男女共学のバイビー161
分かりました、雅会長と加奈が答えた。
バンガローから濃霧立ち込める山道を下る道筋を一人が行き来する形を取り、二人が山道の両側の叢の適所に身を伏せ、暫時連絡を取り合いながら入れ代わって行くと言う行動様式が自然発生的に立案実行される運びとなった。
そして若頭が先陣を切り場所を選択した。
「それじゃ、俺は遺体が消えた叢の検証をしたいから右側の叢に潜むとしよう」
ヒロがそれに続いた。
「それじゃ自分は左側の叢でお願いします。すいません」
当然消去法で松田は山道の行き来をする運びとなり、各々戦勝を期して、分かれての適所パズルの集団自殺への割り振り配置が為されて行った。
転じてバンガローの中では雅が精神安定剤を服用し、それを加奈に奨めたが加奈が「すみません、効きませんから、雅会長御厚意有り難うございます」と丁重に断り、雅が納得して頷き言った。
「私は薬を飲んだから眠ってしまうかもしれないけれども、加奈さん、何か異変が有ったら起こしてくれないかしら?」
暖房の温風を避けるような位置に座布団を敷いて座っている加奈が恭しく頷き答えた。
「分かりました、雅会長。安心して眠って下さい」




