男女共学のバイビー46
しかし若頭、自分もこの濃霧の中、いたたまれない不安に発狂しそうで、自殺したくて仕方ありません。若頭、自分は狂ってしまったのでしょうか。何とか助けて下さいと、頭は言った。
無残に破壊され、原形を留めていない何体もの血みどろの惨殺死体が転がるバンガローから、頭と足を負傷した今井が濃霧立ち込める外に出て、頭が肩を貸している今井を促し木の幹に寄り掛からせてから、若頭に電話を掛けた。
頭が充血した眼に涙を溜めて言う。
「総攻撃を掛けられ、自分ともう一人を残して全滅です。一人は足を負傷し歩けません。早く救助して下さい。お願いします」
若頭が張りのある声で頭を元気付けるように応じる。
「分かった。直ぐに行くからそこで待っていろ。後、総攻撃を掛けた後、敵は撤収何処に向かったか分かるか?」
「多分そちらの方に向かい、伏兵して若頭達を迎え撃つ作戦だと思います」
「そうか、分かった。直ぐに行くから、そこを動くなよ!」
頭が身震いしながら震える手で涙を拭い答える。
「分かりました。しかし若頭、自分もこの濃霧の中、いたたまれない不安に発狂しそうで、自殺したくて仕方ありません。若頭、自分は狂ってしまったのでしょうか。何とか助けて下さい。よろしくお願いします」
若頭が電話に向かって相槌を打ち声を限りに怒鳴った。
「分かった。直ぐに行くから、死ぬんじゃないぞ!」




