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男女共学のバイビー197
パズルの集団自殺の無数の足音がヒロの遺体を消して行った。
幾重にも木漏れ日が差し込む、朝靄が立ち込める原生林を彷彿とさせる山林の中。
落下する途中何度となく木の枝に引っ掛かり無惨に傷付いているヒロの遺体に、四方八方から無数のパズルの集団自殺の足音が何処からともなく忍び寄って来て、たかり群がる。
そしてその姿無き足音が、まるで捕った獲物を捕食するように、さわさわさわさわさわさわさわさわさわさわと無数の足音を立てる度に、ヒロの身体がその姿を徐々に消して行き、やがてまるで最初からヒロの遺体など無かったかのように完全に消失、足音も四散し玲瓏なる空気の中に消え失せて行った。