男女共学のバイビー44
ここまで来たら背水の陣を敷いて、泥沼のゲリラ戦を勝ち抜き、救援部隊と合流、生還するしかないのよ。分かったわねと、雅が檄を飛ばした。
濃霧の中、バンガローを包囲する隊長の本に雅から電話が掛かった。
雅が言う。
「情報が錯綜としていて、確実かどうかは疑問符があるけど、敵の救援部隊がそちらに向かっているという情報を掴んだわ。背後を突かれる心配があるから、厳重に警戒態勢を敷いて頂戴」
隊長が答える。
「今現在、もし濃霧の中、敵が襲撃して来てゲリラ戦を強いられたら、こちらのメンバーもかなり体力を消耗疲弊しており、相当数の犠牲者が出る可能性があります。その前に暫時撤退しても宜しいでしょうか?」
雅が答える。
「帰路は敵の車が駐車している駐車場を迂回する一本道しか無いのよね?」
「はい、そうです」
「だったら濃霧の中索敵も出来ず、鉢合わせになる可能性は極めて高いじゃない。ならばそこで体力を温存し霧に紛れ伏兵してのゲリラ戦を仕掛けた方が勝算は高いわよね?」
隊長が息をつき答える。
「それはそうですが、その戦術を取るとバンガローの敵に今度は逆に背後を突かれ、挟み撃ちの戦況を強いられる事になりますよね」
押し黙るような沈黙の後、雅が厳かに告げた。
「いい、肝に銘じて頂戴。こちらも救援部隊をそちらに差し向けたから、ここまで来たら背水の陣を敷いて、泥沼のゲリラ戦を勝ち抜き、救援部隊と合流、生還するしかないのよ。分かったわね!」
隊長が固唾を飲み答える。
「了解しました」




