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男女共学のバイビー49
まるでパズル全体が濃霧に呑まれ、コマを裏目に揃えて集団自殺を図るように死んで行く不条理の連鎖に、雅は背筋に悪寒を覚えた。
夜更け。深い霧の中に佇む湖畔のホテルの中。
救援部隊に松田を加え赴かせ、雅は車椅子を窓際まで押し進め苦渋に顔をしかめつつ考える。
ヒロは消息を絶ったまま、微かな命の息吹、その琴線の在りかも掴めない。
それはまるで解けないパズルを延々と組み込んでいるがごとくもどかしい様相を呈している。
パズルのコマは局面打開、鋭意決断し嵌め込むと、まるでその決断を嘲笑うように裏返り自殺し死んで行く。
そしてヒロの姿はあたかも濃霧になったように、姜として掴めない。
まるでパズル全体が濃霧に呑まれ、コマを裏目に揃えて集団自殺を図るように死んで行く不条理の連鎖。
だが、何故と雅は自問自答する。
分からない…。
そこで雅は背筋に得体の知れない悪寒を覚え、肩をすぼめて身震いし、息を吐きだし独り瞼を伏せた。




