21/198
男女共学のバイビー21
峠道。雅の増援部隊を乗せたバスがライフルで狙撃され、断崖絶壁から落下炎上した。
夕暮れ。雅の指示の下に増援部隊を乗せたバスが峠道を走っている。
車内には兵士のように重武装をした戦闘員達が、戦地に赴く緊迫感を漂わせながら並び鎮座している。
眼を閉じて恐れ動揺する心を鎮めるべく精神統一を図っている者もいれば、電話を指でまさぐり、懸命に情報収集をしている者もいるのだが、言葉を発する者は一人としていない重々しい空気が車内全体に漂っている。
うねるように峠道を走っていたバスが路肩で対向車をやり過ごし、再度発車して急勾配の下り坂を下り始めた直後、一発の銃声が轟き、フロント硝子を破壊貫通した銃弾が運転手の頭部を貫通破裂させ、鮮血の入り混じった脳しょうが辺り一面に飛び散った。
操作性を欠いたバスはそのまま左側のガードレールに激突、ガードレールを突き破り、幾重にも重なった断末魔の絶叫を乗せながら断崖絶壁を重々しく転がり、削るように落下して行き、河原に逆さまになって落下着地したのと同時に爆発大破炎上し、紅蓮の炎に包まれ、激しく立ち昇る黒煙を上げた。




