む君なんかちっとも憐れじゃないわ。この世に全くの被害者と言うのは存在しないのよ。それを盲信して、そう思い込み、己を憐れみ一人死ぬのは君の勝手だけれども、そんな身勝手な論理に無関係な他人を巻き込むのは言語道断じゃない。そんなの悪魔の所業よ、そう思わない?!」




ヒロが加奈を手で制するような仕種をしてから言った。





「すいません、加奈さん。そんなに自分を一方的に責めないで下さい。最愛の加奈さんに責められたら死にたくなりますから。でも自分は一人では死ねないのですよ、すいません、加奈さん」





加奈が息を吐きだし愛想を尽かすように言い放った。





「一人で死ねばいいのよ、意気地無し!」

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