男女共学のバイビー146
パズルの集団自殺に逆襲するべきだと雅は唱えた。
雅が意見を出す。
「私達は逃げていればやがては追い付かれ、この妄想に食い殺される定めだと思うのです。以前私達はいたたまれない不安と恐怖に立ち向かうべく、各自勇敢に濃霧の高原を命懸けで踏破し、パズルの集団自殺が齎す自殺願望に打ち勝ち生還した経緯があり、それはつまり逃げるのではなく、立ち向かうコマの割り振りをすれば追われるコマの割り振りはなく、怖じけづいた分食い殺される事も無いと言う事を、証明していると私は思います」
若頭が注釈を入れる。
「それはつまり逃げれば追い付かれ食い殺されるが、勇敢に立ち向かえば相手が逆に怯むと言うコマの割り振りがなされると言う論理ですか?」
雅が恭しく頷き答える。
「そうです」
若頭が尋ねる。
「ならばその方法論を提示してくれませんか?」
雅がおののきを呑み込むように深呼吸をしてから答えた。
「以前私達は濃霧立ち込める昼間の高原を一人ずつ踏破しましたが、今度は逆襲の意味合いを込めて、逃げ、追われた追跡妄想のコマの割り振りを踏まえた上で、濃霧立ち込める夜中の高原を逆襲一人ずつ踏破すると言うのはどうでしょうか?」




