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男女共学のバイビー176
ほらどんどん増えて行くわよ、加奈さんと雅が言った。
加奈が提案する。
「雅会長、救援を呼べば良いのではありませんか?」
雅が否定する。
「いや、私もそれは考えたのだけれども、それをしても決着を先に伸ばすだけなのよ。今この時こそが正に勝負時であり逃げる訳には行かないのよ…」
「救援を呼ぶ事は逃げる事と同義であると言う意味ですか?」
雅が頷き答える。
「そうね。そう言う意味ね」
「でも雅会長、ここは相手のやり口が読めたのだし、それを踏まえた上で一度撤退して、再戦を図ると言うのはどうでしょうか?」
雅が簡単に言ってのける。
「パズルの集団自殺にワンパターンは無いわ。いずれにしろ逃げる事には変わり無いじゃない」
加奈が無念そうに相槌を打ち答えた。
「そうですね…」
雅が怪訝な顔をして言った。
「ほら、又足音が聞こえるわ。今度は一匹ではなく複数いる足音よ」
加奈が耳に手を充てて澄まし、答える。
「そうですね、これは一匹の足音ではありませんね」
雅が恐怖に顔をしかめ震え出しながら言った。
「ほら、どんどん増えて行くわよ、加奈さん…」




