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男女共学のバイビー56
君は悪魔よと、加奈は怒鳴った。
加奈が首を振り否定を重ねる。
「そんなの絶対に邪推よ。その証拠に私は死にたい願望なんかちっとも擡げていないし、全て推論の域を出ない話しじゃない」
すかさずヒロが畳み掛ける。
「でも外に出たら擡げる可能性は有りますよね?」
加奈がヒロを睨みつけ言い放つ。
「君は又私を脅すつもり。例えば君の推論通りならば、君は自分の身勝手な乱痴気騒ぎに他人を巻き込む悪魔じゃない。悪魔の囁きになんか私は負けないからね、絶対に負けないわよ!」
ヒロが自分を指差し情けない感じで笑い言った。
「自分は悪魔ですかね?」
加奈がいきり立つ。
「そんなの当然よ。何度も言うけど、君は自分の身勝手な死に人を巻き込む悪魔じゃない。第一、私がこの別荘を出たら、そこは元通りの世界であり私は生還出来る可能性に君は触れていないじゃない。悲観的な事ばかり言って他人を唆し陥れる悪魔じゃない!」
ヒロが泣き笑いの顔付きをして言った。
「自分は寂しくて寂しくて仕方ないだけですよ」




