表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
137/198

男女共学のバイビー137

雅が偶然の一致をまさぐる戦術を提示する。

若頭が思い付いた疑問符を投げかける。





「ただ一つこの辺りがパズルの集団自殺の軸の役割を果たしているとして、外堀の飛び込み自殺との相違点は、こちらの遺体は不可視な存在の力に依って消失し、飛び込み自殺の方は消失せずに残っている事柄があるが、そこら辺から何かしらのヒントは得られないものかな?」




失意しているヒロを潤んだ目付きをして見遣りながら雅が言った。




「それは先程加奈さんが言っていたメンバーの数値的配置に繋がる事柄だと思います」





若頭が雅に顔を向け尋ねる。





「もう少し具体的に言ってくれませんか、雅会長?」





雅が話を整理する間を置き言った。





「例えば白黒のオセロの配列を思い描いて、この別荘を軸に近隣で死んだ者の遺体が黒のコマだと想定して、その黒のコマのままでは外堀に対する集団自殺の伝染性を欠けば、黒を白にして、その伝染力を強めると言う推論ですね…」




若頭が頷き言った。





「伝染力を強める為に、黒のコマを白に変えて遺体が消失し、そこにこちら側のメンバーの人数配列をミキシングし嵌め込むと、混沌としての不整合なパズルにも一瞬だけ配列めいたものが出来ると言う事ですか?」





雅が頷き答える。





「そうです。勿論その配列は相関関係がなく不整合なものですから、流動的で掴み所はなく、確実性も乏しく常に裏目に出る可能性も秘めているのですが、そこにヒロの言うところの偶然性が生じ、パズルの集団自殺は惹起したと言う側面もあると、そう私は思うのですが…」




若頭が相槌を打ち言った。





「成る程。配列の瞬間的な偶然の一致が我々五人のメンバーの自殺願望を消去する可能性を言っているのですね?」





雅が頷き言った。





「そうです。でもあくまでも配列そのものをどのようにするのかも全く未知数、分からない段階でのコマの割り振り、偶然の一致を論っている訳であり、それも偶然の一致とは正に刹那、瞬間的なものを言っているわけですから、可能性としては殆ど無に等しいとは思うのですが、何もしないよりは増しかなと言った程度の提案ですが…」





若頭が面白いといった感じで大きく頷き答えた。





「パズルの集団自殺の要素が常に流動的ならば、こちらもあらゆる要素を流動的に配置換えをすれば、コマは偶然の一致で嵌まる可能性が高まりますよね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ