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男女共学のバイビー173
そう、パズルの集団自殺は残忍無比な自殺制御装置なのよと、雅は言った。
雅が強い眼差しで加奈を直視してから言った。
「そして私達もあの足音に狂わされると私は思うのよ」
加奈が訝り否定する。
「でも今はあの足音聞こえないじゃありませんか?」
雅が険しい目付きをして言い放つ。
「いえ、又必ず鳴り出すわ。そして三人と同じように私達を脅し狂わせて、自殺させようとするわ」
戸惑いを隠さずに加奈が言う。
「でもこのバンガローから出さえしなければ誘導はされませんよね?」
雅が悔しさに涙ぐみながら言った。
「パズルの集団自殺を甘く見ては身の破滅よ。パズルの集団自殺は人の潜在意識、無意識を自在にコントロールして狂わせ、自殺に追い込む残忍無比な自殺制御装置なのだから…」
「自殺制御装置…」
雅が恭しく相槌を打ちもう一度言い放った。
「そう冷酷無比な自殺制御装置なのよ…」




