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男女共学のバイビー167

何これ空耳なのと、加奈が驚愕の表情を浮かべ言った。

雅が眼を覚まし状況を把握した後、加奈の手を握り返しながら宥める。





「大丈夫よ、加奈さん、落ち着いて、私が傍にいるから何も心配しないで、大丈夫だから」





加奈が深呼吸を二度繰り返して、へたり込むように座り込み、雅に縋り言った。





「何かの小動物の足音がこのバンガローの周りを回っているのです、雅会長?!」




雅が固唾を飲み、耳を澄ましてからおもむろに言った。





「私には何も聞こえないは…」





加奈が人差し指を唇に縦に当てがい大きく眼を見開き促す。





「ほら、その壁の向こう側から聞こえるじゃありませんか?!」





言われて再度耳を澄まし、雅がしきりに相槌を打ってから言った。




「そうね。確かに聞こえるわね。この足音は鼠のものかしら?」





加奈が顔をしかめ訝る。





「ね、鼠ですか?」





今度は雅が加奈を促す。





「ドアを開けて確かめて見れば良いのよ?」




「分かりました」と言い加奈が立ち上がって、忍び足でドアを押し開け、濃霧をかい潜るようにうずくまりバンガローの壁際を凝視するがめぼしい者は何もいない。





そして加奈が戻ろうと腰を上げた瞬間、今度はバンガローの中から足音が聞こえ、加奈は返す手でドアを開いて中を覗いたが雅以外何も見当たらなかった。




「何、これ空耳なの?」





と言い、混乱し愕然としている加奈に対して雅が告げた。





「加奈さん、又壁の外側から聞こえるわよ」と言い、加奈は眼を見開き驚愕の表情をして震えたまま耳をつんざくような悲鳴を上げた。

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