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男女共学のバイビー162

パニックを引き起こし、若頭は三度深呼吸して、それを何とか凌いだ。

街灯の光芒がぎりぎり届く叢に配置を決め、若頭がうずくまった瞬間脳裡に恐怖のイメージが拡がった。




それは死んだ配下の者の自決場面であり、その者はこめかみに拳銃を突き付け、発砲寸前震え恐怖に顔を歪めている場面なのだが、ふとそこでその映像が止まった。




そしてその映像が拳銃の引き金を低く手をクローズアップして行き、徐々にそれが手から腕へと移って行くのだが、ここで若頭は違和感を覚えた。





拳銃を持っているのは自分の腕なのだ。





死のうとしている配下の者のこめかみに拳銃を突き付けているのは明らかに今現在のここにいる自分であり、若頭は動揺し震えながら自分の右手を目の前に持ち上げ、凝視した。




すると右手は拳銃を握っているそのままの形を作っており、今にも引き金を引こうとしている。





そして次の瞬間「や、止めろ!」と若頭は喚いたのだが、右手は勝手に引き金を容赦なく引き、脳裡の中の配下の者はこめかみを拳銃で撃ち抜き、呻き声を上げ、白目を剥き痙攣しながら絶命した。




その陰惨な映像が終息した途端、若頭の心臓は激しく脈打ち、全身が痙攣し呼吸困難となって行くのを、若頭は血走った眼を見開き、三度深呼吸して呼吸を調え、激しくかぶりを振って落ち着かせた直後、電話のバイブが唸りを上げた。

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