男女共学のバイビー24
隊長が電話にかしづくように「分かりました」と告げ電話を切り、隣にほふくしている隊員に雅の指示を耳打ちして伝え、その隊員が伝令となり、ほふくしたまま動き出した。
雅の下に捜索隊の隊長が状況を伝えるべく電話に向かって小声で一報を入れる。
「濃霧の中、敵は見張り役を二人立たせて、バンガローに詰めているのを我々は完全に包囲しました。攻撃しても宜しいでしょうか?」
雅が答える。
「ゲリラ戦を仕掛け音を立てずに一人づつ仕留める戦術をとりなさい。状況を的確に判断してバスを狙撃したような間違いは冒さず、同士討ちを避けるようにして頂戴」
「銃は使わず、白兵戦を仕掛けるのですね?」
雅が電話を耳に充てたまま、的確に言葉を選び指示を出す。
「そうね。炸裂音と火の手が上がるのは絶対に避ける形で、濃霧を利用して敵が恐怖におののき、堪らず出て来たら、各自一人づつ仕留めて、その死体を運搬始末する形を取りなさい。絶対に戦闘の痕跡を残さずに仕掛けて頂戴」
「もし敵がバンガローに詰めたまま出て来ない場合はどうしますか?」
雅が臨場感溢れる想定を為しながら、戦術を示唆して行く。
「まず見張り役の者を忍び寄り、一人づつ始末しなさい。そうすれば中の者が、一斉攻撃を恐れ、不安におののき、パニックを引き起こして飛び出して来るから、それをじっと待って、白兵戦で一人づつ片付けて行きなさい。但し相手はパニックを引き起こして、複数人数で出て来て、やみくもに銃の乱射をする可能性も高いから、それは霧に紛れてほふく、かわす戦術を取りなさい」
隊長が電話にかしづくように「分かりました」と告げ電話を切り、隣にほふくしている隊員に雅の指示を耳打ちして伝え、その隊員が伝令となり、ほふくしたまま動き出した。




