男女共学のバイビー160
一蓮托生、命有る限り徹底抗戦しか道は無いだろうと、若頭は言った。
雅と加奈を置いてバンガローから出る直前に行動様式の打ち合わせが執り成されて行く。
若頭が指示を出す。
「山道寄りは街灯が近い距離に等間隔で照らしているから明るく、各自山道からそれ程外れない形で立ち回る形を取ってくれ。山道から遠く離れた場合のみ、フォグランプを使い、バッテリーの温存を図ってくれないか。俺は遺体が何故消えたかの検証をしたいと思ってはいるのだが、それをするしないは自由とする。それと相互の連絡は密に取り、細かい変化も見逃さないで報告、無神経、無謀な対処は命取りになるから絶対に避けて欲しい。以上だが、何か質問は無いか?」
ヒロがすかさず質問する。
「朝日が出るまではここには戻っては行けないのですね?」
若頭が頷いた。
「原則そうだが、雅会長と加奈さんとも密に連絡を取り合い、異変が有ったら直ぐさま連絡を取り合いながら戻る形だろう。他には?」
ヒロが続ける。
「すいません、朝までやっても埒外が開かない場合はどうするのですか、兄貴?」
若頭が雅、加奈、松田の順に流し目をくれてから言った。
「次の濃霧立ち込める夜に再戦の形となるだろう。決着がつくまでとにかく前進有るのみだろう」
ヒロがしきりに頷き言った。
「命有る限り徹底抗戦ですね、兄貴?」
若頭が決意の程を託し恭しく相槌を打ってから答えた。
「そうだ。一蓮托生、命有る限り徹底抗戦しか道はないだろう」




